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小泉 健雄 院長の独自取材記事

浜田山ファミリークリニック

(杉並区/浜田山駅)

最終更新日:2026/06/30

小泉健雄院長 浜田山ファミリークリニック main

東京都杉並区・浜田山駅から徒歩約3分の住宅街にある「浜田山ファミリークリニック」。院長の小泉健雄先生は、自身が生まれ育った地であり、かつて父が皮膚科クリニックを営んでいた場所に2018年に同院を開業。院長が内科・外科、院長の妻である小泉千春先生が眼科、千春先生の父である戸松泰介先生が整形外科を担当し、幅広い症状に対応している。小泉院長は、約20年にわたる救急医療の経験を背景に、患者の状態を適切に見極め、過不足のない医療の提供をめざす。「どんな患者も断らずにまず診る」という方針のもと、地域の医療の入り口として幅広い相談を受け止めている。「一度でも来院された方は皆さん、かかりつけの患者さんです」と語る小泉院長に、同院の診療方針や地域医療への携わり方を聞いた。

(取材日2026年4月14日)

どんな患者も、どんな症状も受け入れ、診療する

こちらのクリニックの特徴について教えてください。

小泉健雄院長 浜田山ファミリークリニック1

ここはもともと、父が皮膚科クリニックを開いていた場所です。私たち家族の自宅を兼ねていましたので、子どもの頃は患者さんの間を通って出入りするような環境でした。浜田山という街は昔は畑に囲まれていたそうですが、現在は戸建住宅やマンションが増え、駅前もだいぶにぎやかになりました。交通の便が良く暮らしやすい街だからか、長くお住まいの方も多い印象です。大学を卒業してからは、しばらく浜田山を離れていましたが、2018年に同じ場所で開業することといたしました。私が担当する内科・外科を中心に、妻が眼科、妻の父が整形外科として同じクリニック内で診療を行っています。

院内の設計や設備機器で工夫されている点はありますか?

患者さんの動線にこだわりました。待合室から診察室へ入り、受診後はそのまま裏側の処置室や検査室に回れるようになっています。待合室へ戻ったり、行ったり来たりすることがないのでスムーズに次のステップに進めます。高齢の患者さんが多いので、足元は段差のないフルフラット、眼科のある2階へはエレベーターを設置しバリアフリー設計としました。特別な検査機器は導入していませんが、内科診療の際には超音波検査を積極的に使っています。例えば頸動脈に当てて動脈硬化の具合を調べたり、橋本病やバセドウ病が疑われる患者さんの甲状腺の大きさを確認したりするのに活用しています。超音波検査のメリットは、リアルタイムで体内の状態を確認できる点です。10日前のCT検査の結果を見ても、そこから変わっていることがありますから。「今、ここがこういう状態です」と患者さんにも説明しやすいので、治療のモチベーションにもつながると考えています。

診療方針について教えてください。

小泉健雄院長 浜田山ファミリークリニック2

基本的には、来院された方はお断りしないというスタンスです。せっかく来たのに「当院では診られません」と突っぱねられてしまったら、患者さんは不安になりますよね。たとえ婦人科や耳鼻咽喉科など当院の専門外の症状だとしても、まずはお話を聞いて状況を整理し、その上で当院で対応できるのか、専門の病院へ紹介するべきか判断します。クリニックはすべてを完結する場所ではなく、医療の入り口として不安を取り除く場所。すべての症状を治療することはできなくても、どう動けばいいか道筋を示すことで、患者さんの不安を和らげることができます。地域に根差したクリニックとして、そういった役割を果たしていきたいと考えています。

救急医療の現場で培った経験を地域医療へ

クリニック開業までのご経歴を教えてください。

小泉健雄院長 浜田山ファミリークリニック3

大学卒業後、約20年間、杏林大学医学部付属病院の高度救命救急センターで勤務してきました。急性の重傷患者さんがひっきりなしに運ばれてくる現場は非常に忙しく、大げさでなく「椅子に座った記憶がない20年間」でした。今でも椅子に座って患者さんをお迎えするスタイルに、不思議な感覚があるくらいです(笑)。極限状態の患者さんと向き合う経験を通して、症状の重さの見極めや優先順位の判断など、医療の基礎を徹底的に学んできたと感じています。その後、他学部ではありますが教授として後進の指導に当たっていました。専門として取り組んできたのは熱傷、いわゆる重度のやけどです。今思えば、父が皮膚科医だったことが関係しているのかもしれません。

救命救急でのご経験は、現在の診療にどのように生きているのでしょうか。

救急医療の現場では、人がどの段階で危険な状態になるのか、どうなってしまったら生命を失ってしまうのかを実体験として理解しました。数週間で完治が見込める外傷から、今にも消えてしまいそうな命までを扱う救急医療に比べると、当院で診る症状の程度はごく軽いといえます。そのため現在の外来診療では、「慌てなくても大丈夫」と根拠を持って伝えることができるようになりました。患者さんの不安を解消する上で、この点は大きいと思います。また、医療機器や検査に頼り過ぎないという考え方も大切にしています。もちろん必要な検査や治療は行いますが、それ以上に、その方にとって本当に必要なケアは何かを見極めることが重要です。過剰な医療ではなく、適切な医療を提供することを意識しています。

どのような患者さんが多く来院されますか?

小泉健雄院長 浜田山ファミリークリニック4

私一人だけでも内科・外科であらゆる症状を診ていますので、一言で答えるのは非常に難しいですね。例えば、健康診断で高血圧症や高脂血症を指摘されて精密検査を受けにいらっしゃったような、いわゆる生活習慣関連の方は、定期的に来院されてお薬を処方しています。外科関連なら「包丁で指を切ってしまった」「公園で遊んでいて転んでしまった」という方も見えます。あとは、「目に見える症状はないけれど、何となく調子が悪い」という、いわゆる“不定愁訴”といわれるケースですね。原因がわからないからこそ不安を抱える患者さんが多いので、時間がかかってもじっくりと話を聞いて「心配しなくて大丈夫ですよ」とお伝えしています。

一度でも受診した患者は「かかりつけの患者」

先生は訪問診療もされているそうですね。

小泉健雄院長 浜田山ファミリークリニック5

訪問診療はクリニックの休診日である水曜日に行っています。通院が難しい方の終末期医療にも関わっており、早朝や深夜に連絡を受けてお看取りに駆けつけることもあります。ご家族も含めて信頼いただき、最期まで寄り添えるのは地域のクリニックならではだと思っています。もし当院の訪問診療を受けている患者さんが急性で入院されて、退院された後再び当院にお戻りいただき、最期まで診ることができたら理想的ですね。また、行政と連携しながら、経済的な理由で医療を受けるのが難しい方や、これまで医療によるサポートを受けてこられなかった方のケアも行っています。極端にいえば、来院されていない方にも医療をお届けしているのです。

大変お忙しくされていると思いますが、お休みは取れているのでしょうか?

一応、日曜日はクリニックも訪問診療もない休日にしています。以前から、息子が所属している野球チームのお手伝いをしていまして、試合の応援に行ったり、スコアづけや審判をしたりと、比較的深く携わっているのです。忙しくはありますが、止まっているより動いている方が好きな性分なのですよね。チームの関係者の中には、父の代の診療所をご存じの方や、母校の小中学校出身の方など、思わぬ出会いがあります。自分が一番好きな野球を息子と一緒に楽しめて、地域の皆さんともふれあえる、私にとってこの上ないリフレッシュの時間です。

最後に、先生にとって「かかりつけ医」とはどのような存在でしょうか。

小泉健雄院長 浜田山ファミリークリニック6

一度でも当院の入り口をくぐり、受診された方は、私にとって「かかりつけの患者さん」だと思っています。継続して通院されるかどうかは、その方のお体の具合やご本人の意志次第です。例えば最初に内科で受診された後、数年後にケガをして来院されることもあるでしょう。お話ししたとおり、どんな患者さんでも、どんな症状でも断らずに診ますから、お体のことで困ったこと、不安なことがあればまずお越しください。医療の入り口として、そして最期まで寄り添える存在として、これからも地域に貢献していきたいと思っています。