橋本 佳子 院長の独自取材記事
グッドライフクリニック
(横浜市都筑区/センター北駅)
最終更新日:2026/10/22
「病気のせいで人生が楽しめないと考えるより、今できることを楽しみ、より良い人生をめざして治療に取り組んでほしい」。そうした橋本佳子(よしこ)院長の思いから名づけられた「グッドライフクリニック」は、糖尿病内科と内科を専門に扱っているクリニックだ。さまざまな病気に対し、症状が出た背景などにも目を配り、患者の心に寄り添った診療をめざす。橋本院長は「将来なりたい自分を思い描き、糖尿病治療はそれを実現する手段と捉えることも大切」「治療がうまくいかない時も、次の成長に必要な踊場だと思って」とアドバイスも。多様なキャリアを持つ医師が在籍する同院の診療体制、糖尿病治療に対する思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2026年5月11日)
糖尿病を軸に、さまざまな医師が協力して診療
診療体制について教えてください。

糖尿病・内分泌代謝を長く専門にしてきた私に加え、3人の非常勤医師が診療しています。どの先生も非常に真面目で誠実に診療され、専門分野だけでなく幅広く診ていただけます。担当した患者さんの診療内容などは院内で共有しますから、受診予約の際はどの先生を選んでも構いません。ただ、担当する先生によって話し方や言葉の選び方などは異なると思いますし、違う先生から症状や治療の話を聞くことで、ご自身も病気について新たな捉え方ができるのではないでしょうか。それに長期間通院していると「また同じ話になるだろう」と受診がややマンネリ化する懸念もあります。時には違う視点から「この数値はどう思われますか?」などと尋ねられると、「よし、もう少し頑張ってみよう」と刺激になるかもしれませんね。
どのような先生に診ていただけるのですか?
例えば、糖尿病と腎臓の両分野が専門の経験豊富な女性医師が在籍しています。糖尿病の合併症である腎障害が進行した場合、状態に合わせた糖尿病の薬を適切に選べるかどうかにより、糖尿病のコントロールだけでなく腎臓の寿命にも大きく影響します。その意味で、どちらの分野にも精通された先生はとても頼もしい存在なんです。腎障害が進行した際の選択肢となる人工透析は患者さんの負担も大きく、糖尿病をコントロールしながら、腎障害も悪化させにくい診療体制はとても重要です。この他、女性医師2人は日本糖尿病学会糖尿病専門医の他、それぞれ総合診療や腎臓透析を専門とするなど、キャリアに特色があります。より幅広い目線で診療にあたったり、腎臓を守り透析へと進展するのを抑えたりと大変頼もしい先生方です。また、糖尿病に合併しやすい心臓や血管の治療にあたる循環器専門医師の昭和医科大学からの派遣が再開され、より充実した体制となっています。
診療に対する考えをお聞かせください。

患者さんの中には医師の説明をあまり覚えておられず、飲んでいる薬ごとの働きをよくご存じない方も多いようです。私は病気や治療に関する知識を整理して、その方が納得できるようにお伝えし、最終的には「ちょっと膵臓に負担をかけているから、ここで少し休めよう」など、ご自分の体を良い状態にコントロールするためにも意識を持っていただければと思っています。そうやって患者さんご自身で調整した1ヵ月の結果を一緒に振り返るのが医師の役割。一時的に治療がうまくいかなくても、医師やスタッフに対して申し訳なく思うことはありません。次の目標へと進む踊場の時期だと考え、「治したい」と思う自分を信じて目標に向かうことが大事です。
「わかっていてもできない」マインドを変えるために
どのような方の受診が多いのでしょうか?

一般的な内科の病気も診ていますが、糖尿病をはじめとした生活習慣病の方が多く、血糖値が高めの糖尿病予備軍と検査で指摘され、糖尿病内科の外来を探して遠方から来院されることもよくあります。病気が初期の段階なら、お薬は使わず、食事や運動など普段の生活を少し気をつけていただくだけで済む場合がほとんど。一方で、治療を続けているが良くならないという方もいらっしゃいます。糖尿病に合併しやすい睡眠時無呼吸症候群の検査やCPAP療法も行っていますので、日中も眠気が続くような方はご相談ください。治療がうまくいかず放置してしまった方も、ぜひ当院にいらしてください。今からできる最善の方法を探しましょう。
治療を中断する人は多いと聞きました。続けるにはどうしたら良いですか?
治療において最大の難関といえるのが「頭ではわかっても実行できない」ことです。どんな食事が良いのか知っているけど、つい食べすぎてしまう。運動しなくてはと思いつつ、何かしら理由をつけてやめてしまう。そうしたことを繰り返し、医師から指摘を受けていると、患者さんは治療自体が嫌になって通院も中断することに。治療を続けるには「やれと言われたから仕方なくやる」という押しつけ感から、「将来の自分はこうありたいから」と目標のために治療するマインドに変えることが重要です。遠くにある山頂も、今の一歩を楽しみながら歩くことで近づいてきます。気軽にやってみる、楽しみながら続けることで、自信を持った新しい自分が生まれてくるのです。糖尿病のコントロールや体と心のケアは、夢をかなえる手段の一つに過ぎません。当院では、希望される方に予約制で有料のカウンセリングの機会を設け、人生の目標をかなえるお手伝いをしています。
定期的な受診では血糖値の変動を見るのですか?

食事や運動などの生活習慣の改善、お薬を飲んでいる方はその結果などをもとに、血糖値の動きを見ていきます。ただ、血糖値はさまざまな要素で上下しますから、いつも100点の必要はなく、前回は40点、今回は50点とご自分なりに取り組んで、少しずつ改善を図っていければ大丈夫です。すぐに結果が出なくても、続けたことは必ずご自身のためになっていますから。また、血糖値はストレスによっても上昇することが知られています。もしも「自分にとってこのやり方だと生きづらいな」と感じたときは、「ほかにもっと良い方法があるかもしれない」と客観的に見直して方向転換する勇気を持っていただけたらと思います。
より良い人生を送ってもらうための拠点に
開業のきっかけを教えていただけますか?

開業医だった父の影響に加え、多くのすてきな患者さんに出会えたことが理由です。人生の大先輩といえる方が大学を出たばかりの私を頼りにしてくださり、それが本当にありがたかったんですね。糖尿病は食事や生活習慣なども関わりますから、「一人ひとりに自分が何をしてさしあげられるか?」「それを通して未来にどんな喜びが得られるか?」、糖尿病の治療だけに執着せず、その方の人生の充実へとつなげていく感覚で診療しています。そのためにはもっと相手のことを知り、患者さんにもご自身の生き方について考えていただく必要があると感じ、カウンセリングを学ぶため上京しました。糖尿病の治療は長期にわたりますから、異動なども考えられる勤務医ではなく、同じ患者さんを長く診ていけるよう開業したのです。私自身もまだ成長途上ですが、一人でも多くの患者さんがより良い人生を歩まれるようお手伝いしたいと思います。
人生の充実という考えが医院名にもつながるのですね。
糖尿病の治療を先延ばしにしてしまい「今さら頑張っても遅い」と諦めたり「なぜ病気になったのか」と自分を責めたりしても、ご自身の中に大きな葛藤を抱えることになります。それより病気は自分の人生の一部と一旦受け入れて、「今はこんな状況だけど、何年後はこういった状態になるんだ」と楽しい目標を設定し、その目標に一歩ずつ近づくことが大切です。病気だから不幸という思い込みから離れて、病気があっても幸せに生きられることを実感していただきたいですね。適切に薬を服用しながら徐々に量を減らしたり、やがて「次は運動してみよう」といった積極的なマインドに変わったり、飲まなくて良い状態になったりすれば本当にうれしいですね。
地域の方にメッセージをお願いします。

現代の日本は食事やストレスなどにより糖尿病を発症しやすい社会環境が続き、「誰もが予備群」と言えるほど糖尿病は一般的な病気になっています。治療が必要になると生活で制限されることが増え、人生が楽しめなくなる不幸な病気と感じるかもしれません。ただ「将来はこうなりたい」とご自身で立てた目標を実現しようという思いがあれば、そうした人生への見方は大きく変わるでしょう。糖尿病に限らず、更年期による症状などさまざまな病気について、患者さんが自ら向き合って判断していけるのが理想です。当院でもそうした理想の実現に向けてお手伝いします。

