清原 英之 院長の独自取材記事
きよはら耳鼻咽喉科
(福岡市南区/高宮駅)
最終更新日:2026/03/03
西鉄天神大牟田線・高宮駅から徒歩15分の「きよはら耳鼻咽喉科」。院長の清原英之先生は、幼少期に親身に治療してくれた耳鼻咽喉科の医師の姿に憧れ、この道を志したという。大学卒業後は急性期病院やがんセンターで、重症患者や腫瘍に伴う嚥下障害の診療に従事。「経験や技術をより多くの患者さんのために役立てたい」との思いから、2017年に同院の前身となる「みみ・はな・のど せがわクリニック若久通り」を開業した。2024年1月には法人からの独立に伴い、院名を現在のものに変更。患者の思いや声を大切に、診療では一般的な耳鼻咽喉科診療に加え、いびき、睡眠時無呼吸症候群、嚥下、補聴器の相談にも力を入れている。今回は清原院長に、クリニックの取り組みや今後の展望を聞いた。
(取材日2020年6月8日/再取材日2026年1月28日)
法人から独立、院名を改め心機一転
クリニックの特徴を教えてください。

大学卒業後、九州大学病院を中心とした急性期病院に約15年間勤務しました。その後、大学でともに学んだ仲間が経営する「みみ・はな・のど せがわクリニック」の分院として、2017年に「みみ・はな・のど せがわクリニック若久通り」を開業し、院長に就任。2024年1月には、クリニックをそのまま承継し「きよはら耳鼻咽喉科」として新たにスタートしました。耳・鼻・喉に関連するさまざまな症状や病気を診療するほか、睡眠時無呼吸や音声・嚥下、補聴器などの外来も行っています。患者さんは子どものいるファミリー層が中心ですが、これまで2割程度だったご高齢の患者さんも少しずつ増えてきています。
アレルギーの患者さんも多いかと思いますが、具体的にどんな治療をしていますか?
アレルギーの患者さんには、舌下免疫療法や鼻粘膜レーザー治療を取り入れています。舌下免疫療法は、スギ花粉症やダニアレルギーを持つ方を対象とした、根本的な体質改善をめざす治療法です。長年アレルギーに悩んでいる方や、服薬による眠気を避けたい受験生などからの相談が多いですね。ただし、この治療法は3年以上、専用の薬を継続して服用する必要があります。服薬をできるだけ減らしたい場合には、鼻粘膜レーザー治療にも対応しています。また、鼻漏や鼻水が喉に流れ込みやすい方、鼻の炎症が長引く方には、鼻の奥にある上咽頭に薬液を擦りつけるEAT療法(Bスポット療法)も取り入れています。
咳や鼻水など、内科と耳鼻咽喉科のどちらに行くべきか迷うときは、どうしたら良いでしょうか?

咳や鼻水の症状は耳鼻咽喉科と内科の領域にまたがることがあり、めまいは耳鼻咽喉科と脳神経科の領域に分かれる場合がありますが、まずは気軽に耳鼻咽喉科を受診していただければと思います。耳・鼻・喉の専門的な検査を行った上で診断し、より精密な検査が必要な場合には大きな病院をご紹介します。また、脳神経科の診療が必要と判断した場合には、近隣に複数ある専門のクリニックと連携しているため、そちらをご紹介しています。いびきや睡眠時無呼吸症候群についても耳鼻咽喉科で診療しています。鼻詰まりや喉の通りの狭さなどを検査・評価し、治療方法を組み立てるなど、耳鼻咽喉科ならではの強みを生かした診療を行っています。
一人ひとりに寄り添い、支えながら患者層を広げたい
最近増えている症状などはありますか?

難聴やめまいを訴えて来院される方も多いですね。耳鼻咽喉科というと副鼻腔炎などの感染症対応が中心でしたが、近年はアレルギーやストレスが原因と考えられる主訴が目立ってきました。ストレスによる場合は、まず症状を和らげるための薬を処方し、ストレスが原因である可能性をお伝えします。職場や生活環境など、原因そのものを大きく変えることは難しいケースも多いため、十分な睡眠を取っていただくなど、生活の中で実践可能な助言を行います。また、緊急対応が必要と判断される症状の方には、精密検査や治療のために大きな病院をご紹介しています。
診療の際、大切にしていることを教えてください。
医療にはガイドラインがあり、症例ごとに望ましい治療方針が示されています。しかし、現実には患者さんそれぞれに仕事や家庭の都合があるので、それらを無視した医療であってはならないと考えています。そのため、まずは患者さんの話を丁寧に聞き、背景をくみ取った上で、できるだけご都合やご希望と折り合いがつくかたちで治療方針を提示し、納得していただいてから治療を進めることを心がけています。子どもだけでなく世代を問わず、丁寧な声かけや人の気持ちをくみ取ろうとする姿勢を大切にした、ホスピタリティーあふれるメンバーばかりです。明るい雰囲気や子どもたちが嫌がらずに通ってくれる環境は、スタッフ一人ひとりの力があってこそだと思っています。
これから力を入れたい診療や、クリニックとしてめざすことを教えてください。

2020年から睡眠時無呼吸の外来を設け、いびきや睡眠時無呼吸症候群の診療も行っています。ご高齢の患者さんが増えていることもあり、聞こえづらさや耳鳴りといった難聴の診療、補聴器の相談も本格的に開始しました。また「飲み込みにくくなった」といった嚥下障害の診療にも力を入れ始めています。嚥下障害については、勤務医時代に研究や臨床経験を積んできたこともあり、患者さんがいつまでもおいしく食事をし、健康を守っていけるよう取り組んでいきたいと考えています。クリニックの看板には、マスコットキャラクターであるワンちゃんのイラストを掲げており、お子さんのいる方が入りやすい印象を持たれるかもしれませんが、ご高齢の方も気軽に、気兼ねなくご相談ください。クリニックとしてやりたいことは多々ありますが、患者さんと向き合いながら、必要とされることに一つ一つ応え、スタッフとともに成長していきたいと思っています。
臨床で培った経験と技術を、地域の患者に還元したい
医師をめざしたきっかけや勤務医時代のご経験など、ご自身の歩みを教えてください。

小学生の頃からアレルギー性鼻炎や中耳炎、副鼻腔炎などを繰り返し、耳や鼻の症状に悩まされていました。通院していた耳鼻咽喉科の院長が、いつも優しく声をかけながら治療してくださり「お医者さんはかっこいい」と感じたことが、医師を志した原点です。医学部では診療科の多さに驚きつつも、幼い頃からの夢だった耳鼻咽喉科を選択しました。卒業後は「九州大学病院」を中心とした急性期病院に勤務し、重症患者さんの診療に携わりました。嚥下障害の患者さんを担当した経験から、食べることの大切さと難しさを痛感し、医師として何かできないだろうかと研究と臨床に注力しました。また、腫瘍に伴う嚥下障害の症例を学ぶため「九州がんセンター」でも研鑽を積みました。
そこから、なぜ開業しようと思われたのですか? また、医師としてやりがいを感じるのはどんな時ですか?
身内に医師や開業医がいなかったこともあり、医師になってからも勤務医として耳鼻咽喉科診療に携わっていくのだろうと思っていました。しかし、次第にこれまで得た経験や技術は、より多くの患者さんとふれあう中でさらに意味を帯びてくるのではないかと考えるようになったのです。症状が比較的軽い段階から患者さんに関われることは、地域医療に携わる大きな魅力です。患者さんの様子を間近に見られること、また「きよはら先生!」と、子どもたちが私の名前を覚えて呼んでくれることは、大きなやりがいにつながっています。私自身、子どもの頃に耳鼻咽喉科の先生に憧れて医師になったこともあるので、医療従事者として子どもたちに何かしら良い影響を与えられたら、そして「医療の道って良いな」と思ってもらえたらうれしいですね。
最後に、読者にメッセージをお願いします。

かつては、患者さんと医師の関係において、一般的に医師の立場が強く、質問しにくい雰囲気があったかもしれません。しかし、今はそうした時代ではないと考えています。一方的に説明するだけでは「本当に理解してもらえただろうか」と、不安になることもあります。質問を通して疑問や不安を解消し「ここに来て良かった」と感じていただきたいので、どうぞ遠慮なく質問してください。

