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南 隆二 院長の独自取材記事

みなみ耳鼻咽喉科医院

(渋谷区/幡ヶ谷駅)

最終更新日:2025/03/14

南隆二院長 みなみ耳鼻咽喉科医院 main

幡ヶ谷駅から徒歩3分、閑静な住宅街の一角にある「みなみ耳鼻咽喉科医院」は、1957年から続く歴史あるクリニック。院長を務めるのは2020年に就任した3代目の南隆二先生だ。喉の痛みや鼻水、風邪や花粉症などに悩む患者はもちろん、慢性的な難聴がある場合は言葉の聞き取りの検査にも対応している。原因が中耳炎であれば薬を使った治療だけでなく、症状に応じて鼓膜を切開、チューブの挿入、逆に鼓膜を閉鎖する日帰り手術も行う。加齢などで聴力が低下している患者には、補聴器を導入し、補聴器の調整状況を確認するための検査と患者に残っている聞こえの力を最大限生かすための指導にも力を入れる。「患者さんの困り事に寄り添い、できる限りご要望に応える」という信念を掲げ、意欲的に診療範囲を広げている南院長に同院の特徴を聞いた。

(取材日2024年11月19日)

本格的な検査体制で耳や鼻の幅広い悩みに対応

クリニックの歴史と院長就任までの経緯を教えてください。

南隆二院長 みなみ耳鼻咽喉科医院1

当院は1957年に祖父の南昌平が開業したと聞いています。その後、私の父である南定が院長を務め、2020年12月に私が3代目院長に就任しました。私は慶應義塾大学医学部に進学して、5年生の時期に耳鼻咽喉科の授業を受けたことをきっかけに耳鼻咽喉科医になることを決意。大学を卒業してからは佐野厚生総合病院で2年間の初期研修を受けた後に母校の医学部の耳鼻咽喉科に入局し、さまざまな病院で研鑽を積んできました。2020年9月に父が病気の治療に専念することになり、その間は当時の勤務先である栃木県の病院から週1回のペースで「みなみ耳鼻咽喉科医院」に通って診療をしていました。2021年4月からは慶應義塾大学病院に異動しましたが、やはり週1回しか開院できず。2022年3月に慶應義塾大学病院を退職し、ようやく腰を据えて週5日で診療できるようになりました。

先生はどのような診療方針をお持ちですか?

当院の患者さんはお子さんから高齢者まで幅広く、お悩みの症状もさまざま。喉の風邪の治療でいらっしゃる患者さんもいれば、スギ花粉症の治療法である舌下免疫療法を続けるために通院されている方も多いです。患者さんと接する時に気をつけているのは、患者さんの希望にしっかりと耳を傾けること。例えば、一つの治療法を提案した際、一瞬でも患者さんの表情が曇ったら別の選択肢を提示することもありますし、診察後に言い残したことがないように「気になることはありますか?」とお声がけすることも心がけています。

実際に幅広い治療や検査に対応しているそうですね。

南隆二院長 みなみ耳鼻咽喉科医院2

耳鼻咽喉科では歯と脳と目以外の、鎖骨から上の疾患を受け持っています。耳・鼻・喉に関する諸症状はもちろんですが、顔面神経麻痺や首周りのしこりなども耳鼻咽喉科の範囲です。唾液腺腫瘍や甲状腺腫瘍、首のリンパ節の腫れに関して、当院では問診、血液検査、提携の医療機関で撮影してもらった画像の読影、必要があれば総合病院へのご紹介をしています。検査は純音聴力検査、語音聴力検査、ティンパノメトリー、補聴器適合検査、ファイバースコープを用いた検査などに対応。治療は症状に応じてさまざまですが、アレルギーによる鼻詰まりがひどい方のためのレーザー治療や、聴力が低下した方への聴覚リハビリテーション、補聴器の試聴や調整なども受けられます。難治性の滲出性中耳炎に対しては鼓膜を切開したりチューブを入れたりする手術も行います。まだ一部の医療機関でしか行われていない、鼓膜穿孔閉鎖術という新しい手術にも対応しています。

聴力検査で耳と脳を慣らしていくための補聴器の外来

先生が得意とされている診療分野を教えてください。

南隆二院長 みなみ耳鼻咽喉科医院3

当院の特徴でもある補聴器を専門に取り扱う外来です。欧米では補聴器販売には医療資格が必要なのですが、日本では資格がなくても補聴器を販売できるため、売ったらおしまいというケースが多いせいか、補聴器の使用に関する満足度が世界的に見てもかなり低いのが現状です。実際の医療現場でも、耳鼻咽喉科で聴力検査や診察をして治療可能な病態がなければ、あとの調整は業者さんにやってもらうことが多いものです。しかし補聴器を使用する上で最も重要なのは、適切な機種の選択と脳のトレーニング、そしてその状況に応じた適切な音量の調整です。そのためには耳鼻咽喉科医のチェックと患者指導が必要と考えています。また、ひらがなを1つずつ聞き、何と言っているかを答える言葉の検査も行っています。その正解率は補聴器をすることで言葉の聞き取りが改善しそうかどうかの指標にもなるため、補聴器導入前に必要な検査と考えています。

補聴器を取り扱う外来では具体的にどんなことをするのでしょう?

難聴の方の脳は、音の刺激が少ない状況に慣れているため、補聴器を着けると脳が驚いて、「うるさい」と感じてしまうことが多いです。そこで当院では、目標の音量の7割くらいからスタートして最初から常用し、1~2週間ごとに音量を徐々に上げ、段階式で目標の音に近づけていくという、宇都宮方式聴覚リハビリテーションの方法を取り入れた指導を行っています。補聴器は、機器そのものや患者さんの耳の形に個性があるので、補聴器を着けたまま行う聴力検査で確認します。通常の聴力検査はヘッドホンを装着して行われますが、補聴器による検査はスピーカーから流れてくる音を、補聴器を着けたまま聞くというものです。その結果によって補聴器を調整していくため、当院にも2022年6月に防音性の高い聴力検査用の個室と、広い検査室を設置しました。検査の結果をふまえて必要と思われる調整点を、週1回来訪する業者さんに伝えていきます。

舌下免疫療法によるアレルギー性鼻炎の治療にも力を入れていると聞きました。

南隆二院長 みなみ耳鼻咽喉科医院4

花粉症やアレルギー性鼻炎は、スギ花粉やダニなどのアレルゲン(アレルギーの原因物質)により、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどが起こる病気。「舌下免疫療法」はスギ花粉やダニといったアレルゲン成分を毎日体内に取り込み、少しずつアレルゲンに対する過剰な免疫反応を抑えることをめざします。免疫反応が正常化してくるとアレルギー反応を起こさなくなる、反応が軽くなることが期待できます。内服薬や点鼻薬で症状の緩和を図る対症療法と違い、アレルギー体質に根本からアプローチする治療です。具体的には毎日継続して小さい錠剤を舌の下に保持してから飲み込み、飲み込んだ後は、5分間うがいや飲食を控えます。対象年齢は5歳以上で、65歳以上は非推奨となっています。ほかの治療法を試しても改善が見られない方や、仕事や学校生活に支障を来すような重症の方が治療を受けられることが多いですね。

電子化で地域住民の利便性を追求

先生が院長になってからはさまざまな部分で電子化を導入していますね。

南隆二院長 みなみ耳鼻咽喉科医院5

日々の診療でも事務的な手続きでも電子化やデジタル化を可能な限り取り入れていきたいと考えています。すでにカルテや問診票を電子化しており、マイナンバーカードによる保険資格確認やキャッシュレス決済もいち早く取り入れました。マイナ保険証によって他院で処方されたものまで含めて服薬の履歴を確認しやすくなったので、常用薬が多いご高齢の方々こそご活用いただきたいですね。また、ファイバースコープで撮影した鼻咽喉、耳の画像を、私の手元のパソコンでリアルタイムに見られるようにした上で、動画で保存もして過去の画像と比べられるようにしています。

今後の展望を聞かせてください。

当院は済生会宇都宮病院の耳鼻咽喉科の先生たちが立ち上げた補聴器の調整プロジェクトに参加しています。補聴器を取り扱う外来でトレーニングを受けていただいた患者さんの情報を共有することで、治療の質をブラッシュアップしていくことが目的です。データが蓄積され、技術開発が進むことで、将来的には患者さんの補聴器の装用初期の調整が遠隔操作で来院なしで調整できるようになるかもしれません。難聴や耳鳴りで悩んでいる方を一人でも多く救うために、補聴器の意義を啓発する活動や情報発信に力を入れていきたいと考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

南隆二院長 みなみ耳鼻咽喉科医院6

どんなことでも気軽に相談できるようなクリニックをめざしていきたいと思います。患者さんのご要望が1件しかなくても、過去に対応していなかったワクチン接種に対応できるように体制を整えたこともありました。当院は長年にわたり地域に根を張って診療を続けてきたクリニックですから、たとえ耳鼻咽喉科に関わることではなくても、できる限り患者さんのお悩みに寄り添う医師でありたいと考えております。

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