源河 朝広 院長、中口 裕達 先生の独自取材記事
ハートメディカルクリニックGeN横浜綱島
(横浜市港北区/綱島駅)
最終更新日:2025/02/27

東急東横線・綱島駅から徒歩10分。にぎやかなショッピングモールの2階に「ハートメディカルクリニックGeN横浜綱島」はある。院内に入ると、患者をリラックスさせるような落ち着いた雰囲気を醸し出す待合室が広がる。院長の源河朝広(げんか・ちょうこう)先生は、東海大学医学部付属病院勤務後、市中病院の循環器内科部長などを経て同院を開業。循環器疾患への専門的な医療の提供に努めている。さらに2023年4月より、日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医である中口裕達(なかぐち・ひろたつ)先生が着任。源河院長と中口先生に、クリニックの普段の診療について、また患者へのメッセージなどについて話を聞いた。
(取材日2024年12月20日)
糖尿病・内分泌領域も、より専門的な医療を提供
クリニックを2018年に開業されてから、どんなことをお感じでしょうか?

【源河院長】循環器専門のクリニックとして開業しましたが、多くの患者さんたちが専門のクリニックを必要としていたのだなと感じています。専門性と、一般内科的に何でも病気を診るような利便性を両立させるのは残念ながら難しいため、当院では完全予約制で患者さんに病気の説明をする時間なども十分に確保した上で、専門的に診療できるようにしています。おかげさまで、2024年1月から2024年12月までの間で約1万3200人の患者さんに来院いただきました。専門に特化した診療を提供する方針で診療を続けてきて良かったと実感しています。
中口先生にとって働き方に変化はありましたか?
【中口先生】以前、私は大学病院や市中総合病院にて糖尿病・内分泌領域の中でも緊急入院を要する症例や難病患者さんの診療を専門的に行っていました。循環器と糖尿病・内分泌領域は切っても切り離せない分野ですので、この経験は今の診療にとても生きていると感じます。日本循環器学会循環器専門医である源河院長と、糖尿病専門医および内分泌代謝科専門医である私が専門的に各分野の診療を行えることは、当院の強みだと日々感じています。関係性の強い両分野を専門的かつ包括的に診療しているクリニックは数少ないためか、都内含めた近隣県のほか、岐阜県や青森県など遠方から来てくださる患者さんも増えてまいりました。当院を選んでいただいたからには、患者さんに還元したいという思いで一人ひとりの診療を行っています。
さらに新しく機器を導入したとお伺いしました。

【中口先生】ヘモグロビンA1cを以前より迅速に測定する機器や、2台目として循環器疾患専用の先進の心臓超音波診断装置を導入しました。後者の機器は、血液の流入や収縮を行う左室機能の状態をクリアに描出し、AIによる自動計測機能を搭載しています。これらの機器を導入し、検査時間が短くなりました。内分泌疾患に関連するホルモン検査も当日結果が出るよう対応項目を拡充。通常は当日に結果が出ない検査項目も迅速に結果が出ます。それにより患者さんの待ち時間の短縮と結果をすぐに診療に反映できるため、診療の質の向上や患者さんの利便性に非常に役立ちます。他にもエックス線画像の解析にもAI診断支援システムを導入するなど、デジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に取り入れることで精密さと効率化を重視しています。専門性の高い医療を届けるために必要な機器やシステムは今後も随時導入し、より良い環境を整えていきたいです。
病院レベルの検査機器をはじめ、充実の診療体制
こちらの糖尿病・内分泌診療に関して、特筆すべきことは何でしょうか?

【中口先生】まずは検査機器が充実していることでしょうか。多くの血液・尿検査は30分から50分程度で検査結果を出すことができます。合併症精査のための心電図検査や心臓超音波検査、ABI検査などの生理画像検査やエックス線検査などを含め1時間以内にすべての結果を出せるよう努めています。また、糖負荷試験や原発性アルドステロン症の負荷試験といった、病院で行うような検査の一部も行っています。総合病院でないと受けられない検査もなるべく当院で対応できるよう、今後も検査体制を拡充していく予定です。各部署のスタッフとの連携が非常に取りやすく、全員がプロ意識を持って取り組んでいます。
中口先生にとって、診療のやりがいとは何でしょうか?
【中口先生】当院ではガイドラインに従って適切な検査を組み、合併症を評価し治療を行います。食事療法や内服療法のほかに、注射剤であるインスリンやGLP-1製剤の導入も行っています。当院ではエビデンスに基づき、できるだけ煩雑にならないようお薬を調整、看護師と協力した生活指導も行います。内分泌疾患の中には希少疾患もありますが、正確な診断や的確な治療を行うことで、劇的な症状の改善が見込める場合もあります。そういった点でもやりがいを感じます。また、慢性疾患においては患者さんと少しずつ信頼関係を築く過程や、合併症を防ぐための予防医学的な観点からもアプローチできることにもやりがいを感じています。時には教科書どおりにいかない難しいケースもありますが、そういった際に個々の患者さんの背景なども踏まえた相談・調整をすることも、糖尿病専門医としての使命だと思っています。
そういった難しいケースの患者さんは多いのですか?

【中口先生】重症度や合併症などはさまざまですが、当院へ定期的に受診される患者さんは病気を良くしたいと前向きな方が多い印象です。診療の基本は、医学的根拠に基づく治療です。患者さんごとの病態や生活環境などを踏まえ、コミュニケーションを取りながら、より適切と思われる治療をめざします。当院では、診療で患者さんと顔を合わせながら「ここが良かったですね」「ここはもう少し頑張ったほうがいいですね」とお話しします。看護スタッフと相談・協力しながらチーム医療を実践しています。
ブティックのようなクリニックをめざして
スタッフの皆さんとも連携しながら診療を進められているのですね。

【中口先生】診療をスムーズに進めるため看護師による予診を行い、各部署で患者さんの待ち時間を測定し、日々業務改善を行いながら効率的な対応を心がけています。また、スタッフ同士で頻繁に情報共有を行い、院内の改善点を話し合うことで、より良い環境づくりに取り組んでいます。最近では院内のサイバーセキュリティ対策の強化や大災害を想定した訓練、事業継続計画(BCP)の策定などにも力を入れ、安心していただける体制を整えています。
【源河院長】当院には約20人のスタッフが在籍しています。専門的な医療を提供する中でも、少しでも患者さんに利便性を感じてもらえるようにするためにはスタッフ連携も欠かせないと考えています。患者さんへの対応について考えてもらうためにスタッフには接遇を学ぶ機会を設け、一人ひとりが向上心をもって取り組めるようサポートをしています。
院内はリラックスできる、快適な印象ですね。
【源河院長】壁には私の出身地である沖縄県の琉球石灰岩を使って、落ち着いたデザインにしています。また、診療室には季節の花を飾っています。ある調査によると「どういったクリニックがいいか」と患者さんにアンケートを行ったところ、一番は「きれいなところ」であるそうなんです。ですから、これもサービスの一環と考えています。私がめざしているところはブティックのようなクリニックなんです。保険診療の中で、他の医療機関とは変わらない医療費でも、より患者さんに快適に感じていただけるサービスを提供するクリニックであり続けたいと思っています。
最後に読者にメッセージをお願いいたします。

【源河院長】基本的なことですが、しっかり診療してしっかり説明することを今後も徹底していきたいと思います。また、なるべく患者さんの利便性も考えて、不要な診療や検査はせず、生活習慣病でもなるべく少ない通院で済むような診療を心がけています。循環器や糖尿病をはじめ、当院は専門の医師が在籍し、たくさんの検査機器を取りそろえていますので、早期発見・早期治療に努めていきます。
【中口先生】糖尿病はもちろん、甲状腺、副腎、下垂体など内分泌疾患の精査と加療にも注力しています。また、希少疾患をきめ細かく診療できるよう検査体制を整えています。糖尿病・内分泌疾患の多くが循環器領域との関係性が深いことから、それぞれの領域を専門とする医師が緊密に連携しながら診療を行います。私たちの役割は慢性疾患を適切にコントロールし、患者さんの健康寿命に貢献することです。