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楠部 潤子 院長の独自取材記事

なんぶ甲状腺クリニック

(広島市中区/原爆ドーム前駅)

最終更新日:2021/10/12

楠部潤子院長 なんぶ甲状腺クリニック main

原爆ドーム前電停、紙屋町西電停から徒歩1分のところにある「なんぶ甲状腺クリニック」は、外科、内科、肛門科を診療するクリニックだ。デザイナーズ家具や観葉植物の並ぶスタイリッシュな院内には無線LANや雑誌なども備えられており、待ち時間も快適に過ごせる。院長の楠部潤子先生は外科一般や甲状腺外科の医師として研鑽を積んだ後、2018年に同クリニックを開業。女性に患者の多い甲状腺疾患のほか、骨粗しょう症の診療、肛門に関する診療を行うなど幅広い診療を行う。今回は楠部先生にクリニックの特色や診療で心がけていること、今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2021年6月23日)

女性に多い甲状腺疾患や肛門の悩みに対応

甲状腺クリニックとのことですが、具体的な診療内容について教えてください。

楠部潤子院長 なんぶ甲状腺クリニック1

当クリニックでは、外科、内科、肛門科を診療しており、中でもクリニック名にもある甲状腺疾患を中心に診療しています。甲状腺とは喉仏の下にある小さな器官で、新陳代謝を促すホルモンを分泌する役割を持ちます。甲状腺の主な病気としては、バセドウ病や橋本病など甲状腺機能に関する病気と、甲状腺がんなど甲状腺にできものが生じる病気に大別されます。当クリニックでは、検査から診断、治療までをスムーズに進められるように工夫して診療しています。そのほか女性に多い骨粗しょう症に関する治療や、お尻に関する診療も行っています。私はもともと外科医なので、外科的な処置も局所麻酔でできる範囲のものは紹介せずここで行うこともありますね。

女性の患者さんが多いと聞きましたが、どのような主訴の方が多いのでしょうか。

はい。甲状腺疾患はもともと女性に多い病気なので、患者さんも自然と女性が多くなりますね。甲状腺疾患でお越しになる方の主訴はさまざまです。バセドウ病など甲状腺機能に関わる病気の場合、なんらかの自覚症状があって受診される方が多いですね。更年期障害や心臓の病気を疑って別の診療科を受診したものの原因がわからず、最終的に当クリニックにたどり着いたという方もいます。甲状腺にできものができる病気の場合には、かなり大きくならないとわかりにくいのですが、最近では自覚症状がなく健康診断などで異常が見つかってお越しになる方も多くなりました。またお尻の悩みでお越しになる患者さんも、女性医師のほうが相談しやすいと感じるのか、女性の患者さんが多いですね。デリケートな部位を診療することもあるため、患者さん同士が鉢合わせしないようにするなど、導線に配慮して診療しています。

患者さんが受診しやすいよう、工夫した点を教えてください。

楠部潤子院長 なんぶ甲状腺クリニック2

甲状腺疾患という特殊な疾患を取り扱うため、多くの患者さんが通いやすいよう、まずはアクセスの良い立地をめざしました。電停からも近いですし、周辺に飲食店やショッピングセンターが豊富にあるため、検査結果を待つ間などお買い物に出かけられる患者さんもいます。また、平日お勤めの方でも通いやすいように土曜も診療を行っています。あとは女性の患者さんだと子どもを連れていらっしゃる方も多いので、キッズルームを完備して、お子さんを気軽に連れてこられるクリニックをめざしています。バリアフリーにも留意していますので、院内はベビーカーもそのまま入れるような広さをとっていますね。キッズルームとはまた別に、クリニック内に授乳できる部屋もあり、トイレにはおむつ替えができるスペースもあるため、気兼ねなく利用していただきたいと思っています。

迅速な検査でスムーズに治療へ結びつける

診療にあたって心がけていることはなんですか?

楠部潤子院長 なんぶ甲状腺クリニック3

患者さんに自分がどんな病気なのか理解して、納得して治療を受けてもらえるよう、丁寧でわかりやすい説明を大切にしています。特に甲状腺疾患の場合、聞き慣れない病気でイメージがつかみにくいこともありますよね。そこで当クリニックでは自作のパンフレットなどを豊富に準備して、紙を使って説明することで理解を深めてもらっています。あとは、「患者さんに笑顔になってもらいたい」と思って診療しています。病気だからといって気持ちが暗くなってしまうことがないよう、患者さんが不安に思っていることには耳を傾けています。また、私自身も笑顔で対応することを心がけていますし、スタッフにも笑顔を大切にするようにいつも伝えています。スタッフは皆女性で、勉強熱心です。定期的に勉強会をして、病気や治療薬について知識を身につけてもらっています。

検査機器も充実しているそうですね。

はい。甲状腺疾患の診断に必要なエコー検査、細胞診検査、血液検査などを実施しているほか、骨密度を測る検査や肛門の状態を観察する肛門鏡検査なども実施しています。特に大切にしていることは、患者さんの通院の負担を軽減するため、極力その日のうちに結果を出すようにすること。通常、甲状腺疾患の診療に重要な甲状腺ホルモン関連の血液検査は、結果が出るまでに時間がかかりやすいのですが、当クリニックでは最短40分で検査結果を出すことができます。そのため、採血後は待合室で雑誌をご覧いただいたり、近くでショッピングを楽しんでいただいたりして、1時間ほどお待ちいただくことも。細胞診検査が必要になる場合は、結果が出るまでに数日間かかってしまうのですが、それ以外の場合はその日のうちに診断できることが多いので、治療にスムーズに入ることができます。

検査の結果、手術が必要になることもあるのでしょうか。

楠部潤子院長 なんぶ甲状腺クリニック4

そうですね。甲状腺疾患で手術が必要になる場合は、もともと私が勤務していた土谷総合病院へ紹介します。私自身、当クリニックが休診の水曜日は、今も土谷総合病院で手術のお手伝いをしています。クリニックから紹介した患者さんは、なるべく日程調整をしていただき、私が実際に手術まで立ち合うようにしています。甲状腺疾患は長期的なフォローが必要になることも多いため、手術後は当クリニックに戻ってきていただき、定期的に受診していただくことが一般的です。通院の間隔は患者さんの病状にもよりますが、なるべく負担にならないよう、3ヵ月から半年に1回程度としています。また肛門疾患の場合、軽いポリープなどであれば当クリニックで処置を行うこともありますが、大がかりな手術が必要な場合には他の医療施設への紹介を検討します。

患者に明るい人生を歩んでほしい

先生が医師をめざすようになったきっかけと、開業の経緯について教えてください。

楠部潤子院長 なんぶ甲状腺クリニック5

もともと父が内科医なので、医師という仕事を身近に感じており、自然と医師を志すようになりました。医師になった後は、主に外科一般を担う医師として手術に明け暮れていましたが、2008年から土谷総合病院で勤務を開始し、甲状腺外科の医師として甲状腺疾患を中心に診療するようになりました。甲状腺疾患は患者さんの数も多く、長期的なフォローが必要となる方も多いため、甲状腺外科の需要は高いと感じていました。これだけ多くの患者さんがいるという現状を目の当たりにし、患者さんの役に立ちたいと思ったことがきっかけで、甲状腺を中心に診るクリニックの開業に至りました。

今後のクリニックの展望について聞かせてください。

これまでも患者さんへの説明に注力してきましたが、今後はより一層、患者さんに正しい知識を伝え、安心して治療に臨んでいただけるようにしたいと思っています。最近、患者さんが誤った情報によって惑わされたり、悩んだりする姿をよく見かけます。インターネットなどで得た情報をうのみにしてしまう方もいれば、知り合いの話などを聞いて「自分もこうなるのではないか」などと不安になってしまう方も多いのです。甲状腺疾患とひと口に言っても、その種類や程度は人によってそれぞれです。私は、同じ甲状腺疾患でも病状は一人ひとり異なるということをしっかり伝え、正しい知識をわかりやすく伝えることで、患者さんが病気を過度に恐れず、明るい人生を歩めるようにサポートしたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

楠部潤子院長 なんぶ甲状腺クリニック6

当クリニックでは患者さんが笑顔になれるよう、さまざまなサポートを行っています。どんなに些細なことでも、遠慮せず相談いただきたいと思います。また、当クリニックには子育て世代の患者さんも多くいらっしゃいます。私自身2児の母ですし、スタッフにも子育て中の人が多くいます。キッズコーナーなども備えていますので、「子どもがいるからクリニックに行けない」と諦めず、お子さんを連れて気軽にお越しいただければ幸いです。

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