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杉浦 時雄 院長の独自取材記事

杉浦こどもクリニック

(碧南市/碧南駅)

最終更新日:2023/11/10

杉浦時雄院長 杉浦こどもクリニック main

白い外壁に小さな丸窓、空に突き出た三角形が海原を進む船を思わせる建物の「杉浦こどもクリニック」。広く開放感のある院内は、子どもがけがをしないように受付や柱など至る所に丸みやカーブを取り入れたデザインとなっている。杉浦時雄院長は肝炎ウイルスや小児の肝臓病、アレルギー性疾患などの診療経験が豊富で、現在は病院勤務で得た知識や技術を生かして診療にあたる。新型コロナウイルス感染症の流行下においては症状ごとに待合室、診察室を分け、患者が安心して受診できるよう感染症対策にも努める。また、2023年からはオンライン診療も開始。「子育ては大変ですが、楽しんでやってほしいと思っています」と子どもだけでなく親のサポートにも心を砕く杉浦院長。助産師、保育士、管理栄養士がそろった環境で温かく親子を迎えている。

(取材日2022年11月24日/情報更新日2023年11月7日)

病気を未然に防ぐための予防接種を推奨

医師をめざしたきっかけやご経歴について教えてください。

杉浦時雄院長 杉浦こどもクリニック1

小学生の時にアフリカの難民の子どもたちの写真を見て、人の役に立つ仕事をしたいと思ったことが小児科の医師をめざしたきっかけです。大学卒業後は複数の病院に勤務し、名古屋市立大学病院では小児科医局長やNICU病棟主任を務めました。重篤な病気や未熟児の診療に多く携わり、家族の中で一番先に亡くなってしまうという悲しいこともあったのですが、22週余りという生存限界ギリギリで生まれた赤ちゃんや手のひらに乗るような小さな赤ちゃんが無事大きくなり、病院から巣立っていく姿を見たときはとても感慨深かったです。たくさんのお子さんの成長を見られるのは小児科の医師の醍醐味であり喜びですね。

先生のご専門についても聞かせてください。

大学院では、B型肝炎、C型肝炎といった肝炎ウイルス、小児の肝臓を専門に研究していました。肝炎ウイルスの母子感染は減ってきていますが現在もゼロではなく、予防をしていても感染することもあります。母子感染すると自責の念を抱いてしまうお母さんも多いので、そうしたお母さんたちの力になりたいと思い研究に取り組みました。感染は母子間だけでなく、周囲の人や物から感染する水平感染という感染経路もあります。ですから、お子さんには予防接種をお勧めしています。B型肝炎のワクチンも今は公費になりました。B型肝炎にならなければ関連の肝硬変、肝臓がんの予防にもつながりますので、接種していないごきょうだいやご家族も打っていただくといいですね。

予防接種に力を入れておられるのですね。

杉浦時雄院長 杉浦こどもクリニック2

はい、当院では生後2ヵ月から11~12歳までにできる予防接種を一覧表にし、お子さんに合わせてプランを提案しています。接種したら表にスタンプを押して次の接種の予約をしてもらい、打ち忘れのないようにしているんです。公費のものはもちろん、任意接種のものも、お金はかかってしまうのですが病気にかかるリスクを考えると打てるものは打っておいたほうが良いと思います。また当院ではRSウイルス感染症の重症化を防ぐ目的でパリビズマブの注射も行っています。これは早産のお子さん、心臓病を持つお子さん、ダウン症のお子さんが対象で、この辺りの地域だと該当する方は毎月1回総合病院まで行かねばなりません。私は勤務医時代に接種の経験があり、病院側から依頼されたこともあって当院でも始めました。

ウェブ問診表や隔離室などで感染症対策にも努める

来院されるお子さんはどのような年代の方や症状が多いのでしょうか?

杉浦時雄院長 杉浦こどもクリニック3

生まれてすぐの赤ちゃんもいますし、多いのは未就学児のお子さんでしょうか。アトピー性皮膚炎だと小中学生も目立ちます。湿疹やじんましんなど皮膚疾患の方も来られますね。花粉症のお子さんもおり、当院では舌下免疫療法も行っています。アトピー性皮膚炎に関しては新しい薬がどんどん出てきており、中学生では注射も選択肢となります。治療して症状の改善に努め、「かゆみで夜寝られなかったのが寝られるようになりました」という、うれしい言葉が聞けるように、私も勉強を続けながら良い治療薬は取り入れていきたいと思います。

感染症の感染リスク低減のためにはどのような対策をされていますか?

一つは、ウェブ問診表です。親御さんにあらかじめスマホで問診票を記入していただき、写真貼付もできるので、例えば発症後時間がたてば消えてしまうじんましんも撮影して送ってくだされば診療に役立ちます。事前に情報を得ているので診察がスムーズに進み、院内滞在時間が短くなるなど双方にとってメリットがありますね。もう一つは院内のゾーン分けをしっかり行っていることです。入り口でスタッフがウェブ問診表に基づき、あるいは口頭で症状を聞き取ります。感染症に罹患していることが判明している方はすぐ横の多目的室で診察も点滴も、薬の処方も行います。発熱や咳などの症状があり、感染症の疑いがある方は受付手前の隔離室へ。呼び出し機能のある番号札もありますので車の中でお待ちいただくことも可能です。一般的な症状の方はそのまま待合室に入っていただきます。お互いが同席しないようになっており、どなたにも安心していただけると思います。

院内は広く明るく、待合室には絵本がたくさんありますね。

杉浦時雄院長 杉浦こどもクリニック4

この場所は、かつて父が営んでいた水産工場の跡地なんです。父のおかげで、患者さんにゆっくり過ごしていただける広々としたクリニックにすることができました。待合室の絵本は感染症対策で一時期撤去したのですが、やはり親子で絵本を読むことは大切なことだと思い、置くことにしました。一緒に絵本を読んでお話ししたり笑い合ったりすることはお子さんとのコミュニケーションを深めることになりますよね。スマホやDVDの便利さもわかるのですが、せめてここでは親御さんにお子さんとゆっくり向き合う時間を持ってほしいと思いました。絵本は多目的室や隔離室にも置いてありますが、適宜消毒を行っています。

育児に悩む親へのサポートも充実

診療を支えるスタッフの方々についても教えてください。

杉浦時雄院長 杉浦こどもクリニック5

スタッフ同士仲が良く、新型コロナウイルス感染症の流行下の忙しい中でも一生懸命働いてくれて本当に助かっています。お子さんにも優しいですね。保育士もおり、必要に応じてお子さんやごきょうだいに本を読んであげるなどしています。また私の妻が助産師で、お母さん方の母乳相談や子育て相談、マッサージなどに対応しています。うちは5人の子どもがいますので、妻の経験からもお話ができるのではないでしょうか。さらに週1回火曜日は1人30分の予約制で管理栄養士による栄養相談を行っています。例えばアレルギーのあるお子さんの食事についてや肥満防止についてなどアドバイスをしています。このように当院は医師だけでなく、スタッフみんなの力で多方面からサポートできる体制を整えています。

親御さんにとっては心強いですね。

子育ては大変ですが楽しいこともたくさんあるので、できるだけ子育てを元気に楽しんでもらえるように応援していきたいと思っています。お母さんのコンディションが悪いと子どもにも伝わってしまいますし、逆にお母さんが穏やかにリラックスしていれば子どももリラックスできるのです。ですからお母さんのケアも大切にしたいですね。診察では、できるだけお母さんを褒めるように心がけています。例えば、赤ちゃんが元気に育っていれば「順調ですよ、頑張りましたね」、アトピー性皮膚炎が良くなってきたら「薬を塗るのを頑張ったからですよ」などと声をかけます。ちなみに薬の塗布については、看護師が丁寧に塗り方をお伝えします。「べったり塗る」といっても言葉だけでは難しく、実際に塗ってお見せするようにしています。

最後に、患者さんや読者へのメッセージをお願いします。

杉浦時雄院長 杉浦こどもクリニック6

私のモットーは「喜努愛楽(きどあいらく)」。私の造語ですが「努めて喜び、楽しく愛す」という心がけで、診療もできるだけ楽しく行っていきたいと思います。今は新型コロナウイルス感染症の流行下で、親御さんも孤立しがち。子どもも家の中で過ごすことが多く、大人の都合で検査をしなければいけないこともあります。基礎疾患があるということでなければ感染症を過度に怖がらず、手洗いや消毒をきちんとして、お子さんには元気に外で遊んでほしいなと思いますね。そして夜は早く寝ましょう(笑)。親御さんには、当院へいらした際にいろいろなお話をすることで、少しでも気を楽に、明るい気持ちになって帰っていただきたいです。将来的には皮膚科など医師を増やして、より一層地域に貢献できればと考えています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

予防接種/B型肝炎ワクチン:5500円(2016年以前生まれの方)、おたふく風邪ワクチン:5500円、インフルエンザワクチン:3500円(1回目、2回目ともに)

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