セラミック治療と定期メンテナンスで
「むし歯の再発」に歯止めを
なさ歯科医院
(神戸市東灘区/住吉駅)
最終更新日:2024/11/26


- 自由診療
むし歯のなりにくさ、見ための美しさ、ケアのしやすさを考慮し、むし歯治療の修復に従来の金属ではなくセラミックの歯の詰め物やかぶせ物を選ぶ人が増えている。さまざまなメリットが期待できるセラミック修復治療だが、それでも適切なケアを怠ると、むし歯の再発(二次むし歯)のトラブルに見舞われる。歯の予防に注力する「なさ歯科医院」にも、そうした相談に訪れる人が少なくないという。「一度治療した歯は再びむし歯になりやすいので、予防ケアやメンテナンスでむし歯や歯周病がない状態をなるべく長く維持する必要があります」と話す奈佐浩史院長。治療に使用するセラミックは決して安くはないため、治療後の歯はぜひとも長持ちさせたいが、むし歯を再発させないようにするにはどうすればいいのか、セラミックの特徴も含めて解説してもらった。
(取材日2023年6月21日/情報更新日11月20日)
目次
むし歯の再発リスクが低いセラミック。さらに予防を徹底するため、定期メンテナンスによる口腔環境づくりを
- Qセラミックはどのような治療に使いますか? またその特徴は?
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A
▲患者の歯にピッタリと合う修復物の作製に努める
セラミックは歯科の修復材の一つで、むし歯治療の詰め物やかぶせ物に用いられます。歯の修復物には、ほかにも金属製やプラスチック(レジン)製のものがありますが、陶器の材料を使用して作られたセラミックには、天然歯のような艶と透明感があり、見た目にも美しく、金属アレルギーの心配がないのも特徴です。また、表面が滑らかで汚れがつきにくい上に、熱による伸び縮みが少なく、その度合いは天然歯に近いといわれています。そのため金属に比べ、セラミックの修復物は土台の歯との間に隙間が生じにくく、二次むし歯のリスクも少なくなります。
- Q二次むし歯とは何か、原因についても併せて教えてください。
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A
▲セラミック治療後も定期的なメンテナンスや毎日のケアが大切
二次むし歯とは、一度治療した歯の詰め物やかぶせ物の隙間や歯の間にむし歯菌が入ることで、再びむし歯になることをいい、二次カリエス、二次う蝕といった呼び方もあります。先述したように、熱による伸び縮みが少なく、歯との接着性が高いセラミックは、隙間からむし歯菌が入り込むリスクは少ないのですが、歯に強い力がかかってセラミックにひびが入ったりしたとき、そこからむし歯菌が侵入し、二次むし歯を引き起こすことがあります。このほか、セラミックの端が欠けて土台の歯との境目に段差ができ、段差にたまったプラークが再発を誘引するケースもまれにあります。
- Q二次むし歯を防ぐには、どんなことをしたらよいでしょう。
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A
▲メンテナンスではクリーニングによる予防と虫歯の早期発見を行う
むし歯になりにくいといわれているセラミックでも、歯磨きなど基本的なケアが不十分だと再発する可能性が高くなります。日々のホームケアでは、汚れがたまりやすい歯とかぶせ物の境目をしっかりと磨くことを心がけ、それと併せて、歯科医院でプロによる定期的なメンテナンスを受けましょう。定期メンテナンスは、自覚症状が出る前にむし歯を早期発見するだけでなく、プロのクリーニングとブラッシング指導によってむし歯が発症しにくい口腔環境をめざします。また、むし歯菌は口腔内が酸性の状態だと活動が活発になるため、口腔内が酸性に傾きやすい間食やだらだら食いの習慣を見直すのも、二次むし歯を防ぐための一つの方法です。
- Q再治療の場合、詰め物やかぶせ物も新たに作り直すのですか?
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A
▲治療の際はメリットとデメリットを説明した上で、提案を行う
むし歯の状況によって治療は違ってくるのですが、比較的軽度な場合であれば、セラミックの詰め物やかぶせ物を外さず修復することも可能です。むし歯が広範囲に及んでいる場合は、高い治療費をかけて作った修復物であっても、外して治療を行い、再度作り直さなければいけません。ですが、保険内でできるプラスチック(レジン)を使って治療できそうな場合は、無理にセラミックの作り直しをご提案することはありません。新たに作り直す場合も、素材の種類や、それぞれのメリットとデメリットをご説明して選んでいただくようにしています。
- Qセラミックによる修復治療後のアフターケアについて伺います。
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A
▲正しいホームケアの方法をレクチャーしている
ポイントは、日々の正しいホームケアと、歯科医院での定期的なメンテナンスです。当院でも治療を受けた患者さんには3~6ヵ月ごとのメンテナンスをお勧めしており、歯石や磨き残しの確認と、PMTCと呼ばれる歯科衛生士によるプロフェッショナルなクリーニングを実施。歯垢や歯石、歯にこびりついたバイオフィルムを除去します。併せて、歯ブラシやデンタルフロスの使い方をレクチャーするなど、その患者さんに合わせたホームケアの実践に向けたアプローチにも力を入れています。また、歯ぎしりやかみ合わせによるダメージから歯を守り、セラミックが割れたりするのを防ぐため、必要に応じて就寝時に装着するマウスピースも推奨しています。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックのかぶせ物/11万円~13万2000円、セラミックの詰め物/5万5000円~6万6000円