富田 大介 院長の独自取材記事
ミライズ矯正歯科南青山
(港区/表参道駅)
最終更新日:2024/07/02

矯正歯科に特化した「ミライズ矯正歯科南青山」は、南青山と銀座にある分院と連携し、口腔内のさまざまなニーズに対応する歯科クリニック。同院の院長でグループを率いる富田大介先生を筆頭に、高い専門性と豊富な経験を持つ歯科医師たちによるチーム医療で、見た目はもちろん「しっかり噛める」ことを重視した歯列矯正を提供している。特に噛み合わせの分野で研鑽を重ねてきた富田院長は、XR(エクステンデッドリアリティー)と呼ばれる先進のデジタル技術を活用した歯科治療を取り入れており、国内のみならず海外からも講演の依頼が絶えないという。「先進の技術を活用し、患者さんにとっての真の利益を追求していきたいと思っています」と話す富田院長に話を聞いた。
(取材日2022年2月17日/再取材日2024年4月3日)
機能の改善を重視して患者の理想をかなえる治療を
こちらの歯科医院の特徴をお聞かせください。

当院は、矯正歯科を専門としたクリニックとして2018年に開業しました。30~40代を中心に、お子さまからご高齢の方まで幅広い年代の方が来院されています。当院の矯正治療の特徴は、見た目だけでなく「しっかり噛めるようにする」という機能面の向上に重きを置いていることです。一般的に歯列矯正には歯の表面に装置をつける表側矯正や歯の裏側に装置をつける舌側矯正、透明のマウスピース型装置を用いた矯正の3つがあり、患者さん一人ひとりの骨格や筋肉、顎関節などに合わせた適切な方法をご提案し、ご理解・了承いただいた上で矯正を進めています。また、顎変形症など骨格的な要因が強い場合は一般的な方法だけで噛み合わせを正すことが難しいため、外科手術を組み合わせた矯正も行っています。
顎変形症の治療は分院と連携して実施されているそうですね。
はい。顎変形症の手術は大学病院などの大きな病院で実施されることが多く、当院も開業当初は北里大学と連携して手術を行っていました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で大学病院の受け入れがストップし、多くの患者さんをお待たせする状態に陥ってしまったのです。不要不急の手術とはいえ、困っている患者さんは大勢いらっしゃいます。顎変形症の手術に特化したクリニックをつくりたいという思いから、2022年2月に「ミライズクリニック南青山」をオープンし、連携体制を整えました。一般的に顎変形症の治療期間はトータルで3~4年ほどかかりますが、当院では治療期間を短縮するために「サージェリーファースト法」や「アーリーサージェリー法」などの方法を導入し、患者さんの身体的・精神的負担の軽減をめざしています。
他の分院との連携体制についても教えてください。

歯列矯正の前後に、虫歯などの治療が必要になることも多く、矯正中のメンテナンスも重要です。そのため、虫歯や歯周病の治療や歯科衛生士による口腔ケア・メンテナンス専門の「ミライズオーラルヘルス」を南青山と銀座に開院し連携しています。互いに連携し、治療・手術・アフターケアまでグループ内で完結できることが大きな強みです。クリニック名の「ミライズ」には、患者さんと一緒に「未来図」を描いていくという思いを込めました。また「ミ」には「美」、「ライズ」には「上昇」という意味もあります。矯正歯科の専門家として、患者さん一人ひとりに合った未来図をご提案し、患者さんの理想に近づけていくのが私たちの使命と考えています。
患者の利益につなげるため、次世代の医療を追求
クリニックには先進の機器も数多く導入されているそうですね。

歯型のデータを短時間で採取できる光学3Dスキャナーの導入により、以前のように印象材を使用して歯型を採る必要がなくなり、患者さんの負担軽減につながりました。また矯正後のシミュレーション画像を事前にモニターで確認できるため、安心して矯正に臨んでいただけると思います。さらに、院内に歯科技工所を併設したことで、矯正中に装置の作製や修理などが必要になった場合のロスタイムが短くなりました。保定装置なども数日で完成するので、スムーズに保定に進めていくことも可能です。最近では、3D眼鏡などを使わず、裸眼で立体映像を見ることができるモニターを手術室に導入しました。歯科医師が3D眼鏡を長時間装着することに伴うストレスを軽減でき、手術の精度と安全性のさらなる向上につながることを期待しています。
先進の技術を取り入れる目的を教えてください。
もともと機械が好きで、DX(デジタルトランスフォーメーション)に興味を持っており、医療に生かせるものがあれば導入したいと考えていました。先ほどお話ししたとおり、当院では顎変形症の治療期間短縮をめざした治療法を導入していますが、これは長年噛み合わせの問題や見た目のコンプレックスに悩んできた患者さんが、さらに治療に長期間かけなければならないという状況を何とかしたいという思いがあったからです。患者さんの有益性を追求していくには、技術力の向上が不可欠であり、これからも常に先進のテクノロジーを取り入れて、患者さんの利益につながる次世代の医療を提供していければと考えています。
XRの活用について、海外でも講演されていると伺っています。

これまで私たちは「XR」と呼ばれる技術を積極的に歯科医療に取り入れてきました。XRは、仮想空間やデジタル情報を現実世界と融合して疑似体験する空間をつくり出す画像処理技術のことです。XRには「VR(バーチャルリアリティー)」「AR(オーグメンテッドリアリティー)」「MR(ミックスドリアリティー)」などの仮想世界を体験できる技術が含まれます。当院の顎変形症手術においてXR技術を活用して口腔内を立体的に可視化することで、よりリスクが少なく精度の高い治療をめざせるようになりました。こうした研究についてまとめた論文を国内外で発表したところ、私たちの取り組みに注目してくださった大学などから講演や共同研究のお話が舞い込むようになったのです。特に2022年5月にカイロ大学で行った講演には大きな反響があり、アラブ首長国連邦やサウジアラビアなどでいくつかのプロジェクトに取り組む予定になっています。
相談しやすい体制を整える
海外の活動と診療の両立は大変なのでは?

大変ではありますが、当院の歯科医師は全員が矯正歯科の専門家であり、他の領域の歯科医師や歯科衛生士・歯科技工士と連携することで歯科全般に対応できる体制を整えています。また、当院では歯科医師だけでなく、歯科衛生士や歯科技工士も論文発表に取り組んでいます。診療時間外の自分の時間を使って勉強するなど研鑽を積んでいますので、私が不在でも安心して受診していただけると思います。私自身もエジプト・アルリャダ大学の客員教授、スタンフォード大学の客員講師として、定期的に講義を行っています。私たちの技術を広め、歯科医療の発展に貢献するためにも、海外での活動にはこれからも力を入れていきたいですね。
ところで、先生はなぜ歯科医師をめざされたのですか?
子どもの頃は建築家になって地図に残る仕事がしたいとか、手先の器用さを生かせる仕事もいいな、などと思っていました。しかし高校生の頃に出会った友人が歯科医師をめざしていた影響から、職業として「歯科医師」を意識するようになったのです。調べてみると細かい作業も多く、自分に合っているのではないかと思い始めました。考えてみれば、検査や診断をして治療計画を立て、ゴールを決めてその計画に合わせて治療を進めていく過程と、土地を見て設計して、デザインして建物を立てるという建築の仕事ととても似ていますよね。そういう意味でも、無意識にこの仕事を望んでいたのだなと感じています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

矯正歯科では患者さんと歯科医師の双方が、めざすゴールのイメージを共有することが大切です。当院では初診時から患者さんとのコミュニケーションを重視した診療を心がけており、歯科衛生士が患者さんのお話を詳しく伺うカウンセリングや、SNSによる相談にも対応しています。歯科医師には話しづらいという方もいらっしゃるかと思いますが、気軽にご相談いただければうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/25万円~(基本施術料として/1期治療)※別途検査費用などがかかります
成人矯正/15万円~(部分矯正)、87万円~(表側矯正)、125万円~(裏側矯正)
マウスピース型装置を用いた矯正/49万5000円~
サージェリーファースト法、アーリーサージェリー法/100万円〜400万円(基本施術料。各矯正費用は別)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。