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大森 洋介 院長の独自取材記事

かすがいクリニック

(箕面市/彩都西駅)

最終更新日:2019/08/28

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阪急バス粟生(あお)団地バスターミナルに隣接し、大阪モノレール彩都西駅からは車で8分の場所に、2018年12月3日に開業した「かすがいクリニック」。訪問診療を中心に行うクリニックで、外来診療は朝の8時から10時の2時間。それ以外の時間は訪問診療を行う体制が特徴だ。人と人、地域と人をつなぐ役目を表す鎹(かすがい)という言葉をクリニック名につけたのは、地域に貢献したいという大森洋介院長の想いから。患者とその家族の状態や状況に応じた、適した医療提供のためには、他の関係機関との協力関係がとても重要。連携を深めるためにも同院では、地域のケアマネジャーや介護ヘルパー、訪問看護士、訪問診療に携わる医師たちとの勉強会も開催。熱意あふれる大森院長に、じっくり話を聞いた。
(取材日2018年12月10日)

半径16キロを診療範囲として東西に奔走する

新たな診療形態の誕生という印象を受けたのですが。

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確かにそうかもしれませんね。よく「外来の夜診はないの?」と聞かれるのですが、夜診を設けてその時間までに帰ってくるとなると、在宅患者さんの急な体調不良による往診依頼に応じられなくなるので、今のところその予定はありません。外来中心で昼休みに訪問というスタイルではなく、訪問を軸に据えています。訪問先でじっくり時間を取って診療したいので、外来自体は午前8時から10時までとしています。その朝の2時間は、この粟生団地や周辺にお住まいで不調を抱えておられる方や、今はまだ通えるけれど近い将来、往診が必要になる方を診させていただければとの思いから、外来として設けることにしたのです。

では、あらかじめ関係を築くことができるわけですね。

そうなのです。いきなり往診ではなく来れなくなったときに在宅に移行するのが、一つの理想の形ではないかなと感じます。なじみのある医師だと患者さんも気心が知れている分、ストレスが少なくて済みますから。訪問診療の範囲は地形的・交通事情的にも東西南北フルにではありませんが、当院を中心に半径16km圏内です。主に東は高槻から、西は宝塚までの範囲が多いです。

開業に至るまでの経緯を教えてください。

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大阪大学医学部を卒業後、医局に所属し付属病院や系列病院で勤務しますが、同時に伊丹市で30年前から父が開業している「大森クリニック」でも診療していました。父は今70代ですが往診を行っていなかったので、同じように年を取っていった長年の患者さんは徐々に通えなくなっていきました。そんな中で、かかりつけ医の使命は、ずっと通ってくれていた患者さんを最期まで診てあげることではないかなと感じ始めるのですが、在宅医療分野へ完全にシフトする前の3年間は、ロンドンに留学して研究の日々を送りました。異国で誰も頼れる人がいない、自国のように守ってもらえる環境にない中で、どこまでやっていけるのか挑戦したかったのです。その数年前には博士号も取得していましたし研究も好きでしたから、開業したらできないことに没頭し、帰国後は訪問医療に従事して経験を積んできました。

絶対に諦めない姿勢で一緒に取り組む

診療において気をつけておられることはなんですか?

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一緒に悩んで解決していこうというスタンスで、絶対に諦めずに寄り添っていくことを大事にしています。だけど迎合するだけでなく、患者さん自身が気づきを得られるように、医師としてサポートしていくことも必要だと考えています。

お一人お一人に向き合っておられる様子がうかがえます。

血圧にしても「厳密な数値目標を達成しなければ」ではなく、患者さんの望みをかなえるには、何が一番良いのかを優先に考える。それが「長生きしたい」であれば当然、血圧数値の管理が欠かせませんが、希望に添うために必要なことだから、目標数値に向けて一緒に取り組むというスタイルで始めていきます。そのほうが患者さんのモチベーションも上がって前向きになれると思うのです。それでも、医師には言いにくい悩みで、ケアマネジャーやヘルパーには話せるということもあると思いますから、患者さんはもちろん、在宅医療に従事される方たちとのコミュニケーションも大切にしています。

そうしたつながりが患者さんのためになっていくのですね。

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在宅に関わるそれぞれの機関が連携して支えていく、それは地域医療にとって不可欠なことだと思いますので、私は重点を置いています。訪問看護ステーション、デイサービス、在宅支援ケアプランセンターと全部業種は違いますが、北摂地域の各事業所は顔が見える環境にあって、仲良く協力し合っています。また病診連携としていろいろな病院にお世話になることも多く、この1年間、北摂で訪問診療に携わり各機関との関係が築かれていく中で、北摂地域の患者さんが増えたため、開業にあたりこの地を選びました。

先を見据え100年先も継続できる医療提供のために

なぜ医師をめざされたのですか?

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医療が身近にある中で育ち、長男としての責任感もあって、後を継がねばとずっと思っていました。その父のクリニックを病院勤務と並行して手伝ってきたことは、訪問診療にとても役立っています。私は循環器内科が専門なので、病院ではカテーテル治療や不整脈の治療が主体でしたが、開業クリニックでは内科全般、小児科から眼科、皮膚科、耳鼻科的な疾患まで、あらゆる症状への対応が求められます。また、がんの終末期の患者さんも診てきましたので、緩和医療にも携わってきました。そうして培ってきた経験から、一人の患者さんを継続的に診ていくには、その方の体に起こりうるすべてを診てあげられることがいかに大事なことかを知るに至りました。

臨時の依頼で急な対応に追われるなど、毎日大変だと思うのですが。

1日の予定が変わっていくのが当たり前という毎日ですが、どんなときも「はい喜んで」という姿勢でお受けします。「え?」と言っても始まらないので、言わないようにしているというのもありますが(笑)。急な依頼をする側も、こちらが忙しいのはわかっているけれど、頼まざるを得ない状況にあるわけですから「すぐ行きます」と気持ち良い答えが返ってくると、うれしいじゃないですか。そのためにも私に必要なのは自己肯定感と考え、週に1~2回合間を見つけてジムでトレーニングしています。体を鍛えながら自分で自分をコントロールしているという感覚を持てることでリフレッシュできるのです。あと、勤務医時代にとても忙しい大阪警察病院の循環器内科や、大学院での臨床研究、外国での生活など、自分のベースで事が運ばないところに身を置いてきたことで精神力が養われたのかもしれません。

今後の展望を聞かせてください。

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待合室は地域のケアマネジャーさんや訪問看護士さん、訪問診療に関わる先生たちとの勉強会の場所としても使えるようにカフェ風の内装にしており、壁面はスライド画像を映すスクリーンとしても使用できます。各連携機関との相互理解を深めることで、患者さんやご家族の状態・状況に応じた、最適な形の医療を提供できると思うのです。また、地域の一般の方へ向けた勉強会も予定しています。今後高齢者層は増加しても日本の人口全体としては減少傾向です。長期にわたる地域医療を提供していくために、10年20年先を見据えて、従来のスタイルにとらわれず、これまでの基礎の上に積み重ねていく、プラスアルファを備えたプランを立てていきたいと考えています。そして外来中心ではカバーしきれない、訪問診療の分野で当院がお役に立てることを願っています。

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