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島田 菜穂子 院長の独自取材記事

ピンクリボンブレストケアクリニック表参道

(渋谷区/表参道駅)

最終更新日:2020/12/29

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国内で毎年1万人以上の女性が命を落としているという乳がん。表参道駅近くにある「ピンクリボンブレストケアクリニック表参道」の島田菜穂子院長は、日本乳癌学会乳腺専門医の他、国内でのピンクリボン運動の普及に寄与し、乳がんに関する知識の啓発に尽力してきた。同院でも、より多くの女性が不安やストレスなく検査を受けられるように、乳がん検診や婦人科検診を受けやすい環境づくりに取り組み、移転によりスタッフや検査室を拡充。1人でも多くの女性が速やかに安心して検査に臨めるよう環境を整えた。「健やかに長く美しく輝くためにも、ぜひ少し勇気を出して検査を受け、健康を守ってほしい」と語る島田院長に取材した。
(取材日2020年9月4日)

移転により女性をサポートする診療体制の充実を図る

新医院に移転されたのですね。

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2012年にも拡充移転したのですが、さらに患者さんが増えてきたことから、スペースを広げてスタッフも増やしました。検査などを効率良く進め、滞在時間を短くすることを心がけています。当院の患者さんは、乳がん検診、精密検査を受ける方、乳がん手術後の方が中心です。特に精密検査を受ける方については、もし乳がんだった場合のことを考えるとより早い検査が必要ですし、不安な気持ちで検査を待つ時間を少しでも短くしたいのです。できれば受けたくないであろう検査を少しでも気軽に快適に、そして迅速に受けられるようにと工夫しました。

個室が多数あるのが印象的です。

デリケートな分野の診療ですので、プライバシー保護には充分配慮しています。初診受付後は、カウンセリングルームで看護師がお話を聞きます。医師の前では緊張して言いにくいことなどを話していただき、当日行う検査やコツなどについて詳しく説明します。カウンセリングを行う部屋とは別に、待合室を通らずクリニックの入り口から直接入れる個室も造りました。診断結果の告知の時などご主人と一緒に来られた際はここで対応したり、発熱の疑いがある方の隔離待合室としても使います。

3Dマンモグラフィを導入されているそうですね。

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日本を含めアジア人に多い「高濃度乳房」は、乳腺が発達しているため、通常のマンモグラフィでは腫瘍が映りにくいという弱点がありました。その点3Dマンモグラフィは多断面で撮影することで乳腺としこりの重なりの分離が図れ、鮮明な画像を捉えられます。隠れた腫瘍や石灰化を映し出しやすいため、異常がないのに要精密検査となることを防ぎ、異常と正常を適切に診断するのに役立ちます。しかも通常のマンモグラフィとほとんど変わらない被ばく量で、撮影時の痛みを軽減できるデザインなど工夫も多く、快適に乳がん検診を受けていただけると思います。以前からマンモグラフィを使いながら組織を採取する生検システムを導入しており、ごく早期のがんの確定診断の際に活用しています。

婦人科はどのような役割を担っているのですか。

乳がん検診と子宮がん検診を同時に受けたいという方も多いですし、女性の健康を全身的な観点でサポートするには、婦人科と乳腺科の連携が不可欠と考えています。例えば、乳がんの治療薬により子宮体がんのリスクが高まることがあります。一方、更年期障害に対するホルモン補充療法で、乳がんのリスクが高まることもあるのです。乳腺科と婦人科で情報共有を行いながらの健康サポートはあらゆる面で重要です。また近年注目されている 「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」は乳がん、卵巣がんのリスクが高く、通常より若い年齢で発症しやすいとされます。婦人科と乳腺科の連携でこうしたハイリスクの方へのきめ細かい検診にも対応できると考えています。

乳がん診療に携わる一方で、ピンクリボン運動に尽力

さまざまな病院などとの連携に力を入れていると聞きました。

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さまざまな病院との連携体制により、診療をサポートしてくださる医師が増え、ニーズの多い夜や土曜日の検査数を増やせています。また手術が必要な場合は、患者さんとご相談しながら、病状や希望、地理的な条件にマッチする医療機関をさまざまな連携先の中から選択し、治療を進めています。新型コロナウイルス感染症が流行する中、オンライン診療などを駆使して、術後治療を当院がカバーする連携も行っています。乳腺科を選択する女性医師も徐々に増えていますので、女性医師が出産や子育てでキャリアを中断することのないように、働く環境と場の提供という面でも連携してワークライフバランスを保ちながら女性医師が一層乳腺診療で活躍できる機会を増やしたいと思います。

先生の診療方針について聞かせてください。

「患者さんの疑問や不安は解決できたか」といつも考えています。病気の有無だけではなく、症状がなぜ起きているのかを検査画像をお見せしながらわかりやすく説明し、すっきりした気分で帰っていただくことを心がけています。検査や診察に対して嫌な思いや疑問を残さず、異常がなかった方にはまた検診を続けていただき、異常があった方には前向きに治療に取り組んでいただけるようにと考えています。

乳がん診療やピンクリボン運動に関わることになった経緯は?

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中学生の時父が急逝した際、昼夜を問わず治療に全力を尽くし私たち家族を支えてくださった先生方に感動して「人にありがたいと思われる仕事」と考え医師を志しました。放射線科医師になり、米国留学時にアメリカでは乳腺のチーム医療において最初の重要な役割を担うのは放射線科医師であると知り、日本で実践したいと心に誓ったのです。またアメリカでの乳がんに対する女性の関心と知識の高さに愕然としました。当時日本では一般の方の関心は低く、乳がんの知識を伝える啓発活動も活発ではありませんでした。そこで日本の乳がん検診にマンモグラフィが導入された2000年に、同志と乳房健康研究会というNPO法人を立ち上げ、ピンクリボン運動の普及活動を開始しました。2013年からは乳がんに関する情報提供・啓発の一環としてピンクリボンアドバイザー認定制度もスタートし、今ではピンクリボンアドバイザーは全国で約1万4000人にのぼっています。

自分と向き合い、健康を守ることをニューノーマルに

先生の立場から気になる傾向などはありますか。

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乳がんは40~50代が中心とされてきましたが、最近は高齢の方の発症も増える傾向にあるので注意が必要です。高齢になると「もう乳がんにはならないだろう」と多くの方が検診を受けず、がんが進行していることも少なくありません。年齢が高くなればなるほど治療が体の負担になり、ご家族の負担になります。少女の頃から年を重ねるまで、女性は生涯にわたり自分を慈しみ乳房に気を配ること、いわゆる「ブレストアウェアネス」が大切だということを知っていただきたいですね。

今後の展望について聞かせてください。

乳がんに対する認識が広まり、乳がん検診や診断、治療を多くの方が求めるようになった今こそ、医療施設が検診・診断・治療・術後サポートと役割分担をしながら、患者さんが快適かつ迅速に診療を受けられるシステムが必要です。その一端を担えるのは何より幸せですし、診療を通じて責任を果たしていきたいと思っています。ピンクリボンアドバイザーもさらに増やし、学校のがん教育に積極的に取り組みたい。ピンクリボン運動や診療を通じて乳がん患者に優しい社会をつくっていきたいですね。コロナ禍で、自分の体や健康について改めて考える方が多かったのか、当院では6月ぐらいから受診が増えました。新型コロナウイルス感染症終息後の世界では、自分の健康と向き合い、積極的に検査を受けることもニューノーマルになってほしいと願っています。

読者へのメッセージをお願いします。

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どんなに技術が進んでも、検査を受けなければ早期発見・治療にはつながりません。「自分には乳房がある」ことを認識して自分を大切にしようという意識を持ち行動してほしいですね。あとはそれを続けてください。データが積み重なることで、より検査の精度も上がりますし、ご自身の財産になります。できれば同じ医療機関で、それが難しい場合はデータを取得して比較してください。女性、妻、母、娘、そして社会の一員として、多くの責任を背負う忙しい女性が、健やかに長く美しく輝くために、ほんの少しの時間を自分のために振り分けることが大切です。早期発見と治療は、命を救うだけでなく治療にかかる時間や費用を抑えることが望め、病気になっても夢を諦めずに済むことにもつながるでしょう。ぜひ少し勇気を出して検査を受け、ご自身の健康を守ってください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

乳がん検診/4000円~、子宮がん検診/1万1000円~

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