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野村 紀夫 理事長の独自取材記事

ひだまりこころクリニック金山院

(名古屋市中区/金山駅)

最終更新日:2024/02/02

野村紀夫理事長 ひだまりこころクリニック金山院 main

金山駅直結の「ひだまりこころクリニック金山院」は、あま市・甚目寺にある「ひだまりこころクリニック」の分院として2018年7月に新設。ビジネスパーソンや子育てなど、さまざまな立場・環境に置かれ、悩みを抱える20歳以上を対象とし、医師・スタッフたちによるグループ体制での診療を通して、患者を支える。野村紀夫理事長が中心となり、本院で積み重ねてきた診療のノウハウを同院でも存分に生かし、診療の質を追求。接遇面でも患者満足度を向上させるためたゆまぬ努力を続けることで、常に患者に寄り添う姿勢を徹底する。3院を統括する野村理事長に、分院開設の経緯から診療の特徴、3院体制となったことでどのような展望を見据えているのかをじっくり語ってもらった。

(取材日2018年8月8日/情報更新日2024年1月29日)

多くの人々が行き交う土地で、週7日診療に対応

分院開設の背景についてお聞かせください。

野村紀夫理事長 ひだまりこころクリニック金山院1

より患者さんの身近な場所で診療を行っていきたいという思いが、きっかけとなりました。当院のコンセプトは、20歳以上を対象とした診療です。成人以降は働き始めたり、家庭を持ったりと、誰しもが社会的にさまざまな立場に置かれ、悩みを抱えがちになります。特に女性の場合、仕事と家庭の両立で苦しさを感じることもあるでしょう。一方で、身近に相談できる場所は、まだまだ充実しているとは言えません。本院にも、名古屋市から通院する患者さんが多くいらっしゃいました。それならば、私たちがニーズの高い地域に出て、20代以上の方々に向けた診療を充実させていけばいいのでは。そう考え、名古屋市の中心部であり、尾張地方の地域をつなぐハブ駅でもある金山駅での分院新設に至ったのです。本院と同様、平日および土日は診療しております。また通いやすさを重視して駅直結の場所にクリニックを置き、落ち着いて過ごせる院内づくりを意識しました。

本院と同様、多くの医師・スタッフの方によるグループ体制での診療を行っているそうですね。

はい、これは私たちの診療の大きな特徴であり、強みですから、分院でももちろん取り組めるようにしました。診療に携わる医師・スタッフは本院で研鑽を重ねてきた方がほとんど。これにより、本院と同じ質で診療を行えるように努めていますので、患者さんにも安心して受診していただけることと思います。心療内科は患者さんと医師の相性が重要で、腕のいい医師だからといって、主治医として合うかというと違います。できるだけ患者さんにとって選択肢が増えるよう、さまざまな得意分野を持つ医師に来てもらい、患者さんの特徴や希望に合わせて担当を決めることにしています。医師を採用する際は、診療技量はもちろんのことコミュニケーション能力の高さを重視しているのですが、どの先生も医師としての技量ばかりでなく、患者さんに寄り添って大事に診療してくれるので、安心して患者さんをお任せしています。

医師の方々はもちろん、スタッフの皆さんもとても感じが良いですね。

野村紀夫理事長 ひだまりこころクリニック金山院2

ありがとうございます。当院では職種を問わず、働くことで人間として成長してほしいとの思いから、スタッフの教育にはとても力を入れています。外部から講師を招いて勉強会を開いたり、外部の講習会に積極的に参加したりしてもらっています。院内の業務についてはできる限りマニュアル化し、教育係のスタッフが丁寧に教える仕組みを作っています。接遇に関しては、接遇の良さで知られるテーマパークのキャストに学ぶなど、医療以外のサービスからも良いものはどんどん取り入れるようにしています。みんなで医師をサポートし、患者さんのために働こうという意欲の高い人ばかりで、雰囲気もとても良いですよ。

スタッフ教育にも力を入れ、困っている患者を救う

力を入れている診療や、診療の際に大切にしていることは何ですか?

野村紀夫理事長 ひだまりこころクリニック金山院3

20歳以上を対象としていることもあり、うつ病やパニック障害、不安障害、大人の方のADHDといったところに力を入れています。診療時は、患者さんは困っているから来るのであって、その困っていることに対してできるだけのことをしましょう、ということを全員と共有しています。患者さんは、見た目以上に重症である場合も珍しくありません。特に初対面だとなかなか言えないことも多く、本当は、涙も出ないほどつらいのに診察室では「大丈夫です」とほほ笑んでいる、ということも。そこをくみ取ってほしいと医師たちにはお願いしています。どうやって患者さんと向き合うかは、それぞれの人生経験によるところも大きいのですが、まずは医学的に正しい対応があるので、それを守った上で、言葉をかけるほうがいいのか、踏み込まないほうがいいのかなどを判断して寄り添えるよう心がけています。

うつ病にかかると「病院へ行くたびに薬が増える」とよく聞きますが。

当院が処方する薬の数は他院に比べて圧倒的に少ないと思います。他院から来た先生も患者さんもびっくりされます。確かにごく一部の方で薬が必要な人はいるのですが、ほとんどの方は本当に少ない量の薬で治療できるはず。だからやみくもに薬は出しません。出す場合は副作用の少ない薬を優先して使う、減らす・止めるタイミングも適切に指導することを徹底しています。患者さんが「○○を処方してほしい」と薬目的で来院された場合にも、きちんとお話しして患者さんが依存することにならないよう配慮しています。漢方も積極的に取り入れているんですよ。もちろん、ためらわずに薬を使うことが必要なときもあります。それによって、結果的に治療期間や休職期間を短くしたり、家庭でのトラブルを起こりにくくしたりということにもつながりますからね。

漢方はどのようなときに使うのですか?

野村紀夫理事長 ひだまりこころクリニック金山院4

将来妊娠を希望される方にはよく使います。また、症状によっては西洋薬より適している場合もあるんです。例えばパニック障害で喉のつまりだけが取れない患者さんには、「半夏厚朴湯」という薬がお勧めです。また更年期の症状や、生理前にイライラしたり気分が落ち込んだりする方の中には、漢方が非常に合っている場合もあります。抗うつ薬はどうしても依存性があり、だんだん量が増えて止められなくなる人もいるため、漢方は大事な選択肢です。漢方の味や粉が苦手な患者さんもいますので、医師がその気持ちを理解できるよう、サンプルを飲んで苦さや飲みにくさも理解しています。

めざすのは日本一の心療内科

そのほか、力を入れている取り組みはありますか?

野村紀夫理事長 ひだまりこころクリニック金山院5

これも当院の特徴の一つですが、訪問看護や就労移行支援、就労継続支援といったサービスを提供する外部の事業所と連携しておりますので、治療と並行しながら社会復帰へのトレーニング支援を受けることができます。引きこもりや会社に通うことができず休職中といったように、“外”に踏み出せない患者さんも少なくありません。そういった方に対して、単なる症状の治療とは別の形で、社会復帰を支援していく一環として取り組んでいます。こういった取り組みもまた、私たちの重要な役割と考えています。

日本一の心療内科をめざしているそうですね。

とにかく患者さんにとって、スタッフにとって、クリニックにとっても良い場所を作りたいという思いでやっています。患者さん・スタッフ・クリニックの「三方良し」を満たして、その満足度の3つの総和がどのクリニックよりも高くなるように、という目標です。医師と合わない、薬を飲むことに不安がある、予約が取れない、休診日で見てほしいときに診てもらえないといったことが起こらないように、さまざまな取り組みを行っています。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いいたします。

野村紀夫理事長 ひだまりこころクリニック金山院6

2院体制となったことで、一層多くの地域から患者さんがいらっしゃることと思います。社会そのものが多様化していく中で、悩みを抱えたまま、助けを求めることができずに、立ち止まってしまう方は一層増えていくことでしょう。だからこそ、より患者さんが通いやすい場所で、土日でも通うことのできるクリニックがあることが、患者さんの受診のハードルを下げる一助となり、ひいては社会貢献につながっていくのでは、と考えています。ご自身が思っている以上に、重症であることが少なからずあります。そのせいで家庭がうまくいかない、仕事がうまくいかない、学校に行けないということもあるでしょう。家族や友達に相談してもうまくいかなくなったとき、話せる友達がいなければ自分一人で解決できなくなったとき、仕事や家庭に支障が出始めたときが受診のタイミング。迷ったら抱え込まず、早い段階で相談に来ていただければ幸いです。

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