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奥村 尚威 院長の独自取材記事

永福町駅前みんなのクリニック

(杉並区/永福町駅)

最終更新日:2023/03/31

奥村尚威院長 永福町駅前みんなのクリニック main

永福町駅からほど近い場所にある「永福町駅前みんなのクリニック」。診療科にとらわれず、子どもから高齢者まで気軽に通える総合診療のクリニックとして、2017年9月に開業した。院長の奥村尚威先生は穏やかな人柄でこちらの話を笑顔で受け止めてくれる。院内は木目調のパネルや白い壁、グリーンの家具が配されたナチュラルな雰囲気で、待合スペースの明かりはあえて暖色系に。「具合が悪い患者さんたちがリラックスできる空間にしたかった」という心配りを随所に施している。そんな奥村先生に、総合診療のメリットや今後の展望、オフタイムの過ごし方などを聞いた。

(取材日2022年12月22日)

地域のために尽くした父の姿を見て医師の道へ

この地域で開業した経緯をお聞かせください。

奥村尚威院長 永福町駅前みんなのクリニック1

大学卒業後、初めは大学病院の小児外科で手術などを手がけていたのですが、地元である東京に戻らなければならない事情ができてしまいまして。その時に少し幅を広げて内科の勉強をしようと、在宅診療のクリニックで高齢者を対象に診療をさせていただきました。その後、総合診療を得意としている病院に移って、小児科から内科、皮膚科、整形外科まで、来院した患者さんはすべて診るという経験を積ませていただきました。そして2017年に総合診療のクリニックとして開業したのです。永福町を開業の地に決めたのは、自宅から通いやすいことと、初めて訪れた時にちょうど商店街のお祭りがあって、地域の結びつきや住民の方の地域愛をすごく感じたんですね。それで「良いところだな。ここで皆さんのお役に立ちたいな」と思ったのです。

医師をめざしたきっかけはなんですか?

父も祖父も医師でしたから、子どもの頃からなんとなく意識はしていたと思います。ただ、中学生くらいまではパイロットやテレビ番組を作る人になりたいと思ったこともありました。高校生になって自分の進路を決めなくてはならなくなった時に、地域のために一生懸命忙しく働いていた父の姿や、喜んでくれる地域の人たちの姿を見てきたことで、「やっぱり僕も人の役に立つ仕事に就きたい」と思うようになったんですね。本格的に医師をめざすようになったのはその頃です。

ご専門は小児科でしたね。

奥村尚威院長 永福町駅前みんなのクリニック2

もともと子どもが好きで、子どもに関われる仕事をしたいと思っていました。また医学部をめざし始めた頃から「子どもの手術のエキスパートになれたらな」とずっと考えていたんです。来てくれる患者さんは自分の子どものつもりで、家族のように診ることを大事にしていますね。なので、ときには少し厳しく言うこともあります。それは自分の子どもだったら、あるいは家族だったらという視点から、しっかりとした治療を受けてちゃんと治ってほしいと思うからです。また自分の家族のように診ることは、間違った判断を避けるという意味でも大切だと思っています。

気になる症状を総合的に診ることでわかることがある

どんな患者さんがいらっしゃいますか?

奥村尚威院長 永福町駅前みんなのクリニック3

主訴としては風邪や高血圧、けがなど幅広いです。新型コロナウイルス感染症がはやりだしてからは熱と倦怠感を訴えて来られる方も増えました。漠然とした不調は何科に行けばいいかわからないことも多いので、まずは私が診させていただきましょうという形でいつも対応させていただいています。年齢層も幅広くて、子ども・両親・祖父母の3世代でいらっしゃる方もいますね。まさに「老若男女」という言葉が正しいと思います。

総合診療やプライマリケアのメリットはどんなところでしょう。

総合診療の診療所では、最初にいろいろな病気を想定しながら診断に結びつけていきます。そこから検査などをして、その時出ている症状がどんな病態かを明らかにし、治療に結びつけていく。これが1つの診療所でできる点がメリットだと思います。またほかの国では、最初に診療所を受診して、そこから必要に応じて大きな病院へ振り分けるというプライマリケアが体系化されているところもあります。これはとても合理的だと思います。漠然とした不調で最初から大きな病院に行き、実はなんともなかったという場合でも、例えば待ち時間が長かったり、初診料などでお金の負担が大きかったりということもあります。そのため、最初に診させていただき、大きな病院に行くべきかどうかの判断をすることで、患者さんが合理的に医療を活用できる。これがプライマリケアのメリットだと考えていますね。

どんなことに力を入れていますか?

患者さんの多様な訴えを最善の治療につなげられるよう、確実な診断と適切な判断を心がけています。専門性の高い特殊な検査や治療が必要な際は、連携している医療機関にご紹介することもありますよ。また、患者さんの根本的な体質改善につなげられるようなアドバイスも行っています。例えば貧血など、内科的な症状を薬で治療していて、薬が不要になったとたん症状をぶり返す方はとても多いんです。不足している栄養素があればそれを補うなど、普段から体調の良い状態を維持できる体質をめざしていただきたいと思っています。時間の経過とともに医学の常識は変わっていきますから、常に知識をアップデートしていきたいですね。

患者さんとの接し方についても教えてください。

奥村尚威院長 永福町駅前みんなのクリニック4

大きく2つのことを大切にしています。1つは、患者さんが理解できる言葉で丁寧に情報提供した上で、一緒に治療の道筋を立てていくこと。難しい専門用語を使わずに、治療のリスクを含めてわかりやすく説明することを常に意識しています。症状に合った治療と、患者さんが理想とする治療とが乖離しているようなら、「なぜそうするべきなのか」「なぜだめなのか」といったことを時間をかけてお話する場合もあります。それからもう1つは、すべての方を一人の人として尊重し、対応を変えないこと。お子さんや高齢の方に「~しようね」など、必要以上に子ども扱いした言葉づかいをする場面を時々見かけますが、私は決してしません。どんなに距離が近づいても、患者さんが不快になるようなことは絶対にせず、常に敬意を払って接します。

「まずは行ってみる」も歓迎する、みんなのクリニック

今後、どんなクリニックを作っていきたいですか。

奥村尚威院長 永福町駅前みんなのクリニック5

保険診療を中心に、必要に応じてさまざまな手段を組み合わせることで、医療の隙間に落ちてしまう人を救えるような取り組みができればと思っています。そうしたきめ細かな診療で、今よりもっと多くの患者さんのお役に立てる診療所にしていきたいですね。体調がよくなってからも、患者さんの健康維持に伴走できたらうれしいです。

休日はどんなふうにお過ごしなのでしょう。

車が好きなのでドライブによく行きますね。1977年製の、もう40歳になる車に乗っていまして。古いだけにたいへん手間のかかる車なんですけど、修理しながら乗っています。古い車って毎日調子が違うんですよね。エンジンをかけると「エンジン音がちょっと違うな」とか、「今日は振動が多いな」とか「調子が良さそうだな」とか。患者さんの体を診るような感じですね。毎回コンディションを見ながら「大丈夫かな?」って心配しながら乗っています。それが楽しくもあるんですよね。あとは、料理のおいしい店などを食べ歩くのも好きです。この近くにもイタリアンの良いお店を見つけて、もう何度も行ってます。永福町はおいしいお店がいっぱいあると思うんですよね。患者さんと仲良くなったら、そんな話もできたらいいなと楽しみにしています。

読者へのメッセージをお願いします。

奥村尚威院長 永福町駅前みんなのクリニック6

体調で気になるところがあれば診させていただきたいなと思います。その体調の悪さや気分が思わしくない状態が異常のないものなのか、それともちゃんと治療や検査をしたほうがいいものなのかという判断もしっかりできるよう心がけています。気になることがあったらまずはお越しください。

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