加藤 宏紀 院長の独自取材記事
かとう歯科こども歯科
(名古屋市守山区/高蔵寺駅)
最終更新日:2024/02/26
守山区上志段味の国道155号線沿いに建つ「かとう歯科こども歯科」。加藤宏紀院長は愛知学院大学歯学部卒業後、勤務医として補綴や噛み合わせ、歯科口腔外科などを専門に研鑽を重ねてきた。開業医として長年診療を行ってきた父のクリニックを継承する形で2018年7月にリニューアル開業。子どもから大人、高齢者まで、家族みんなで通えるクリニックをめざし、一般歯科、小児歯科、予防歯科、矯正歯科、歯科口腔外科など幅広い診療に対応する。自身も子どもを持つ加藤院長の、親目線での細かな心配りが院内の随所から感じられるのも魅力の1つだ。「患者さんのお口の健康、『健口』をともに育てていきたいと思っています」と話す加藤院長に、日々の診療に対する思いを語ってもらった。
(再取材日2024年1月12日)
父の意志を継ぎ、地域に根差したクリニックを継承
開業までの経緯をお聞かせいただけますか?
もともとは父がこの場所で30年以上、「かとう歯科」というクリニックをしていました。継承後、父の医院の隣に「かとう歯科こども歯科」を2018年7月にリニューアル開業しました。クリニック名を「かとう歯科こども歯科」としたのは、妻が小児歯科を専門に勉強していたのと、僕自身も子どもが好きで、地域の子どもたちのお口の成長を見守りたい、という気持ちがあったからです。新しいクリニックにするときにしばらくお休みの期間があったのですが、開業した時は昔から通ってくださっていた患者さんから「待っていたよ!」と声をかけていただけて、本当にうれしかったですね。父の代から通っていただいてる、それこそ親子3代に渡って通い続けてくれるご家族もみえますし、責任と誇りをもって日々診療に臨んでいます。
どのような患者さんが通われていますか?
年代は小さなお子さんから高齢の方まで幅広いです。僕は生まれも育ちもこの地域なのですが、父の代から通われている患者さんの中には、僕の子ども時代を知っている方もいらっしゃいます。昔は田んぼだらけで何もないところでしたが、その頃と比べると住宅も増えて、ファミリー層が多く暮らすエリアとして発展していると感じます。そのような地域性もあってか、当院をご家族みんなのかかりつけ医としてくださるケースも多いです。子育て世代の患者さんは予防歯科や矯正歯科に対する意識が高いように感じます。継続して通ってくださる方も多く、悪くなったところを治すための治療から、悪くならないように守るメンテナンスといったように、求められる診療内容にも変化がありました。
予防歯科に力を入れているのですか?
予防はどの年代においても基本で、一番大切なものです。歯科予防は健康な歯や口を守るためのものだけではありません。大げさに聞こえるかもしれませんが、全身の健康を保ったり、健康寿命を延ばすためにも、かなり重要です。糖尿病や心疾患、骨粗しょう症、最近では認知症との関わりも示唆されていますね。実際に、糖尿病の方に歯周病治療を行うと、数値が改善したケースもあります。お口の健康と全身の健康は、密接に関係しています。最近では、口腔機能の低下を指す「オーラルフレイル」にも注目し、高齢者の噛む、飲み込むという機能を守るためのアプローチにも力を入れています。振り返ると、勤務医時代に培った、噛み合わせや補綴の治療経験も今の診療に生きていると感じます。
リラックスした環境で患者の真のニーズを見極めていく
クリニックづくりでこだわった点を教えてください。
とにかく幅広い世代の方が通いやすいクリニックにしたかったので、お子さんが怖がらない雰囲気と、段差のないバリアフリーの造り、ゆったりくつろげる環境を大切にしました。院内は、父の頃からシンボルカラーだったグリーンをアクセントに取り入れつつ、白を基調にまとめています。落ち着いて治療を受けられるよう診察室はすべて個室にしました。診療中もお子さんと親御さんが一緒に過ごせるファミリールームには、子どもが遊べるスペースがあります。親御さんは目の届くところでお子さんを遊ばせながら治療を受けることができます。また、初診の方が治療を始める前にゆっくり話ができるようカウンセリングルームを設置しました。
設備面ではどのような点にこだわりましたか?
根管治療など精密な治療の際に使用するマイクロスコープを導入しています。あとは妻の希望で、小児専用の診療チェアも用意しました。常にフラットな状態になっていて、診療の際にはお子さんが「自分の意思で」そこに上がるということを大切にしています。大人用の診療チェアについても、ご高齢の患者さんが安心して使えるように、座面が低く背もたれを倒す時の動きが滑らかなものを使っています。院内はバリアフリーですので、入り口から診察室まで車いすのまま入っていただけます。衛生面や感染症対策では、自分が患者さんだった場合にこういう医院だったら安心して通えるな、と思える環境をつくりたいと思い、各器具の徹底した滅菌、チェアサイドの消毒、医療施設用のハイパワー空気清浄機、小型高圧蒸気滅菌器や全自動器具除染用洗浄器、チェア給水管路クリーンシステムなどを導入しました。
診療で大切にしていることは何ですか?
患者さんが伝えたいことをきちんと伝えられているのか、それとも何か遠慮していることがあるのか、本当は何に悩まれているのかをしっかりと捉えることを心がけています。そのためには診察前のカウンセリングに時間をかけて、丁寧に話を聞くことが大切です。診察前だけでなく治療前や治療後も丁寧な説明を徹底するのはもちろんのこと、なるべく緊張感のない状態で話してもらえるような雰囲気づくりに努めています。例えば、僕とマンツーマンだとどうしても緊張してしまうと思うので、スタッフとの対話の時間も取るようにしています。スタッフはみんな勉強熱心で、衛生面などの配慮も徹底している頼もしい存在で、何よりお話し上手。日頃から患者さんとしっかりコミュニケーションを取ってくれています。
父から受け継いだ「患者に寄り添う姿勢」を大切に
お子さんの治療で心がけていることは何でしょうか?
お子さんの場合、一度怖いというイメージを植えつけてしまうと通い続けることが難しくなってしまうので、まずは環境に慣れてもらうことから始めます。もっとも大切なのは、お子さんが自分の意思で治療に取り組むということ。治療が必要な場合には、どうしてこうなったのか、虫歯ができてしまった原因や虫歯にならないための生活習慣などを親御さんにも丁寧に説明しています。食べるものや食べるサイクルについてのアドバイスだけでなく、使う歯ブラシなどもお子さんの口の中の状況を見て提案しています。お子さんの虫歯予防というのは実はお母さんのおなかの中にいる頃から始まっていて、赤ちゃんが生まれてからではなくて妊娠中からお母さんが口の中の環境を整えることが大切なのです。お父さんとお母さんが歯を大切にすることを意識していると、お子さんの歯も守られていくと思います。
今後の展望についてお聞かせください。
開業して6年が経ち、「地域のかかりつけ医」の責任を実感しています。歯磨きが苦手だった子がきちんと磨けるようになったり、虫歯がたくさんあった方がものすごく頑張って通院して、治療をやり遂げたりなど、いろんな感動を頂いてきました。その中でまだまだ期待に添えてない部分があるとは思いますので、まだまだ勉強あるのみです。通っていただいた結果、ご家族やお友達で、「かとう歯科こども歯科に通っててよかったね」と言ってもらえるよう、これからも精進します。あとは、父が患者さんを一人ひとり本当に丁寧に診察していて、多くの患者さんから信頼を得ているのを見てきたので、自分もそうした部分を守り続けられるように努力していきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
小さい頃からの積み重ねはとても重要です。親御さんは「歯医者にメンテナンスに通う」という習慣をぜひ身につけさせてあげてください。お口のトラブルにあったことがない、虫歯の治療をしたことがない、という方がどんどん増えて欲しいと心から願っています。習慣や機会を与えてあげるのも、親から子どもへのとっても素敵なプレゼントだと思っています。また、そういった習慣がない方でも、何歳になっても、お口の中の環境を改善することは可能だ、と僕は考えています。だからこそ、皆さんには「口の中の健康」を諦めてほしくないと思います。今が人生で一番若い時です。これからの自分によりよい「健口」をプレゼントしてあげてくださいね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万円~、成人矯正治療/50万円~、小児矯正/50万〜80万円