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岸 智 院長の独自取材記事

なかはら内科クリニック

(川崎市中原区/武蔵中原駅)

最終更新日:2024/07/26

岸智院長 なかはら内科クリニック main

JR南武線武蔵中原駅より徒歩12分の場所に位置する「なかはら内科クリニック」。2017年に岸智先生が院長に就任して以来、生活習慣病に特化したクリニックとして地域にも認知され、若者世代から高齢者まで幅広い年代に頼りにされている。岸院長は地域医療や家庭医療に尽力する、生活習慣病治療のスペシャリストだ。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本循環器学会循環器専門医などの資格を有するほか、多くの専門知識を持ち、現在も米国ジョンズ・ホプキンス大学の研究員として動脈硬化の研究を続けている。自身の経験や研究内容を根幹とし、エビデンスに基づいた治療を提案している岸院長に、クリニックのコンセプトや院長就任からこれまでのクリニックの変化、専門である生活習慣病について詳しく聞いた。

(取材日2024年6月20日)

さらなる専門性を追求し生活習慣病の予防啓発に努める

2017年に院長に就任されてから現在までの間で、変わったことはありますか?

岸智院長 なかはら内科クリニック1

当院は、前の院長先生が消化器内科を専門とされていたこともあり、内視鏡検査を実施していました。院長に就任した際は、地域の方にまず認知していただくという段階だったこともあり、週1回内視鏡検査を行う医師に来ていただき対応していました。1、2年は続けていたのですが、当院には高血圧や循環器、糖尿病を専門とする医師がいるという認知が広がってきて、それを目的として来られる患者さんが増えてきたんです。周辺には内視鏡検査を行う消化器内科のクリニックが多いため、当院ではやめることにしました。その代わりに、超音波検査や動脈硬化を評価できる機械、最近だと体組成計も導入して、生活習慣病の原因となるメタボリックシンドロームや、そこから派生する糖尿病や高血圧、循環器疾患の予防啓発に努めています。

動脈硬化症の検査にも力を入れていますね。

動脈硬化は、いくつかの検査を駆使して、総合的に進展を測定し診断します。2024年5月から木曜の午前中を動脈硬化症の検査を行うための時間にしました。当院は糖尿病の患者さんが多くいらっしゃいます。糖尿病はわかりやすくいうと血管の病気で、ほとんど症状が出ません。気づかないまま時間が過ぎて、血糖のコントロールができなかった影響が7~10年目あたりに出てきます。今は無自覚の方にも、検査数値で示すことで、気づくきっかけになればと思っています。症状に出た時にはすでに重症化した状態になっていることが多いので、その手前で対処するための啓発目的の検査です。

機械だけでなくスタッフも専門性を極めていらっしゃると伺いました。

岸智院長 なかはら内科クリニック2

最近導入した体組成計は、体内の油や筋肉量、ミネラル、骨量もわかるので、人によって有酸素運動が良いのか筋力トレーニングが良いのか、摂取カロリーも含めて具体的に提案できます。栄養士も3人いるので、食事面のアドバイスも可能です。他にも糖尿病や、心不全の方の療養指導について専門的に学んでいる看護師もおり、積極的に専門性を高めてくれていますね。当院にはさまざまな症状の患者さんがいらっしゃいますので、専門性を生かす機会も十分あり、高い意欲を持ったスタッフが集まってくれています。

豊富な経験と知識を生かし地域医療に貢献したい

ここまで手厚い体制を整えたのはなぜですか?

岸智院長 なかはら内科クリニック3

モチベーションがあるんですよね。金沢医科大学に在学中、医師のいない地域を訪れる機会があり、地域医療の大切さを痛感しました。また、交換留学生として渡米し、マーサー大学でアメリカのかかりつけ医について学びました。アメリカのかかりつけ医は出産までカバーし、いわば内科、産科などという専科に分ける発想がないんですね。これには衝撃を受け、その後の医師人生にも大きく影響しました。その後、三井記念病院に入職し、さまざまな病気の診断と治療を経験しました。アメリカやヨーロッパの勉強会でも経験を積みましたが、大切なのはその経験をいかに患者さんに還元するかですよね。今までの経験とアカデミックな知識を生かして、全身的な診療を行いたい、という思いで診察に臨んでいます。

さまざまな分野で専門医療の研鑽を積まれたのですね。

実践的な知識が必要だと思い、片っ端から経験していきました。日本内科学会総合内科専門医だけでなく、生活習慣病に関わる高血圧についての専門知識をつけ、日本糖尿病学会糖尿病専門医の資格も取得したので、その知識と経験をもとに治療を行います。また、日本循環器学会循環器専門医の資格も有することから、心筋梗塞に対する予防医学から診断、治療まで、当院で専門的に行うことができます。心筋梗塞や脳梗塞を再度発症しないようにするための二次予防まで提供できることは、患者さんへのメリットにつながるのではないでしょうか。糖尿病専門医と循環器専門医の両方の資格を持っている医師は少ないと思います。生活習慣病の悪化を食い止めたいという気持ちで、日々勉強しています。

院長就任以来、街の印象や地域の方の健康意識に変化を感じますか?

岸智院長 なかはら内科クリニック4

2017年に院長に就任して数年後、コロナ禍になりました。当時は診療を止めてはいけないという思いで、率先して発熱患者さんを受け入れていました。「行き場のない不安がはびこる中、困っている人を受け入れられなくて、何のために地域医療をしているのか」という思いがありましたね。同じ志のスタッフが集まってくれていたことも幸運でした。この辺りは若年成人の人口増加に特化した、平均年齢45歳くらいの働き盛りの方が多い地域です。コロナ禍以降、在宅ワークが増え、外出が少なくなることで、患者さんの体調管理が難しくなり、体重が増えるなど、いろいろな問題が発生しました。だからこそ、当院がお役に立てると思います。単に「食べすぎは良くないですよ、運動しましょう」と言っても具体性に欠けるし、変わるって難しいですよね。専門性を生かして、一人ひとりにとって具体的に実現可能な目標を示すことで、健康管理に努めています。

オンライン診療も活用し若年層から高齢者までサポート

改めて、クリニックのコンセプトを教えてください。

岸智院長 なかはら内科クリニック5

当院は、全身管理を得意とし、特に生活習慣病に特化しています。脳梗塞や心筋梗塞などの病気にならないための予防医学を「一次予防」と言いますが、その一次予防に力を入れています。理想ではなく、実現可能な目標を決めて、それに向けてスタッフと患者さんと一緒に、二人三脚で成し遂げていくというコンセプトです。脳梗塞や心筋梗塞、狭心症になってしまい、大きい病院から紹介されて来られる方もいます。再発を防ぎ、新しい病気が出ないように積極的にやっていきます。人間ですから、モチベーションが下がることもありますよね。数値が悪い時も追い詰めることはせず、こちらでできることを考えて、小さな変化を大きな変化につなげていけるような手助けをしたいと考えています。

オンライン診療などもされているのですか?

僕は新しいことが好きなのでオンラインも大事だと思いますし、スマートフォンアプリを用いて血圧管理も導入しています。ただ、本質的な目的は患者さんの行動変容なので、あの手この手の道具の一つとして使っています。オンラインは楽ですが、オンラインから得られる情報はすごく限られていると思うんです。患者さんの雰囲気から読み取れることは多く、ときには診察室に入ってくる様子から体調の良し悪しや、メンタルヘルスまである程度察知することができますが、オンラインではそれが難しいのです。一方で、高血圧の血圧管理は、アプリで一目で見ることができます。数字の管理には向いていて、高血圧診療ならびに糖尿病診療はやりやすいです。メリット、デメリットがあるので、使い分けていますね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

岸智院長 なかはら内科クリニック6

日本は高齢者社会になってきていて、当院には90歳以上の患者さんもいらっしゃいます。寝たきりにならないように、当院にも歩いて、もしくは家族と連れ添って来られるようにすることが大事です。働き盛り世代から高齢者まで幅広くサポートしていきます。知っていそうで知らない高血圧や糖尿病に関しての知識も、時間を取って説明します。薬以外の提案も具体的にできますし、原因精査もできます。専門性を求めて受診されるのであれば、それに応えることができるクリニックです。健康に関して心配なことがあればいつでも相談してくださいね。

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