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矢野 順久 院長、矢野 公実子 さんの独自取材記事

やのデンタルオフィス

(渋谷区/北参道駅)

最終更新日:2021/10/12

矢野順久院長、矢野公実子さん やのデンタルオフィス main

矢野順久院長と、歯科衛生士の矢野公実子さんが、夫婦二人三脚で営む「やのデンタルオフィス」。矢野院長は母の介護を機に船橋から都内に戻り、開業を決意したという家族思いな性格。以前の地で診ていた患者が今も遠方より足を運ぶというから、その温かな人柄が患者にも伝わっているのがわかる。公実子さんは、社会人を経てから歯科衛生士の資格を取得したという努力家。食事面のアドバイスでも患者をサポートしている。息ぴったりの2人に、現在に至るまでの経緯や診療にかける思いなどたっぷりと話を聞いた。

(取材日2018年8月22日)

患者、家族の思いを背負い開業を決意

現在の職業に就かれた理由を伺えますか?

矢野順久院長、矢野公実子さん やのデンタルオフィス1

【矢野院長】父が世田谷区で歯科医院を開業していたので、私にとって歯科医師は身近な職業でした。入れ歯治療が得意な父は、朝から晩まで診療し、夜中は自ら技工を行っていました。患者さんに慕われ、毎朝開院前から行列ができるほど。それを横目に登校するのを、子どもながら少々引け目に感じたのを覚えていますね(笑)。
【公実子さん】私も小さい頃から医療の道に興味がありましたが、まったく別の職業に就きました。結婚してクリニックの受付などを手伝うようになり、「なぜ虫歯になるんだろう?」といった疑問が湧き出て、ますます歯科に関心を持ちました。38歳で衛生士学校に入学し、それは無我夢中の毎日でしたが、学ぶことがとても楽しかったです。

開業のきっかけは?

【矢野院長】もともと勤務医として経験を積んだ後は、父のクリニックを手伝うつもりでした。しかし父から、船橋に引っ越される患者さんがいるので、そちらで開業してくれないかと頼まれたんです。ゆかりのない地でしたが、求めてくれる人がいるならと開業を決意しました。その後は母の介護で世田谷と船橋を行き来する生活を送っていたのですが、両立が困難になってきたのと、母の面倒をしっかり看てあげたいという思いから、24年勤めたクリニックを譲渡して、ここで新たに開業しました。患者さんたちが快く私の背中を押してくださったことは、今も忘れられません。またありがたいことに、船橋時代から東京や埼玉に住む患者さんがわざわざ通院してくださっていたので、なるべく交通の便のいい場所を探し、北参道を選びました。

奥さまは栄養学の知識もお持ちだそうですね。

矢野順久院長、矢野公実子さん やのデンタルオフィス2

【公実子さん】食べることに興味があって、料理を習っていたこともありますが、同じように歯を磨いても虫歯になってしまう人がいるのが不思議で、栄養学の勉強をするようになりました。現在はその知識を生かして虫歯になりにくい料理を紹介したりと、食事面のアドバイスも行っています。栄養の吸収は姿勢に関係することもわかったので、整体の勉強も始めました。ただ削って詰めるのではなく、しっかりとした問診を通じて、何がその方の栄養吸収を阻害しているのか原因を探る。余計な治療を行わなくて済むよう、体質改善から診療を行う。そのように、元気になっていただけるような工夫をしています。

口腔内と全身の関連を踏まえ診療

どのようなポリシーのもと診療されていますか?

矢野順久院長、矢野公実子さん やのデンタルオフィス3

【矢野院長】お口の中だけでなく、全身を診る診療です。例えば歯に痛みがあるのに、虫歯ではない、原因がわからないと言われた方が、カウンセリングや検査で調べていくと、デスクワークで常に下を向いているのが原因だったことがありました。体の状態や姿勢が口腔内のトラブルを招くことがあるということです。また、虫歯や歯周病だとはっきりしていても、やはりその原因を探り、生活習慣や体質の改善から一緒に頑張りましょうとお伝えしています。それが結果的に全身の健康につながりますからね。
【公実子さん】歯科の病気は睡眠時無呼吸症候群、リウマチ、皮膚トラブル、おなかや胃の不調、婦人科疾患などにも関連があるといわれています。また、人には自ら病気を治そうとする自然治癒力が備わっているので、それを引き出すお手伝いをしたいと思っています。

具体的に、どんな流れで診療を進めるのですか?

【公実子さん】まずじっくりカウンセリングを行い、必要があれば採血などの検査で原因を探求し、治療メニュー、流れについてご説明します。患者さんの望んでいることが何かをしっかりと伺い、その方のお口の中が良くなるようサポートしたいです。
【矢野院長】今までどのようなことが起こっていたかを振り返っていただくと、その方の体のことがわかるので、患者さんと過去から現在までを共有することも大切にしています。

メタルフリー専門の外来も設けていると伺いました。

矢野順久院長、矢野公実子さん やのデンタルオフィス4

【矢野院長】金属製の詰め物やかぶせ物は、見た目の問題だけでなく、アレルギーをはじめ全身への影響が懸念されます。そこで当院では、検査によって患者さんの適正や噛み合わせの状態、体質を探り、その方に合った材質をご提案しています。一部のユニットを個室にし、口腔内バキュームや空気清浄機を置くなどして、菌を含む空気を漏らさず浄化できるように診療しています。

患者が話しやすい環境づくりに注力

得意とする診療はありますか?

矢野順久院長、矢野公実子さん やのデンタルオフィス5

【矢野院長】一般診療をメインに幅広く対応する中、特に得意なのは入れ歯です。以前入れ歯を入れたあとに、噛めない、噛めたとしても味がしないという患者さんがいらっしゃって、結果的に原因不明の不調と見なされるそうした症状をどう解決すべきか頭を抱えていました。そんな時出会ったのが、今の私にとっての恩師です。入れ歯治療がうまくいかない原因を根本から教わり、これまで私が抱いていた入れ歯の概念がすべて覆されました。現在も勉強を欠かさず、常にさらなる技術の向上に努めています。
【公実子さん】当院では患者さんのお若い頃の写真から顔貌を確認したり、噛み合わせの精密な検査と分析を行ったりしています。天然の歯があった頃と同じ噛み合わせの再現に努め、5年、10年先を見据えた入れ歯治療をご提供するよう心がけています。

診療する上で心がけていることはありますか?

【公実子さん】過去に怖い思いをして、どうしても歯科医院に足が向かない。でも治したい。そんな患者さんの想いを受け止め、歯科が苦手になった理由と向き合うことで、少しでも安心して受診していただけるよう心がけています。治療前には苦手なことを伺い、ユニットに横たわるのが苦手な方には、椅子の角度を調整したり、タオルを使用し首にご負担のないようにしています。
【矢野院長】私自身、マニュアルどおりの診療が好きではありませんし、患者さんも日によって状態が異なりますから、臨機応変に対応しています。また、歯科とは勇気を振り絞ってお越しいただく場所だと思うので、ガラス張りの開放感ある診療室にしました。待合室と診療室の間のドアを1枚にしたのも、怖くなればいつでも逃げ出していいんですよという気持ちの表れです。つい頑張ってしまう方には、「頑張らなくていいんですよ。誰にでも苦手なことはありますから」とお話ししています。

休日はどのようにお過ごしですか?

【公実子さん】お互いに仕事が好きで、歯科が生活の一部になっています。勉強をすると自分も元気になれるんです。それを患者さんに還元して、患者さんが元気になるとまた私たちも元気になれますね。
【矢野院長】勉強しなければならないという義務感はなく、患者さんの喜ぶ顔がやりがいになっています。また、妻は私と年が離れているので違う視点を持っていて刺激になりますし、私が疑問に思わないことを拾い上げてくれるので、すごく勉強になります。おいしいものを作っていただくことも元気の源です。時にはワインを飲んだり、2人の共通の趣味を楽しんでいます。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

矢野順久院長、矢野公実子さん やのデンタルオフィス6

【公実子さん】ここに来ると元気になる、気持ちが明るくなると言っていただけるようなクリニックをめざし続けたいと思います。
【矢野院長】一見歯科と関係ない症状でも歯科が原因のこともあれば、逆も然り。そのため当院は医科とも連携しています。患者さんの健康管理の場としてご利用いただきたいと思っておりますので、少しでもお困りのことがあればお気軽にご相談ください。

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