そのつらい症状は男性更年期障害かも
泌尿器科へ気軽に相談を
くわばら腎・泌尿器科クリニック
(神戸市灘区/王子公園駅)
最終更新日:2025/12/01
- 保険診療
男性更年期障害は30代後半から50代にかけてよく見られる病気だ。その背景には、加齢による男性ホルモンの低下に加え、社会的責任が重くなる世代特有のストレスが関与していると指摘されている。倦怠感やほてりといった身体症状のほか、気分の落ち込みや性機能の変化など、症状はさまざま。さらに、女性の更年期障害に比べて受診すべき診療科がわかりにくい点も特徴だ。「くわばら腎・泌尿器科クリニック」の桑原元院長は、「症状の現れ方には個人差が大きく、本人が気づかないことも多いです。また、男性更年期障害という言葉自体をご存じでない方も少なくありません」と語る。今回は、男性更年期障害の原因や具体的な症状、診療の流れ、そして泌尿器科を受診する意義について教えてもらった。
(取材日2025年8月21日)
目次
患者の話をじっくり聞いた上で、副作用のリスクが少ない治療から始める
- Q男性更年期障害の原因は何ですか?
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A
▲泌尿器科で、「男性の更年期障害」も診ることができる
女性の更年期障害と同じく、加齢による性ホルモンの減少が原因で起こる病気です。男性の場合はテストステロンという男性ホルモンが関係しています。このホルモンは20代で最も高く、その後はゆるやかに減っていきます。ただ、加齢に伴って、テストステロンが基準値よりも低くなるとはいえ、すべての男性が更年期障害になるわけではありません。本来は緩やかに減少するテストステロンが、何らかの理由で急激に低下してしまった人に更年期の症状が現れるのです。その急激な減少を引き起こす要因として考えられているのがストレス。男性更年期障害の好発年齢は30代後半から50代で、社会的にもストレスが増える時期と重なっているのです。
- Q男性更年期障害の具体的な症状について教えてください。
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A
▲穏やかな口調で丁寧に説明してくれる桑原院長
やはり症状も女性の更年期障害と似ていて、代表的なのは発汗やほてりのほか、倦怠感やめまいといった不調です。中でも患者さんがよく口にされるのは「なんとなくつらい」「元気が出ない」といった言葉です。イライラや気分の落ち込みなど、うつ病に似た症状が出ることもあります。さらに、勃起障害などの性機能の衰えや性欲の低下といった、男性ホルモンに関係する症状も見られます。ただ、症状には個人差があり、他の病気と重なる部分も多いため、例えば「勃起障害だから男性更年期障害」と単純に診断できるわけではありません。他の診療科でうつ病として治療を受けている方の中にも、男性更年期障害が隠れているケースが多くあります。
- Q何歳から気をつけるべきですか?受診の目安もお聞かせください。
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A
▲初めに問診を行い、その結果を参考に治療計画を提案している
30代後半くらいから注意が必要です。「突然すごく疲れやすくなった」「なんとなくつらい」と感じるようであれば、受診をご検討ください。実際に受診するとなると、会社を休むなどのスケジュール調整が必要になります。それだけの負担をかけても診てもらいたいと思うことが、受診の一つの目安。普通なら、疲れた程度であれば「今日は早めに休もう」「市販の栄養ドリンクで乗り切ろう」といったことで対処しようとしますからね。ちなみに、当院では性機能の変化をきっかけに受診される方が最も多いです。ただ、20代では、男性更年期障害よりも精神的な不調を疑うことが多く、更年期として治療を行うことはほとんどありません。
- Q男性更年期障害の診療の流れについて教えてください。
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A
▲治療はできるだけ副作用のリスクが少ない方法から始める
初めに症状の程度を数値化するAMSスコアを用いて問診を行い、その結果を参考に治療計画をご提案します。治療は「できるだけ副作用のリスクが少ない方法から始める」という考えに基づき、基本的には行動療法から始めます。仕事がストレスの要因である場合は、職場での環境調整や休養など、できる範囲で取り組んでいただきます。次が薬物療法。いくつかの漢方薬を試しながら、合うものを数ヵ月かけて一緒に探していきます。改善が見られず、かつご希望がある場合には必要に応じて、血液検査の上で注射によるテストステロン補充を検討します。ただし、この治療は副作用が出る可能性もあるため、当院では最初から行うことはほとんどありません。
- Q男性更年期障害を泌尿器科に相談するメリットは何でしょうか?
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A
▲患者一人ひとりに対して時間をかけて丁寧に診察を行っている
そもそも男性更年期障害の原因となるテストステロンは精巣から分泌されます。その精巣を専門的に診察できるのは泌尿器科だけです。最終的にテストステロン補充療法に進む場合には、前立腺がんの増大や排尿障害の悪化といった副作用に注意が必要です。泌尿器科では、がんの有無や排尿機能を確認しながら、安全面に配慮して治療を進めていくことができます。これは泌尿器科ならではの強みといえるでしょう。また、男性更年期障害では気分の落ち込みや不安感など精神的な症状が出ることもありますが、精神科や心療内科の受診に抵抗を感じる方も少なくありません。その点、泌尿器科であれば気軽に相談できる点も大きなメリットです。

