早川 成人 院長の独自取材記事
そら矯正歯科
(大阪市淀川区/塚本駅)
最終更新日:2024/10/16
青い看板が目印の「そら矯正歯科」の院長を務める早川成人先生は異色の経歴の持ち主だ。もともと東北大学大学院の精密工学研究科を修了し、航空会社に入社。大型ジェット機の技術担当に従事するなど、エンジニアとしての経歴からスタートしている。当時の国際協力事業団専門家としてパプアニューギニアへ派遣され、現地での経験を通し、医療の道への転向を思案し、41歳で歯科医師免許を取得した。工学分野での知見を生かした先進のデジタル技術を用いた診療を強みに、現在はマウスピース型装置を用いた矯正に注力。完全予約制で、十分な診療時間を用意し、一人ひとりと向き合う早川院長に歯科医師に転向した経緯や診療への想いを聞いた。
(取材日2023年11月6日/情報更新日2024年10月3日)
先端のデジタル技術を取り入れた矯正を提供
そら矯正歯科では、どのような診療を行っているのですか?
当院は先端のデジタル技術を取り入れた歯列矯正を専門に行っています。その中でも、第一の選択肢としてお勧めしているのが、マウスピース型装置を用いた矯正です。ここ数年で技術はめまぐるしく進化していて、現在はマウスピース型装置を用いた矯正により対応可能な範囲が増えてきております。さらに必要に応じて、ワイヤー矯正も併用することで時間の短縮が見込めるなど、併用するメリットが大きい場合は組み合わせて対応しています。マウスピース型装置を用いた矯正を希望して来られる方が近年は多くなっており、小学生の1期矯正にもマウスピース型装置を用いた矯正を積極的に取り入れています。若い女性だけではなく、男性も多くいらっしゃいますし、長く健康で暮らしたいという思いから幅広い年代の患者さまが来院されます。
マウスピース型装置を用いた矯正には、どのような良さがあるのでしょうか。
まずはデジタル技術を有効に使って、視覚的に目標を患者さまと共有することができ、より満足する結果が得やすくなることがあります。次に歯をゆっくりと少しずつ動かす分、痛みも軽減されますし、取り外しができるので、口腔内を常に衛生的に保ちやすい点も上げられます。食事の際は外して、装置がない状態で食べることができ、装置に食べ物が詰まる心配もありません。ワイヤー矯正では矯正装置を装着したままなので、歯磨きを怠ってしまうと虫歯や歯周病、口臭などの原因になりますが、マウスピース型装置を用いた矯正では歯磨きもしやすく、適切なケアを行うことで虫歯になりにくい状態が望めます。ワイヤー矯正ではワイヤーが外れた時に唇や口の中を切って傷つけてしまう心配もありますが、トラブルが少ないことも良い点だと思います。装置を着けていることが他の人からほとんどわからず、目立ちにくいところも患者さまにとってメリットだと思います。
どのように矯正を進めていくのですか?
マウスピース型装置を用いた矯正では、まずデジタルスキャナーを使って現在の歯並びの状態を適切に把握します。次にシミュレーションをもとに最終位置を決定し、矯正過程のイメージを可視化します。これによって患者さまはゴールがイメージしやすく、モチベーションも高まるのではないでしょうか。このようにデジタル技術を駆使して予知的な矯正を行い、必要があればその都度調整をしながら進めていきます。
早川院長は、患者さまと接する際にどのようなことを大切にされていますか?
患者さまの要望が何なのか、理想的なゴールは何か、よく話を聞いて患者さまのニーズをつかむことを心がけています。一人ひとり骨格やもともと持っている歯並びはすべて異なります。しっかり検査を行って口腔内の状態を把握し、その方にとって理想的な状態をつくりあげられるように努めています。
精密工学の知識を生かし、効率的な治療計画を立てる
歯科医師になるまで、どのようなご経歴を歩まれてきたのですか?
福島県で生まれ育ち、大学は東北大学工学部の出身です。卒業後はそのまま大学院に進み、精密工学研究科でエンジニアリングを学んでいました。大学院修了後は、航空会社に就職、大型ジェット機の技術担当として従事し、1998年まで12年間勤めました。その間、国際協力事業団でエンジニアの専門家として、技術支援のためにパプアニューギニアへ派遣されていた経験もあります。3年間、現地の航空大学で教官をしていました。パプアニューギニアで印象深く感じたのは、医療がひっ迫した状況にあるということ。特に歯科医院が少なく、首都のポートモレスビーでさえ1軒しかありませんでした。そんな様子を目の当たりにしたことで、もし自分が医療の技術を習得できれば、今後どこへ行っても社会貢献ができるのではないかと思いました。
歯科医師への転向を決意したきっかけは何だったのでしょうか。
まだまだエンジニアを続けるつもりではいたのですが、以前から自分の技術をもって自己完結できる仕事に魅力を感じていました。パプアニューギニアでの経験を通じて、医療の分野であれば思い描く仕事ができるのではないかと思ったことが、1つのきっかけになりました。日本に帰国して2年ほどたった頃、徳島大学歯学部が、社会人経験を持つ人たちを対象として、歯科医師を養成する編入学の制度を始めました。私はその情報をたまたま新聞で目にしたことで「これはチャンスだ」と思い、転向を決意。徳島大学には第3年次から編入し、41歳の時に歯科医師免許を取得しました。
その後は、どのようなキャリアを積まれてきたのですか。
歯学部に入学した当初から、矯正歯科医への道に進もうと決めていました。矯正歯科にはデジタル技術がふんだんに応用されており、私が長く学び、取り組んできた工学の分野を生かすことができると考えたからです。一通り、一般歯科を学んだ後は矯正の技術を習得すべく、大学病院や矯正専門の歯科医院で研鑽を積んできました。矯正歯科の最先端の技術や情報を得るためにアメリカやヨーロッパで行われる勉強会にも積極的に参加するようにしています。
すてきな笑顔のため一人ひとりと納得いくまで向き合う
ご自身で開業されて良かった点は、どういったところでしょうか。
大きな病院ですと、限られた時間で多くの患者さまを診療しなければならない場合もありますが、当院では患者さま一人ひとりをじっくり診られるように、時間に余裕を持って予約を取ることができます。そういった意味でも、自分が納得のいく治療ができるように思います。よりしっかりと患者さまに向き合えることに、開業した一番のメリットを感じています。それに加えて、矯正装置の選択にしても、どのような技術を取り入れるかという点でも、患者さまのことを第一に考えて、自分が最も良いと思うものを取り入れることができるようになりました。
今後のご展望をお聞かせください。
マウスピース型装置には、さまざまな種類や提供している会社があり、それぞれに良いところがあります。先進の技術を柔軟に取り入れながら、患者さまにとってメリットとなる矯正技術を提供していきたいです。最近では、院内でマウスピース型装置を作製する歯科医院も増えつつあります。デジタル技術をフルに活用し、3Dプリンターなどの必要な装置を設置すれば、院内でマウスピース型装置を作製することが可能になります。院内で作製することにより、矯正開始までのタイミングを短縮することができ、なおかつ常にフィッティングの良い装置の提供が可能になり、歯の移動スピードが速くなり、矯正期間を短縮することも期待できると思います。このように今後は自分の歯科医院でマウスピース型装置を作製することも重要になってくると思います。
最後に、矯正をお考えの方や読者の方々にメッセージをお願いいたします。
矯正はお子さまや若い方だけを対象としたものではなく、幅広い年齢層で治療が可能です。矯正治療を始めるのに遅過ぎることはありません。歯並びが気になり、ご自身が矯正したいと思ったときが矯正を始めるのに適したタイミングだと思います。無料相談も受けつけておりますので、「矯正したい」と思った際は、いつでもお気軽にご相談にいらしてください。お待ちしております。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正(ワイヤー矯正併用の場合も同じ)/80万円~、小児のマウスピース型装置を用いた矯正(ワイヤー矯正併用の場合も同じ)/30万円~