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大森 洋介 理事長、小原 一憲 院長の独自取材記事

かすがいクリニック

(箕面市/彩都西駅)

最終更新日:2023/08/03

大森洋介理事長、小原一憲院長 かすがいクリニック main

阪急バスの粟生団地バスターミナルのすぐそばに拠点を置く「かすがいクリニック」を訪ねた。2018年から、北摂地域の患者に24時間365日体制で訪問診療を行うクリニックで、リハビリテーションチームと緩和ケアチームが相互に連携し、地域が求める医療を展開。また、朝8時から10時の2時間、箕面粟生団地付近に住む人たちを対象に外来診療も行っている。理事長の大森洋介先生は、「医療で地域に継続的に貢献していくことが自分たちの使命」と語る熱い信念の持ち主。さらにこの春、緩和ケアを得意とする小原一憲先生が院長に就任。「最期の時まで、責任を持ってずっと患者さんを診ていきたい」と、優しいまなざしで語る小原院長と大森理事長がめざす次の時代のクリニック診療について話を聞いた。

(取材日2023年6月29日)

人と地域を医療でつなぐ、かすがいのようなクリニック

クリニックのご紹介からお願いします。

大森洋介理事長、小原一憲院長 かすがいクリニック1

【大森理事長】当院は大阪と兵庫の北摂、ほぼ全域の患者さんに対して、24時間365日の訪問診療を行うクリニックです。「かすがいクリニック」という名前には人と人、あるいは人と地域をつなぐ「鎹(かすがい)」のようなクリニックになりたい、という思いを込めて名づけました。また医療法人「ミナテラス」という法人名には「みんなを照らす」と、「みんなのテラス(TERRACE)になりたい」という願いを込めています。クリニックの取り組みとして特徴的なのは、緩和ケアチームとリハビリテーションチームがあることです。緩和ケアチームには緩和ケアの得意な医師、リハビリテーションチームにはリハビリテーションが得意な医師がいます。2つのチームは互いに連携することで、よりレベルの高い医療を提供するための仕組みを構築しています。

大森理事長はなぜ訪問診療に取り組もうと思われたのですか?

【大森理事長】大学院生時代、父のクリニックで診療を手伝っていた時、長年通っていた患者さんが高齢になりだんだん通院が難しくなっていく様子を目の当たりにしたことがきっかけです。「かかりつけ医の使命とは、ずっと通ってくださっていた患者さんを、最期まで診ることではないか?」と感じ、そこから訪問診療も手がけるようになりました。今思えば、大学卒業後、大阪大学医学部附属病院から大阪警察病院へ異動になった時、上司の先生から「君はマネジメントが向いているから、これからはリーダーシップを取れるように広く学びなさい」と言われたことが生きていると思います。その頃の私はカテーテル治療を学びたかったので少しがっかりしましたが、先生のお言葉が私の将来を示唆してくださっていたのだ、と感謝しています。

こちらでは“点”ではなく“面”で支える地域医療をめざしているそうですが、それはどういうものですか?

大森洋介理事長、小原一憲院長 かすがいクリニック2

【大森理事長】父のように1人でクリニックをしているのは、基本的に“点”のソロプラクティスです。1人というのは、いろいろ意味で大変なんですよね。もし何らかの事情で診療が行えなくなってしまったら、医療が提供できなくなってしまいます。休みも取りづらいですし、年齢が上がると体力的にも厳しい。そういう点を改善して、レベルの高い医療を継続的に提供し続けるには、複数の人間が“面”で支える医療が必要だ、と気づいたのです。日本語で言うところのチーム医療ですね。当院にはさまざまな職種のスタッフがいます。医師、看護師、理学療法士、医療クラーク、在宅連携室のスタッフ、マネジャー、事務長、たくさんのスタッフが互いに協力し合い、面で地域医療を支えているのが、当院の強みだと思っています。

患者の人生の最期の瞬間まで、ずっとサポートし続ける

4月から、小原先生が院長になられたそうですね。入職のきっかけから伺ってもよろしいですか?

大森洋介理事長、小原一憲院長 かすがいクリニック3

【小原院長】2022年4月に入職して、約1年がたちました。ここで仕事ができる毎日がすごく楽しいです。入職前は病院でホスピスの仕事をしていましたが、ちょうど新型コロナウイルスの感染拡大と時期が重なって。全国的にもどこも同じような状態でしたが、院内での面会が禁止になってしまったのです。ホスピスというところは、人生の最期の瞬間を迎える方がほとんどなのに、その最期の時間にご家族や会いたい人と会えない、という状況を間近で見ていることがつらくなっていた頃、ご縁があって大森理事長と出会い、かすがいクリニックに入職しました。

小原院長が患者さんに会う際に心がけていることを教えてください。

【小原院長】初回の訪問診療に行く時は、患者さんに少しでも早く心を開いてもらうために、かしこまらずフランクに、自然体でいるように心がけています。こちらが緊張したり、怖い顔をしていたりすると、患者さんも構えてしまわれるんですね。さらに人によっては、気持ちに壁をつくってしまって、ご自分の症状などを話してくださらなくなることがあるのです。そうなると治療は進みません。ですから初めて会う時から、ご自身が感じている症状をすべて気兼ねなくお話しいただけるように、知恵を絞っています。

小原先生が院長として取り組んでいきたいことは何ですか?

大森洋介理事長、小原一憲院長 かすがいクリニック4

【小原院長】まだ院長職を拝命して日が浅いので、個人的な展望の段階ですが。私の頭に一番あるのは、おうちで最期を看取れる患者さんを、少しでも多く診ていきたいということです。大好きなおうちで最期の時間を過ごせように、サポートしていきたいのです。そのためには、ご家族への気配りも大事です。診察の度、患者さんに「体調はどうですか?」と尋ねるのはもちろんですが、私はご家族にも同じように声をかけるようにしています。患者さんのお世話でご家族が夜寝られないとか、休めていないことは多いのです。私から「大丈夫? 休めている?」と声をかけることで、少しでもご家族の助けになれたらいいなあと思っています。

100年続く地域医療を自分たちの手でつくっていく

クリニックでは「100年続く地域医療を自分たちでつくる」という目標も掲げておられますね。

大森洋介理事長、小原一憲院長 かすがいクリニック5

【大森理事長】100年の間には代替わりや継承など、地域医療における環境や世間のいろいろな状況も変わるでしょう。そんな中にあっても、地域をずっと支えられるような確固たる仕組みを自分たちでつくっていくというのが、当院のコンセプトです。
【小原院長】私も理事長がおっしゃる100年続く地域医療、ということに大賛成なのです。医療人として、私には患者さんを最初から最期まで診たいという強い思いがあります。今、時代は「専門外は診ません」という流れですが、私はあまり好きではありません。何かのご縁があって診療したのですから、患者さんから断られない限り、ずっと診ていきたいのです。100年続くように、微力ですが私の力も使ってもらいたいという気持ちです。

さらに今後どのような地域医療を進めていかれますか?

【大森理事長】例えば、父の少し前の時代を地域医療1.0時代としますと、あの頃は、そもそも地域医療をする医師が少なかったので、どんな病気でも診ていたんですね。そして2.0時代に入るとクリニックも病院も増えました。そして患者さんも専門的な医療が受けられて、かつ選べる時代になった。そして次の3.0時代では、専門性を持って開業する医師が増えたために、今度は患者さんが複数の開業医と病院をかけ持ちしないといけなくなったのです。するとどうなるかというと、主治医の不在です。責任を持ってすべてを診る人が少なくなってきた、というのが今なんです。われわれは、その次の4.0時代をめざさなければいけないと思っています。もう一度、古き良き時代に戻るというか、1.0時代を思い出して。主治医として責任を持ち、最期の瞬間まで患者さんを診る医師を自分たちの手で育てていくべきだと思っています。

今後の展望を教えてください。

大森洋介理事長、小原一憲院長 かすがいクリニック6

【大森理事長】近江商人の経営哲学としてよく知られた言葉ですが、「三方良し」ということを大切にしていかなければいけないと考えています。患者さんだけを大切にしても駄目で、地域と地域の人たちにも貢献できてこそ、われわれの存在意義があると思います。そしてスタッフのことも、大切に考えてあげることが大事です。みんなが安心して仕事をしながら、しっかりと休めて、お給料をもらいながら働けるようにするのが、私の務めであると思っています。その上で、北摂の患者さんが何を望まれているかを考え、ご要望に幅広く応えられる持続性のある医療を提供していきます。

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