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評価テストなどで適切に診断を
成人のADHDに対するアプローチ

医療法人法橋心療内科

(高槻市/高槻市駅)

最終更新日:2022/06/08

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  • 保険診療

近年、著名人が自ら公表するなどして、成人のADHD(注意欠陥・多動性障害)の認知度が高まっている。一方で、子どものADHDに関しては具体的な症状なども広く知られているが、成人のADHDに対しては正確な理解が得られていないのが現状だという。どのような症状があるのか、どのような方法で診断し対処していくのか、といった具体的な情報について、まだ広く浸透しているとは言いがたい。情報が不足していると、ADHDを不必要に恐れたり、受診をためらったりして、一人で悩むことにもなりかねない。精神科の医師として豊富なキャリアを持ち、成人のADHD診療に力を注ぐ「医療法人法橋心療内科」の法橋明院長に、ADHDの基本的な情報やその付き合い方などについて話を聞いた。

(取材日2018年12月7日)

適切な診断を受けてしっかりと対処していくことが、本来持っている能力を社会で発揮することにつながる

Q成人のADHDとはどのようなものですか?
A
1

▲正確な診断のもと、適正な治療を受けてほしいと院長は語る

気が散る「不注意」、じっとできない「多動性」、思いついたらすぐ行動に移す「衝動性」という3つの大きな症状があります。子どもの頃からこうした症状がある方もいますが、大人になってから顕在化するケースが多いのが成人のADHDです。高度な学習や情報の処理を求められるようになり、ケアレスミスが多い、期日や納期を守れない、約束を忘れるなどの不注意型の症状が目立つようになるのです。本人はなぜそうなるのかわからないのですが、近年ADHDについての報道も増えてきて「自分はADHDではないか?」と受診されるケースが増えています。また、症状に気がついていても、ADHDによるものと思われていないケースも多いようです。

QADHDが他の発達障害と併存する場合はあるのでしょうか?
A
2

▲診療室。薬物療法を用いながら、丁寧に診断・診療を進める

お子さんの場合、学校で授業をきちんと受けることができず、LD(学習障害)を併存している場合があります。また、ADHDと診断されていてもコミュニケーション能力の欠如がASD(自閉症スペクトラム)の併存によって生じている場合もあります。以前の診断基準では併存は認めないとされていましたが、実際には併存が多いことが臨床的に明らかになってきており、現在の診断基準では併存を認めるという方向にシフトしています。

Q原因と治療方法を教えてください。
A
3

▲治療の前には成人ADHD用の心理検査を用いて適切に判断

脳に入った情報は神経のネットワークをかけめぐり処理されます。その際に、情報を伝えるノルアドレナリンなどの神経伝達物質が不足していると、情報がうまく伝わらずにADHDの症状が起こると考えられます。ADHDが疑われる方は、専用のチェックリストや評価テストなどを活用しながら、適切に診断していきます。その後、神経伝達物質の状態を改善するため、薬物療法を行います。心療内科というと認知行動療法など心理療法をイメージする方が多いですが、ADHDの場合は、薬物療法を行わずに成果を期待するのは困難だと私は考えます。

Q薬物療法を行う際に心がけていることを教えてください。
A
4

▲心理検査に基づき、診療

成人のADHDの治療薬には、メチルフェニデート塩酸塩、アトモキセチン塩酸塩、グアンファシン塩酸塩の3薬剤があり、薬剤の持つ特性を考慮した上で薬物治療に臨みます。薬剤のメリットや副作用の説明はもちろんですが、それだけでなく、患者さんには薬剤の持つ歴史や成り立ちなどもお話しします。それらを知ることは、患者さんが治療を継続する上でのモチベーションにつながるからです。治療の効果の判定には、専用のチェックリストを用います。ご自身でスコアリングすることで、目に見える形で成果を実感していただきたいです。副作用などの状態によって、補助薬を使用したり薬剤の変更を提案するなど、薬物療法には多用な工夫をしています。

Qどのような状態なら受診したほうがいいでしょうか。
A
5

▲待合室は、やわらかい色合いに統一。落ち着くBGMが流れている

ケアレスミスが多い、仕事や作業を順序立てて行うのが苦手、約束や納期を守れない、忘れ物が多いといった不注意型症状が一つの目安になります。こうした症状にご自身で気づいている、悩んでいるという場合は受診してみてください。チェックリストも評価リストも、記入は15分程度で終わります。また、周りにADHDが疑わしい方がおられ、本人が悩んでいるようなら、受診を勧めてもよいと思います。一方、本人が気づいておられない、という場合は、ADHDについての正確な情報を提供してあげるのも一つの方法です。

ドクターからのメッセージ

法橋 明院長

ADHDも一種の精神疾患と捉えられるため、診断された場合は深刻に考える方もおられますが、ADHDは非常に軽微な障害ともいえますし、対処法も確立しています。特にADHDは発達障害の中でも薬物療法が有用とされる疾患です。1ヵ月半ほどで状態の安定が見込める方も大勢いらっしゃいます。ちょっとした考え方の癖を薬物療法によって修正を図ることで、その方が本来持っている能力を社会の中で十分発揮するチャンスであると捉えなおしていただき、しっかりと通院治療されることをお勧めします。

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