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前田 朗 院長の独自取材記事

まえだ整形外科 博多ひざスポーツクリニック

(福岡市博多区/呉服町駅)

最終更新日:2021/10/12

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福岡市営地下鉄の呉服町駅から徒歩約6分。蔵本交差点からすぐの場所に「まえだ整形外科 博多ひざスポーツクリニック」はある。2017年に前田朗院長が開院した同院には、膝、肩、脊椎、足、骨粗しょう症などの専門性を持つ整形外科の医師が複数在籍し、整形外科疾患全般はもとより、膝やスポーツ外傷・障害に特化した診療を行っている。手術が必要な場合は提携医療機関の「開放型病床」を利用して、前田院長自ら執刀にあたる。そんな、初診、手術、回復まで一貫して担える環境の構築に加え、広いリハビリテーション施設があるのも同院の特徴だ。前田院長の気さくで飾らない人柄が印象的だった今取材では、診療内容だけでなく、開院場所の決め手になったという博多祇園山笠にまつわる話も聞くことができた。

(取材日2020年10月15日)

大学院では靭帯同種移植の基礎研究に励む

ご出身は神戸とのことですが、幼少期から医師をめざすまでのお話からお聞かせいただけますか。

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小さい頃はそこそこ運動も勉強もできて、まさに私のピークはその頃でした(笑)。でも、小学校の頃の文集には将来の夢に医師ではなく科学者と書いていたような記憶がありますね。実は、高校の最初の頃は3つ夢があって、パイロット、建築家、医師だったんです。手に職をつけたいという気持ちが大きかったんですね。医師もその中の一つで、私の中では職人のイメージが強く、医師と言えば外科医という勝手な思い込みがありました。それがどんどん膨らんでいって、最終的に進路を決めたというのが流れです。

そして大阪大学の医学部へ進まれたのですね。

基礎医学だけでなく臨床医学にも定評がある大阪大学へ進み、卒業後は整形外科に入局。4年間の臨床研修を経たのち、大学院で臓器移植学を専攻しました。膝の靭帯再建術では、一般的には自分自身の腱を移植するという手法なのですが、それだと自分の正常組織を犠牲にしなければなりません。そこで、亡くなった方や切断肢の腱をいただいて冷凍保存し、それを移植するという同種移植の研究をしました。しかし、医師をめざし始めた頃の「職人としての外科医でありたい」という思いは大学院の頃も変わらず、メスを握る手が鈍らないよう、研究と並行して手術を含む臨床医療も行っていました。大学院の4年間で自分には研究よりも臨床のほうが向いていると実感できたので、その後は軸足を臨床に戻して病院で膝担当医長として勤務したんです。

では、福岡にはどのような経緯で来られたのですか。

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私の大学の先輩が久留米大学に勤務していたときに縁のあった病院が福岡にあり、そこを手伝ってほしいということで来ました。そこは38病床の整形外科の専門病院でしたので、じっくり腰を据えてやれると思ったのです。そこで19年間、実地医療を行ってまいりました。今のクリニックは2017年に開院したのですが、福岡へ来た当初は独立開業の予定はありませんでした。しかし、将来ビジョンを描いていく中で、最終的には独立するという結論に至りましてね。限られた時間の中、遠方の患者さんも来院しやすいよう博多駅からアクセスの良い場所を探しました。しかし整形外科は広いリハビリ施設が必要で、既存のテナントでは難しかったため、この場所に行きつき、一から医院を建てることになったんです。

地域の人々との縁を深めてくれた「博多祇園山笠」

2階のリハビリ施設も拝見しましたが、かなり広いですね。

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整形外科の治療にはリハビリが不可欠で、広いスペースが必要です。当院は博多駅からのアクセスも良く、各地からやってくる高速バスの蔵本停留所も近くにありますから、遠方からもさまざまな年代の方がおみえになります。クリニックの立地条件は良かったのですが、他に「よし、ここだ」と決めた大きな理由がありました。それが「山笠」なんです。なぜかというと、福岡に赴任して初めて追山を見たんですよ。それはもう、ものすごい熱気で、あまりの格好良さに嫉妬するぐらい(笑)。それを山笠に参加している知人に話したら、「それなら一緒に出よう」という話になり、今ではすっかり「山のぼせ」に。ですので、この場所が追山のコース上であることに気づいた瞬間、すぐに決めました。「これは運命だ、ここで頑張ろう」と(笑)。

その山笠がきっかけとなり、今ではすっかり地域にもなじんでおられるようですね。

われわれの仕事は、やはり地域の方に信頼されてこそだと思うんです。ここで開院して、そのことに改めて気づかされました。仕事への結びつきを意識して山笠に参加している訳ではありませんが、地域の方とのご縁を深められたのは、結果的に山笠のおかげだと思っています。患者さんの層もお子さんからご年配の方まで幅広く、スポーツ整形外科に力を入れていることから若い方も多く来られています。

診療も幅広くされていますが、ご専門の運動器についても詳しくお聞かせください。

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昔は外科や内科というような区別でしたけど、今は循環器科、泌尿器科というように臓器別に診療科を区分しています。そのような臓器の一つである「運動器」を扱う診療科を整形外科と言います。骨、筋肉、関節、靭帯、神経など運動をつかさどるものはすべて運動器ですので、それは手術の有無とは関係なく整形外科診療の対象となります。整形外科の主な症状は「痛み」なんですね。それによって、動きが悪くなるなど、機能障害へとつながっていきますから。まずは痛みを訴えて来られる方が多いですね。私は整形外科全般を診ますが、特に膝を担当することが多いです。それ以外にも肩、足、脊椎に問題がある患者さんもおられますので、それぞれの専門性に長けた先生方に来てもらっています。骨粗しょう症に特化した外来もその一つです。こんなことで受診してもいいのかなと迷うようなちょっとしたことでも構いません、お気軽にご相談ください。

「開放型病床」を使い、一貫した診療を行う環境を構築

手術が必要な場合は、提携する医療機関において、院長自ら執刀されるとお聞きしました。

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ええ、「開放型病床」と言いまして、これは病院のベッドの一部を、連携しているかかりつけ医が使用できるよう開放していることを指します。その病床に私の患者さんに入院していただき、私と病院の医師が共同して手術、治療を行い、退院後はまた当院で治療が受けられる。つまり、初診、手術、回復期まで一貫して診ることが可能なのです。提携先はここから歩いて約3分の場所にあり、週4~5回は通ってますね。最近の傾向として、大きい病院は手術や入院に特化し、外来は一般のクリニックに任せるという流れになってきました。そうなると、患者さんを一貫して診ることができませんが、私としては最初から最後まで関われるシステムをどうしても構築したかったのです。また、当院では大きな病院と同レベルの1.5テスラ超伝導MRIを導入しており、わざわざ別の病院まで検査に行かなくても精密な画像でより正確な診断につながります。

医師として、一人の患者さんを責任持って診たいという強い思いがおありなのですね。

そうです。手術した医師もその後の経過が診られないと、自分がやったことが本当に正しかったのかというフィードバックも得られません。それが開放型病院と連携することで、初診から回復期まで診ることが可能になりました。提携先の病院とは看護師、理学療法士、医療事務員も連携し情報を共有します。退院後は当院でリハビリを開始しますが、そこが非常に重要です。当院は、理学療法士、医師、放射線技師、看護師など総勢30人弱の体制ですが、相互の緊密なコミュニケーションを重視しています。そのため、全員で毎日朝礼をし、スタッフ間の会話をしっかり行います。また、それぞれの仕事をカバーし合うことで、スタッフ間の理解を深めるよう意識してもらっています。

最後に院長が思い描く今後のクリニック像についてお聞かせください。

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同じ病気であっても、患者さんの年齢や性別、ライフスタイルなどで、求めている治療が異なります。それらに対応できる多くの引き出しを持ち、それぞれの生活に寄り添っていけるようなクリニックでありたいと思っています。また、ずっとやらせてもらっているアスリートたちのサポートも、社会貢献のような意味合いで続けていけたらと。そんな偉そうなことを言っていますけど、結局は彼らから夢を見させてもらい、感動させてもらっているんですよね。いずれメスを置かなければならない日が来ると思いますが、自分が進歩しているのが感じられている間は、まだまだ頑張りたいと思っています。

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