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島田 菜穂子 院長の独自取材記事

ピンクリボンブレストケアクリニック表参道

(渋谷区/表参道駅)

最終更新日:2020/04/01

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早期発見により治癒が望めるにもかかわらず、毎年1万人以上の女性が命を落としているという「乳がん」。表参道駅のそばにある「ピンクリボンブレストケアクリニック表参道」の島田菜穂子院長は、日本乳癌学会乳腺専門医としての診療の傍ら、国内のピンクリボン運動を主導。乳がんに関する知識の普及啓発に尽力してきた。2017年8月には、懸念していた被ばく量が減ったとのことから3Dマンモグラフィを導入。「乳がんの検診精度が飛躍的に向上しました。マンモグラフィの弱点を大きく改善できます」と話す島田院長に、治療への想いを聞いた。
(取材日2017年10月26日)

3Dマンモグラフィ導入でより精度の高い診療をめざす

クリニックの特徴を教えてください。

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開院以来、乳腺の診療を専門にしてきましたが、2012年の拡張移転を機に婦人科を開設しました。骨粗しょう症は閉経後の女性ホルモンの減少によって起こりますが、乳がんの治療過程でも、女性ホルモンの分泌を人工的に減少させる薬物を投与することがあり、骨粗しょう症のリスクが高まります。その上、骨粗しょう症や更年期障害に対してホルモン補充療法を採用し、女性ホルモンを投与すると、今度は乳がんのリスクが出る。だから女性の健康を全身的な観点でサポートするには、婦人科と乳腺科の連携が不可欠と考えていました。また、近年アメリカの女優の話題で有名となった“遺伝性乳がん卵巣がん症候群”の方は乳がん、卵巣がんのリスクも高く、通常より若い年齢で発症しますが、婦人科と乳腺科の連携はこうした方への密度の濃い検診にも対応できます。

3Dマンモグラフィを導入されたそうですね。

日本を含めアジア人に多い“高濃度乳房”は、通常のマンモグラフィでは透けて見えにくいのです。乳腺と病変の重なりが少ないように圧迫して撮影しますが、それでも乳腺が発達している高濃度乳房では腫瘍が映らないという弱点がありました。その点、3Dマンモグラフィは多断面で撮影することで重なりが分離し、鮮明な画像を捉えられます。また、隠れた腫瘍や石灰化がより鮮明に映し出されるなど「異常を正しく」診断するだけでなく、乳腺としこりの影の区別が難しく、異常がないのに要精密検査となっていたような高濃度乳房の方を、重なりのない3D画像での観察により「正常を正しく」診断できるようにもなりました。開発当初、多断面の撮影は多量のエックス線を使う欠点がありましたが、近年の開発によって通常のマンモグラフィと変わらない被ばく量で撮影できるようになり、2017年8月に導入しました。

検査を受けた患者さんの反応はいかがですか?

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導入を決めたきっかけの一つが、日本人に多い高濃度乳房への対策。メディアで紹介され、患者さんからのご質問も増えました。高濃度乳房の方が安心して受けられる3Dマンモグラフィ装置の導入は急務でした。導入にあたって工事休診のお知らせをホームページに掲載したのですが、その後検診をご予約いただく患者さんの多くは、3D撮影を希望されました。関心度の高さに改めてびっくりしましたね。当院では患者さんに説明をする際、前年の写真と比較していただくのですが、機械導入前後の画質の違いを実際に目に触れていただき、鮮明な画像を見て安心・満足していただいています。被ばくだけでなく撮影の痛みを軽減できるデザインなど工夫も多く、このように安心して快適に乳がん検診を受けていただけることが定期的な検診につながると信じています。それこそが乳がん早期発見を実現する鍵です。

乳がん検診の啓発活動に尽力

医師になろうと思ったのはいつですか?

中学生の時に父を亡くしたことで医師という仕事が急速に身近なものになりました。父が倒れてから亡くなるまでの4日間、家族がずっと病室で付き添っていたのですが、その間、病院の先生方は昼夜を問わず治療に全力を尽くし、また私たち家族をずっと見守り支えてくださいました。本当に感謝しかなく、その時に初めて「人にありがたいと思われる仕事があるんだ」と思ったんです。具体的に医師免許を取ろうと考えるようになったのはもう少し後ですが、私の医療の道はこの時から始まっていたのかもしれませんね。

放射線科から乳腺科への転向は大きな決断だったのではないですか?

アメリカでは乳腺のチーム医療において最初の重要な役割を担うのは、放射線診断を行う医師です。米国ブレストセンターへの留学時にさらに強く実感し、いつか日本でも実践をと心に誓い帰国しました。日本でも外科を受診した患者さんの乳房の検査や確定診断のための精密検査を行うのは放射線科の仕事でした。それを直接入り口から放射線科の医師が行うことでより早く、的確に診断と治療に絞り込むことができるのです。治療に忙しい外科の医師にとってもこの分業は大変歓迎されました。乳がんの検診や診断治療を多くの方が求めるようになった今こそ、検診・診断・治療・術後サポートと役割分担をしながら、患者さんが快適かつ迅速に診療を受けられるシステムが必要です。その一端を担えるのは何より幸せですし、診療を通じて責任を果たしていきたいと思っています。

乳がん啓発のためのピンクリボン運動を日本で始めようと思ったきっかけは?

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米国留学時、乳がんに対する女性たちの関心と知識の高さに愕然としました。街中の建物や看板、ジュースや日用品のパッケージにもピンクリボン、テレビやラジオではマンモグラフィの有効性を説くCMが流れるなど、誰もが乳がんの情報に簡単にアクセスできる環境が整っていたんです。一方、日本ではすでに乳がんになった方々の意識は高いものの、一般の方の関心は低く、乳がんの正しい知識を伝える啓発活動はほぼ行われていませんでした。そこで、日本の乳がん検診にマンモグラフィが導入された記念すべき年でもある2000年、同志とともに乳房健康研究会というNPO法人を立ち上げ、国内でピンクリボン運動を始動しました。

異常がなくても丁寧な説明で不安解消へ

診療の際に心がけていることはありますか?

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「患者さんは聞きたかったことをすべて聞けたか」を一番気にしています。というのも「別の医院で問題ないと言われたけれど、まだ症状がある」という患者さんは結構多いんです。実際に診察しても異常がないことがほとんどですが、痛みなどの症状が続くのは何か原因があるはず。検査をして「異常がないから大丈夫」で終わらせてしまうと、不安が消えない患者さんは短期間で再度検査を受けることになります。マンモグラフィはエックス線検査ですから頻繁に受けるべきではありませんし、費用もかかります。患者さんにすっきりした気分で帰っていただくためにも、このようなケースでは病気がある・なしという説明だけでなく、受診のきっかけとなった症状がなぜ起きているのかを、ご自身の乳房の検査画像をお見せしながらわかりやすく説明することを心がけています。

今後の展望をお聞かせください。

ピンクリボン運動の推進によって、国内でも乳がんへの関心が高まってきました。2013年から乳がんに関する情報提供・啓発の一環として「ピンクリボンアドバイザー認定試験」を実施し、現在約8000人の合格者が出ています。アドバイザーは初級から上級まであり、それぞれ乳がんや検診、治療などさまざまな知識を習得することが自分の乳房を守ることにもなります。正しい情報を他の方に伝える自信と勇気にもなるでしょう。院内でも正しく新しい情報を提供できるよう勉強会などを行っています。身近な人のアドバイスや励ましが受診につながることも多いので、正しい知識を共有できることは、乳がんから自分だけでなく大切な方を守るための行動につながるはずです。これからもピンクリボン活動や診療を通じて乳がんに優しい社会をつくっていきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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女性、妻、母、娘、そして社会の一員として、たくさんの責任を背負う忙しい女性。健やかに長く美しく輝くために、ほんの少しの時間を自分のための検診や受診の時間へ振り分けることが大切です。早期発見と治療は命を救うだけでなく治療にかかる時間や費用も抑え、病気になっても出産や仕事など夢を諦めずに済みます。美容院やジムのようにセルフメンテナンスのために通う場所の一つに加えていただけたらなと思います。11人に1人が乳がんになる今、ブレストケアのパートナーを見つけておくことが、いざというときにも慌てないための備えになるでしょう。

自由診療費用の目安

自由診療とは

乳がん検診/4000円~、子宮がん検診/1万1000円~

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