地場 奈実 院長の独自取材記事
アイリス眼科 歯科
(世田谷区/成城学園前駅)
最終更新日:2026/01/28
成城学園前駅から徒歩5分。「アイリス眼科 歯科」は、白を基調とした洗練されたたたずまいが印象的だ。待合室に入ると、院長の地場奈実先生がセレクトしたモダンな壁紙や絵画が彩る、癒やしの空間が広がる。地場院長は、山梨大学で緑内障や加齢黄斑変性症など難治性疾患の治療に従事。海外留学で緑内障診療の研鑽を積んだ経験から、予防の重要性を感じ開院した。2024年には、クリニックの移転に際して院内スペースを拡張するほか、先進の医療機器も導入。白内障の日帰り手術や、歯科診療にも応じる体制を整え、より患者の悩みに寄り添った診療が可能となった。「目のことだけでなく、どんな悩みでも話していただけたらうれしいです」とほほ笑む地場院長に、移転後の診療内容や患者への思いを聞いた。
(取材日2021年4月1日/情報更新日2026年1月21日)
一人ひとりと向き合った診療をめざして開院
まずは、開院をされたきっかけを教えてください。

勤務医時代、緑内障や加齢黄斑変性症など難治性の病気をたくさん診てきましたが、「もっと早く見つけていれば重症化しなかったのでは」「生活習慣など病気の原因を改善すれば予防できるのでは」という葛藤が常にあったのです。中には失明される方もいて、そんなときはとても切なくなりました。そこで、予防医学の観点から早期発見・早期治療に努めたいと考えたのです。院名の「アイリス」は、花の名前と目の虹彩(こうさい)からとっています。花言葉は「幸せを運ぶ使者」。ギリシャ神話の女神・イリスが起源ともいわれ、すてきな名前だと思いセレクトしました。
2024年に移転リニューアルをされたそうですね。
はい、2階に手術室や診療スペースなどを増設し、先進の治療・検査機器をそろえましたので、治療の幅も広がったと思います。例えば、緑内障の患者さんの眼圧を下降させるのに役立つレーザー治療機器も導入しました。また、2階では歯科にも対応いたします。というのも、顎関節や顎の血流の悪化、食いしばりといった口腔の不調が、眼精疲労にも関連すると考えているからです。歯科に関しては、私の実姉であり歯科医師のマッケーブ美和先生が、週2回診療を行います。詰め物やかぶせ物の治療を行う際は、歯科技工士と常に相談しながら、患者さんお一人お一人とこまやかに治療方法をすり合わせてきました。スタッフに関しても、愛情の深いメンバーが集まったと思います。このクリニックを皆で良くしていこうという気持ちが感じられ、院内の雰囲気もさらに良くなったのではないでしょうか。
改めて診療方針を教えてください。

医療のセオリーにとらわれない、ということです。患者さんの痛みやお悩みに応じて診療をカスタマイズし、お一人お一人の生活スタイルに配慮したアプローチを心がけています。つまり、オーダーメイドの診療ですね。例えば緑内障の原因はさまざまですから、予防するには目以外の全身からのアプローチも大切にしています。冷え性による血流の滞りや糖尿病などの生活習慣病、ストレス、自律神経の乱れ、加齢のほか、首や肩の凝りに伴う眼精疲労などあらゆる状態に視野を広げて診療してきました。もし病気が見つかれば、患者さんにヒアリングをした後、生活指導から行います。必要に応じて漢方薬もお出しすることが可能です。また、血流促進へのアプローチとしては温熱療法にも着目しています。目の健康から全身、心の健康へと導いていけたらうれしいです。
先進技術による緑内障治療や日帰りの白内障手術に対応
先生が力を入れる緑内障の予防について教えてください。

緑内障は日本人の失明原因の第1位といわれ、40歳以上の20人に1人が罹患しているといわれます。60歳以上では10人に1人とされ、そのうち約9割が治療に至っていないようです。また、国内の緑内障患者の約8割は、視野の欠損を自覚しにくい正常眼圧緑内障といわれています。早期発見が何より重要な予防策ですので、定期的に眼圧検査を受けましょう。緑内障の原因としては高眼圧のほかに近視や冷え性、血流の悪化、低血圧、睡眠時無呼吸症候群、血縁者に緑内障の方がいる、などが挙げられます。中でも眼圧上昇や血流の悪化は、目の疲労によって引き起こされやすいです。裏を返せば、目の疲労解消が緑内障予防にもつながるので、遠くを見ながらのウォーキングや首・肩の凝りの解消を図るほか、スマートフォンやパソコンの過剰な利用に注意しましょう。当院では眼精疲労の軽減のため、体を温める処置などを行っています。
緑内障の検査・治療には新しい技術も積極的に取り入れているそうですね。
当院では緑内障の早期発見のために、OCT(光干渉断層計)という先進の検査機器を導入しました。OCTは視野に自覚症状のない前段階の「前視野緑内障」の発見にも役立ちます。治療は、眼圧を下げるために点眼薬を用いるのがメインですが、最近はレーザー治療を行うことも増えました。このレーザー治療は低侵襲でありながら、眼圧を下げる際に用いる点眼薬の一剤分に相当するといわれています。毎日の点眼が煩わしい方や、点眼によりアレルギー症状が出る方などにお勧めです。
移転後は、白内障の日帰り手術にも対応されているそうですね。

保険診療の手術のほか、選定療養での多焦点眼内レンズを用いた手術も可能です。手術に際しては、QOLが少しでも向上するよう、皆さんに事前のアンケートにお答えいただきます。これは「パソコンの使用時間が長い」「楽器を弾くことが多い」など、お一人お一人の生活スタイルをきちんと把握した上で治療方針を立てるためのものです。白内障の手術に限らず、当院ではどんな治療でも患者さんとじっくりご相談しながら進めます。なお、手術後には眼帯を着用いただきますが、視界の悪さから転倒することがないよう車いすを利用してエレベーターで移動していただきますので、ご安心ください。
近年、患者さんの主訴として増えているものはありますか?
ドライアイを発症される方が増えているように感じます。加齢やパソコン・スマートフォンの長時間使用、コンタクトレンズ装用など、ドライアイの原因はさまざまですが、その一つがマイボーム腺の機能不全です。まぶたの縁の裏側には、油分で涙をコーティングし、乾燥を防ぐためのマイボーム腺という穴があります。この穴に過剰な油分が詰まると、涙の量が十分でも目が乾いてしまうのです。また、マイボーム腺が詰まると、炎症を起こしやすくなり、結膜炎を引き起こしてしまうことも。当院ではこのマイボーム腺にアプローチするため、私が開発に携わったアイシャンプーによるまぶたの洗浄を行っています。「いろいろ試したけれど効果が得られなかった」と言われる方が、駆け込み寺として来られることが多いですね。
みんなに元気を与えられる医師でありたい
診療において大切にしていることは何ですか?

「目の前の方をどうにか良くして差し上げたい」という気持ちですね。これは、恩師から「患者さんを自分の親、家族のように思いなさい」という教えを常々いただいたことも大きいと思います。患者さんのお悩みはさまざまですから、なるべく対話することを心がけてきました。時には、涙を流しながら受診される方もいらっしゃいます。そんなときは、「おつらい気持ちやお悩みはここに置いていきましょう」とお伝えします。もし患者さんが笑顔を見せてくださったなら、「お役に立てているのかな」と感じますね。また、皆さんに元気になっていただくには、私も元気でいなくてはいけません。帰宅後にアロマセラピーをしたり、血流を良くするために体を温めたりと工夫しています。
眼科の医師をめざされた理由を教えてください。
祖母が眼科の医師だったのです。患者さんへの慈愛に満ちたそのまなざしを見て、小学校6年生の時に「私も眼科医になりたい」と決心しました。また医学生の頃、白内障の手術の様子を初めて見た時、目という器官は何て美しいのだろうと感動したことも、眼科に魅力を感じた理由の一つです。目という領域は「見えるか見えないか」の非常に明快な世界です。眼科の医師になって1年目の時、患者さんの手術前後の様子を目の当たりにして「こんなにも違うんだな」と感動しました。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

当院では、大規模病院で行われることの多い抗VEGF硝子体注射による治療も行っています。加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症などの治療にも対応しますので、ぜひご相談ください。そのほか、緑内障のレーザー治療も行っています。地域の皆さんの健康のため、少しでもお役に立てたらうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー/適応検査5500円、初年度両眼16万5000円、片眼10万1750円、2年目以降は年間2万2000円

