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大森 洋介 院長、尾立 朋子 先生、肥後 友彰 先生の独自取材記事

かすがいクリニック

(箕面市/彩都西駅)

最終更新日:2021/01/05

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大阪モノレール彩都線の彩都西駅から車で約8分。阪急バス粟生(あお)団地バスターミナルに隣接した場所に開院する「かすがいクリニック」。外来診療は朝8時から10時の2時間。それ以外の時間は24時間体制で訪問診療を提供している。急な依頼にも応えるため、取材に訪れた時には大森洋介院長が不在。先に尾立朋子先生、肥後友彰先生に話を聞いたが、しばらくして大森院長が帰院すると、緊張感が和らいだ様子から三人の仲の良さが伺えた。クリニックの方向性をしっかりと示しスタッフ全員を導く大森院長と、優しく思いやりにあふれた尾立先生、頭脳明晰な肥後先生。互いの専門性を生かし、尊敬しながら仕事に励む三人に、訪問診療とこれからの展望について聞いた。
(取材日2018年12月10日/再取材日2020年10月29日)

人と人、人と地域をつなぐ「かすがい」となるために

訪問診療を始めたきっかけと、クリニックの名前の由来から伺います。

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【大森院長】私は大阪大学医学部を卒業後、循環器内科医局に所属し附属病院や系列病院で勤務しながら、父が開院するクリニックでも診療を手伝っていました。そこで長年、父のところに通っていた患者さんが高齢となり、だんだん通院が難しくなっていく様子を目の当たりにしたのです。「かかりつけ医の使命はずっと通ってくださっている患者さんを最期まで診ることではないか」と感じて、訪問診療の道へ舵を切りました。当院の「かすがいクリニック」という名前は人と人、あるいは人と地域をつなぐ「かすがい」のようなクリニックになりたいとの思いからです。2020年7月には医療法人化もしました。法人名を「ミナテラス」としたのは「みんなを照らす」と「みんなのテラス(TERRACE)」の両方の意味から名づけました。

診療体制や訪問診療の流れについて教えてください。

【尾立先生】訪問診療に行くのはクリニックを中心とした半径16kmの範囲内で、東は主に高槻、西は宝塚ぐらいまでです。患者さんからのご依頼は、まずクリニック内にある在宅連携室が受け、5人のスタッフがコーディネートしてくれます。統括する事務長が1人、看護師は現在5人おり、看護師を月替わりで1人ずつ在宅連携室に派遣し、お互いの仕事を勉強してもらって、クリニック内の風通しを良くする工夫もしています。医師はそれぞれが専門分野を持っていますので、専門に合わせて大森院長が患者さんの担当を決めてくれます。「この方は心不全だから肥後先生」とか、リハビリテーションが多く必要だと私、といった感じです。専門外でわからないことがあれば、すぐに相談できる環境なのが、とても心強いですね。

肥後先生は4月から訪問診療に加わられたそうですね。

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【肥後先生】大森院長は私の大学の先輩で医局も同じだったのです。私が循環器内科医局の特任研究員となり、ロンドンに留学することを決めた時も、ロンドン留学経験のある先輩として、日常生活のことや、その他のいろいろなことの相談に乗ってもらっていました。2010年から最初の7年程は、心不全のメカニズムを解明する研究を、その後、ロンドンの大学でがんの免疫療法について研究し、研究者としてのキャリアを続けようと思っていたのですが、長女の進路の事情もあり帰国することになりました。日本で研究を続けるか、別の新しいことにチャレンジするのかを迷っていた時に、いろいろな人にお話を伺い、大森先生のお話に最もピンと来たのが、この道に進むきっかけになりました。これまでの開業医とは違ったスタイルを構築し、地域を持続的に支えるというシステム自体をつくっていく、という考えに非常に共感したのです。

これまでの地域医療をチームでアップデートしていく

訪問診療の印象はいかがですか?

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【肥後先生】発見の連続です。病院で働いていた時は、患者さんのことを断片的にしか知らなかったのだと痛感しました。病院にいると、医療的な視点から患者さんを見て自分の手技を高めるとか、論文を書いてキャリアアップを図るとか、そういうところをメインにフォーカスするのです。でも、訪問診療は医療の知識だけでは不十分で、その上に人間としての総合力が試されることを、すごく感じます。中でも驚いたのは、病院から処方される薬を「患者さんはこんなにも飲めていないのか」ということです。1日3回の処方で10何錠も薬を出されていて「その半分が飲めていたらいいほう」というのが現実。周りのサポートがあっても難しいということで、状態を見極めて1日1回に減らしたということもありました。

専門分野の違う3人の医師がいるのは、クリニックの大きな強みの一つですね。

【大森院長】そうですね。3人ともカラーが違うので、それが診療にプラスに働いていると思います。例えば肥後先生は病院でするように、きっちりとデータを取って科学的に患者さんを診るところが尊敬できるところです。
【尾立先生】肥後先生は患者さんが良くなるまで、とことん資料や文献も調べて、やれることを全部やりつくします。だから自信を持って患者さんに接することができるのだと思います。肥後先生の努力する姿から刺激されますし、私にとってありがたいですね。
【肥後先生】尾立先生の素晴らしいところは、心の機微に触れて患者さんと温かく接するところです。女性らしい繊細な気遣いに、患者さんもすごく安心していると思います。

お互いの良いところを認め合える、素晴らしいチームワークですね。

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【大森院長】若いチームですから、いろいろなことにチャレンジできると思っています。良い意味でも悪い意味でも昔ながらの地域医療を、アップデートしたいのです。それぞれが異なる診療スタイルで、その個性と良い点を診療に生かしたいですね。
【肥後先生】やはり訪問診療をしていると、医療的な治療だけでない部分も必要になってきます。尾立先生の想像力を働かせながら、患者さんが求めていることに手を差し伸べていく姿を見習いたいと思いますね。
【尾立先生】私は患者さんとなるべく近い距離で、寄り添う診療を大切にしています。関わり過ぎるのも返って良くないのでは、と思うこともありますが、例えば、日中よりも夜に伺ったほうが、心を開いてたくさん話してくれる方もいらっしゃいます、そのときは、往診でない時間にボランティアの一つとして訪問したり、自分の中でどう寄り添えるか、工夫しています。

患者の人生観に合わせたオーダーメイドの医療を届ける

こちらのクリニックで診療にあたっていて、感じることはありますか?

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【尾立先生】さきほどお話したように「これでいいのかな?」と、自分のやり方に迷うこともありますが、大森院長がとても自由に、私のスタイルで診療させてくれ、ありがたいですね。いつも「尾立先生のスタイルでやっていいよ」と言ってくれて、困ったらすぐに相談に乗ってくれますし、背中も押してくれます。方向性を押しつけることなく「こうしたほうがいいんじゃない?」と言ってくれ心強い存在です。
【大森院長】医師として幸せなところは、自律性を持って働けることです。自律性がないと仕事として面白くないですし、悩んだり悲しんだり喜んだりしながら自分で解決していく。自分で蒔いた種を自分でコントロールしながらやって行くのが、ドクターとしてのやりがいではないでしょうか。

院長が思う、こちらのクリニックならではの診療スタイルとは?

【大森院長】訪問診療を受ける方の人生観に合わせて、その方のご家族の事情に合わせて、オーダーメイドの医療を提供できることです。在宅医療、外来診療、オンライン診療などがありますが、それは一つの手段、一つのツールに過ぎません。私たちは、あくまで患者さんのニーズに合わせて、柔軟に医療を提供できないといけないと思っています。その方にとって在宅が必要と判断すれば在宅を、また外来を、オンライン診療を提供しますし、それらを組み合わせながら、固定観念にとらわれずにやっていきたいと思っています。

最後に今後の展望を教えてください。

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【大森院長】これからも、さらにチーム医療を進めていきます。当院の医師、看護師、地域連携室の3つを核として、それ以外の部分に関しては自分たちだけでではなく、地域の各連携機関の方々と、相互理解を深めながらしっかりとタッグを組んでやっていきたいと思っています。今後、ますます増えることが予想される、訪問診療を必要とされる方々の期待にしっかりと応え、お役に立てることを願っています。

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