矯正中のストレス軽減を図るなら
マウスピース型装置を用いた矯正
とむら歯科クリニック
(北九州市八幡東区/枝光駅)
最終更新日:2024/05/07


- 自由診療
矯正をしていることがわかりにくく、従来のワイヤー矯正より痛みが少ないことなどを理由に、マウスピース型装置を用いた矯正が注目を集めている。しかしワイヤー矯正よりも難しいのは、患者の自己管理能力に大きく委ねられている点だ。「装置は1週間に1回交換しますが、基本的に毎日装着し、1日の装着時間は食事以外で20時間以上。時間を守って装着することが計画どおりに矯正を進めるための大事なポイントです。お子さん用の装置もありますが、その場合はご家族の協力が不可欠。しっかりと管理ができない方には、マウスピース型装置を用いた矯正はお勧めできません」と言い切るのは、「とむら歯科クリニック」の戸村和智院長。マウスピース型装置を用いた矯正のメリットや注意点、矯正の流れなどについて戸村院長に詳しく聞いた。
(取材日2024年4月3日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qマウスピース型装置を用いた矯正のメリットを教えてください。
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A
装置をつけているのがわかりづらく、ワイヤー矯正よりも痛みが緩やかで、期間の短縮も見込めるところです。装置が透明で目立ちにくい点は、皆さんご存じのとおりですね。痛みでいうと、ワイヤー矯正の場合は一回の調整で1ヵ月分の力をかけるので歯にかなり大きな力がかかりますが、マウスピース型装置の場合は1週間に1回の頻度でつけ替えるため、歯を動かす強さが分散され、その分痛みも少なくなることが期待できます。かかる期間ですが、ワイヤー矯正だと約2〜3年、一方マウスピース型装置では平均1年〜1年半ほど。難症例の場合はもう少し長くなりますが、ワイヤー矯正に比べると、患者さんの負担が少ない矯正法だといえますね。
- Qマウスピース型装置を用いた矯正を行う場合に注意すべきことは?
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A
装着時間をしっかりと守ることです。基本的に食事以外の20時間以上、毎日の装着が推奨されています。逆を言えば、それができなければ計画どおりに歯が動かない恐れがあるので期間が長引くだけではなく、マウスピース型装置を作り直すことになりかねません。マウスピース型装置は自在に着脱できる点が魅力の一つですが、そこに甘えるのではなく、しっかりとご自分で装着時間を管理していく意識が何より大切なのです。お子さんの場合はどうしても自分だけでは管理できない場合もあるため、親御さんなどご家族の協力が大前提。当院では、矯正を始める前にこの点をしっかりとお話しし、「やります」という強い意志がある方にのみお勧めしています。
- Qマウスピース型装置を用いた矯正はどんな人に適していますか?
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A
接客業など、特に人前に出るお仕事をされている方にはお勧めの矯正法といえるでしょう。最近はマスクを外す機会も増えてきたので、人と対面する際にワイヤー矯正だと、どうしても人の目が気になってしまうという方は少なくありません。あとは、装置が着脱可能なので歯磨きがしやすいという特徴がありますから、口腔環境をきれいに保ちたい方、矯正による虫歯や歯周病を避けたい方にも適しています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリングを受ける
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マウスピース型装置を用いた矯正を希望する場合、まず予約をしてカウンセリングを受ける。所要時間は30分ほどで、歯科医師から矯正を行う上での注意点や費用について詳しい説明が行われる。カウンセリングを受けたからといって、その場で矯正を受けるかどうか決める必要はなく、いったん持ち帰って、装置の装着時間を守れるかなどをじっくりと検討。矯正を行う意思が固まれば、あらためて精密検査の予約を取る。
- 2精密検査を受ける
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30分〜1時間ほどで、歯科用CTによる撮影、口腔内の3Dスキャン、模型作製のための歯型採取を行う。模型は矯正前の状態を確認するために作製し、歯科用CTで撮った画像や3Dのデータをもとにマウスピース型装置が作られる。ここで確認できるのは、矯正の大まかなイメージまでで、詳細な矯正プランは2週間後にあらためて説明される。
- 3矯正プランの説明
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できあがった詳細な矯正プランを歯科医師が提示。内容を確認し、患者がそれに了承したら、装置の発注を行う。オーダーメイドで作られたマウスピース型装置が届くのは、発注してから約2週間後。ワイヤー矯正よりも矯正開始までに時間がかかることも、マウスピース型装置を用いた矯正を行う際に留意したい点だ。
- 4矯正スタート
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マウスピース型装置を週に1回の頻度で交換しながら矯正を続けていく。同時に1ヵ月に1回、長くても2ヵ月に1回はクリニックでのチェックを行う。計画どおりに歯を動かすことをめざすためには、毎日きちんと決められた時間、装置をつけることや、口腔環境をブラッシングなどで清潔に保つなどの自己管理が重要となる。
- 5保定装置の装着と定期的なメンテナンス
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最後の装置を装着する段階で矯正終了後に使用する保定装置(リテーナー)を作製するために、再度口腔内をスキャン。リテーナーができあがり次第、歯の後戻りを防ぐための保定期間に入る。ただし、矯正終了後5年間、もしくは保定装置を作る前であれば追加の矯正も行えるため、歯科医師とよく相談を。保定期間の長さは特に決まっていないが、できるだけ長く装着し続けることが望ましいという。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/成人:88万円、小児:91万3000円~93万5000円