全国のドクター9,221人の想いを取材
クリニック・病院 161,271件の情報を掲載(2020年8月04日現在)

  1. TOP
  2. 鹿児島県
  3. 鹿児島市
  4. 鹿児島中央駅
  5. あかつきARTクリニック
  6. 桑波田 暁子 院長

桑波田 暁子 院長の独自取材記事

あかつきARTクリニック

(鹿児島市/鹿児島中央駅)

最終更新日:2020/06/26

20101akatsukiart top2

鹿児島中央駅から徒歩3分と、通いやすい立地の「あかつきARTクリニック」。院長の桑波田暁子先生が、不妊治療専門クリニックとして2018年に開業、2020年1月に現在の場所に移転した。ホテルのロビーのような落ち着いた雰囲気の待合室には一人掛けのソファーが並び、日光が差し込む大きな窓からは駅前の風景を望む。やわらかな笑顔と穏やかな声で優しく語りかけてくれる桑波田院長が力を入れているのは、体外受精の中でもなるべく薬を使わない自然周期による治療だ。ともすると、排卵誘発剤などの薬が使われることの多い不妊治療。専門クリニックを開いた経緯や、自然周期の治療を勧める理由など、その思いを聞いた。
(取材日2020年5月13日)

地元・鹿児島に不妊治療専門クリニックを

産婦人科の医師をめざしたきっかけや、不妊治療をご専門にされた経緯についてお聞かせください。

Df1

祖父と父は医師、母は薬剤師という家庭に生まれ、幼い頃から漠然と将来は医師になるのだと思っていました。大学進学の際、周囲からの勧めもあって最初は薬学部に進んだのですが、医師の夢を諦めきれず久留米大学医学部に入学し直しました。外科系に進もうか迷っていた時、帝王切開の手術に立ち会う機会があり、大出血の手術でも気にせず助手をしている私の様子を見た先生が「君は産婦人科の医師に向いているかもね」と言ってくださったんです。その言葉で、外科系で自分が女性であることを生かせるのは産婦人科かもしれないと思うようになりました。卒業後は鹿児島の病院で11年経験を積みましたが、不妊治療に興味を持ったのは鹿児島医療センターで子宮がんや卵巣がんの治療をしていた頃です。治った患者さんから「子どもが欲しい」と相談を受けた時、妊娠したいと望む患者さんを妊娠させることが難しいことだと気づいて、不妊治療が必要だと強く感じました。

どのように不妊治療や体外受精について学びを深めたのですか?

Df2

全国あちこちを見に行きました。中でも名古屋のクリニックに勉強に行くと、そこでは自然周期の治療を大事にしていました。それこそいろいろなクリニックに通った患者さんがたどり着くようなクリニックだったのですが、「ここでの治療は体が楽です」とおっしゃるんです。その様子を見て、いい治療だな、いつか地元の鹿児島でもこんな不妊治療を提供したいなと思いました。毎日注射があると仕事との両立も難しくなりますし、患者さんは疲弊していきますからね。不妊治療は専門性の高い分野なので、一般的な産婦人科の先生ではわからないこともあります。私も一からの勉強でした。名古屋と東京のクリニックで計8年働きましたが、充実した日々であっという間でしたね。そして自分の子どもが生まれたタイミングで鹿児島に戻ってきました。

クリニックの特徴である自然周期の治療について、もう少し詳しく教えてください。

毎月生理が来るなら、自然に排卵しているということです。その場合は排卵誘発剤を使わなくていいのですが、従来の不妊治療では、卵子がたくさんあるほうが効率がいいから排卵誘発剤を使う、という傾向がありました。でも一方で、薬の副作用で妊娠しづらくなってしまう可能性もあるんです。なので私は、なるべく薬を使わずに自然の排卵を生かすことを重視しています。不妊治療というと、排卵させる部分に目がいきがちですが、自然に排卵している人は自然に任せながら、それ以外に悪いところがあったら治していこうという方針です。卵子と精子を出会わせてあげれば妊娠するのだから、何もたくさん薬を投与しなくてもいいのではないかと考えています。もちろんそれは患者さんの状態にもよりますから、薬が必要な人には必要な分だけ薬を使うこともあります。

一人ひとりの悩みや体の状態に寄り添うクリニック

不妊症で悩んでいる方は多いのでしょうか?

Df3

そうですね。以前は10組に1組が不妊症と言われていましたが、今は5、6組に1組が不妊症だと言われています。原因は、男性にある場合、女性にある場合、あるいは両方にある場合があります。患者さんは年齢も状況もさまざまで、結婚してタイミングを図ってもできないという方も、未婚だけれど自分の卵子をとっておきたいという30代後半の方もいます。あとは、がんの患者さんですね。例えば、乳がんで何年もホルモン治療が必要な方は、がん治療が終わるタイミングだと妊娠や出産が難しい可能性があります。また、白血病の方は骨髄移植をすると卵巣が機能しなくなってしまうんです。そういう方が卵子を取って凍結保存しておくケースもあります。体の事情で今は妊娠できない、でも将来的には子どもが欲しいという患者さんにも、可能性を残すお手伝いをしています。

診察の時に心がけていることや、患者さんとのエピソードを教えてください。

Df4

なるべく不安を取り除くことです。私はスタッフにも恵まれまして、もし患者さんが診察の時に話しきれなかったことがあってもスタッフが聞き出してくれて、もう一回診察室に戻って詳しく悩みを聞くことがあります。また、当クリニックには卵子や精子を扱う培養士が6人います。清潔に隔離された部屋にいるので、培養士が患者さんと直接話す機会はほとんどないのですが、「私の卵を扱ってくださってありがとう」というお礼の手紙をよく頂きます。クリニックを卒業した方から赤ちゃんの写真もたくさん届きますよ。手紙や写真が励みになり、モチベーションにつながりますね。患者さんから「先生が鹿児島に戻ってきてくれて良かった」と言われると、鹿児島で自然周期の治療を提供できてよかったと心から思います。

鹿児島県では不妊治療費の助成制度があるそうですね。

体外受精は保険適用外ですし、治療にはどうしてもお金がかかります。そこで自治体が治療費を補助しているのですが、受診してこの助成金を受け取れる医療機関は決まっていて、当クリニックはそのうちの1つです。指定医療機関になるには顕微授精装置などの施設基準を満たしている必要があります。体外受精を考えている方は、お金のこともシビアに調べていらっしゃいますね。また助成金とは別に、当クリニックでは成功報酬制度もあります。妊娠された方から成功報酬をいただくので、体外受精の段階では費用を抑えられるのが利点です。お金が原因で妊娠を諦めなくていいように、できるだけたくさんの方に治療を受けてもらいたい、という思いで取り入れています。

一人でも多くの人が、その腕にわが子を抱けるように

お忙しい中で、家事やリフレッシュはどうされているのですか?

Df5

私も家に帰れば主婦ですし、ごはんを作って家事もしないといけません。18歳の娘と3歳の息子がいて、特に下の子はまだ手がかかるので、忙しい中でも時間を見つけてやっています。リフレッシュは小さい頃から続けている水泳です。高校と大学では水泳部で平泳ぎが専門でした。実は今日もプールに行って、30分で1kmくらい泳いできたんですよ。ぼーっと泳ぐのは私にとって大切な時間です。治療を思い出しながら「あの患者さんにはどんな治療をしようか」と考え事をしていると「次はこの治療をしたらいいかも!」とひらめくこともあります。大好きな水泳で発散しながらも、やっぱり気になるのは患者さんのことですね。

今後の目標を教えてください。

昨年よりさらに多くの患者さんに笑顔で当院を卒業してほしいなと思っています。とはいえ、人数がすべてではありません。不妊症を人に言えずに一人で悩んでいる方もいらっしゃいます。話すだけでも気持ちが軽くなると思うので、不安をなるべく取り除けるように気を配っています。ですが、結果が伴わなければ患者さんの悩みは解決できません。どこに問題があって、どうしたら妊娠できるのか、一生懸命考えて続けています。一人でも多くの方の妊娠をサポートできたらうれしいです。

最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

Df6 2

クリニックに行くのは、やはり皆さん抵抗があると思うんです。でも、不妊の原因は思いがけないところにある可能性もあり、子宮筋腫や卵巣腫瘍が見つかる患者さんもいらっしゃいます。まずは相談だけでもいいので「ちょっと行ってみようかな」と思ってもらえたらいいなと思います。早い時期に自分の体を知っておくことが大切です。そうすれば、早めの対応ができますからね。自分の体を正常だと思い込まずに、「おかしいかな?」と感じたら、一度受診することをお勧めします。なるべくハードルを下げて気楽に来てもらえたらうれしいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

採卵/6万6000円、精子調整・胚培養/6万6000円、胚移植/4万4000円、人工授精/1万4300円 ※成功報酬制度の場合は別途費用が追加となります。

Access