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梁 尚弘 院長の独自取材記事

りょうキッズクリニック

(所沢市/所沢駅)

最終更新日:2019/08/28

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西武新宿線・池袋線が互いに乗り入れている埼玉県の所沢駅から徒歩3分。真新しいクリニックモール2階で、2017年8月に開院したばかりの「りょうキッズクリニック」。医師でなければ海洋生物学者になりたかったという梁尚弘(りょう・なおひろ)院長こだわりの内装は、熱帯魚が泳ぐ大きな水槽をメインに、アジアンリゾートを思わせるリラックス空間となっている。白血病、小児がんという専門分野の医療技術とともに、梁院長が大切にしているのは保護者の安心。子どもの回復だけでなく、父母が安心することで治療が完結するという。ざっくばらんな口調で治療や患者との交流を語る梁院長の話は、しばしば小児科医療の垣根を越え、新しい信頼関係の世界を垣間見せる。
(取材日2017年9月4日)

少しでも心休まるよう、こだわりぬいた院内

医師を志した理由と、所沢で開院するまでの経緯をお聞かせください。

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私の父や周りにも医師が多かったこともあり、医師というものが幼い頃から身近な存在でした。一方で、沼津の漁港育ちのせいか魚が好きで、海洋生物の生態学者になりたいとも考えていましたね。とても悩んだ末、医師を志すことに決めました。順天堂大学の医学部を卒業した後、日本大学の小児科に入局しました。それから市民病院や大学病院で勤務し、2010年から所沢の病院で小児科医長として勤務しました。同じ所沢で当クリニックを開院したのが、今年8月。住まいもこの近くです。所沢を選んだのは居心地が良いからです。

クリニックの内装を拝見すると、先生の海へのこだわりが伝わってきます。

待合室の大きな水槽で、熱帯魚を泳がせています。海水魚にするか淡水魚にするか迷ったのですが、海の魚にしました。水槽の中の環境が整うまで、まだ1年くらいかかります。魚は一気に増やせないので、1ヵ月ごとに徐々に増やしていきます。マスコットキャラクターはフグのイラストです。天井に届きそうなヤシの木もあちこちにあります。子どもさんを連れてくるお父さま、お母さまは、程度の差こそあれ、心が疲れていることが多いと思います。ですから少しでも気持ちが落ち着くような内装にしています。イメージでいえば南国のホテルのレセプションという感じですね。

子どもさんも喜ぶでしょうね。どんな患者さんがいらっしゃいますか?

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まだ開院して間もないですが、今は近くにお住まいの方や以前勤めていた病院からの患者さんが中心です。今後、些細な悩みでも「りょう先生のところへ相談にいこう」と思ってもらえるようになるとうれしいですね。昔から診ている患者さんの中には、子どもの進路のことで悩んでいるから子どもの話を聞いてやってほしいという相談をされる方もいらっしゃいましたね(笑)。それだけ私のことを信頼してくださっていたのでしょうか。このクリニックでも、私のことを頼ってくれて、長く付き合っていけるよう一人ひとりの患者さんと向き合っていきたいです。

子どもの後ろにいる保護者も患者という視点

得意とされている治療、診療にあたって心がけておられることは何でしょうか。

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これまで、小児科全般の診察を行ってきましたが、特に「白血病」、「小児がん」が専門分野です。診察する上で大切にしているのは、些細なことでも丁寧に説明し、お父さま、お母さまの不安を取り除いてあげることです。それは私自身の子育て経験からより一層意識するようになっていることです。私の子どもは早産だったのですが、病院には頻繁にお世話になっていました。子どもの体調に変化があるたび、不安な気持ちを抱えていました。そのような思いを体験したときに、子を持つお父さま、お母さまの気持ちを身にしみて実感したのです。それ以来、診察に来る子どもさんだけでなく、お父さまやお母さまの気持ちにも寄り添う診察を心がけるようになりました。子どもさんの回復のめどが立った上で、保護者の方に安心していただく。それで初めて治療は完結します。

そのためには、何が大切ですか?

保護者の方が何でも話せる、何でも聞けるという雰囲気づくりが大切だと思っています。地域に密着した町の開業医の役割というのは、日常の小さなことでも頼ってきてもらうことです。保護者の方に「何かあったら電話ください」と私の電話番号を教えることもあります。私の父がそうだったのです。実家にいた中学生、高校生の頃、家に帰ったら、知らない子が私のベッドで寝ていたこともありますし、私が遊びに行きたいのに、父が忙しくてそれができないときは、父の患者さんが遊びに連れて行ってくれたということもありました。医師と患者とのそういう関係への憧れが私のベースにあるのです。

特に印象に残る患者さんとの出会いについて聞かせてください。

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10年くらい前、白血病の子が大学病院に入院しており、お母さんが、余命いくばくもないその子と弟をどうしても会わせたいと私にお願いしてきたことがありました。ですが、小児科の病棟は健康な子を入れられません。感染症を持ってきてしまう可能性があるためです。それで「ごめんなさい、必ず帰れるようになるから」と言って断ったのですが、その翌日、亡くなってしまったのです。そのときに、希望を完全にかなえられないにしても、少しでも希望をかなえられる方法をお母さんと一緒に考えることができなかったのかと、とても悔しい思いをしたことを今でも覚えています。それ以来、患者さんの希望はなるべくかなえてあげたいと思うようになりました。例えば遠足に行きたいとか、旅行に行きたいとかいう希望は結構あるのです。そういうとき、なるべく希望をかなえてあげようという姿勢を大事にしています。

垣根をなくし、気軽に足を運べる町のクリニックに

スタッフの方との関係で、意識されていることはありますか?

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スタッフは今、看護師さんが2人で、受付が3人。普段、私を含めて4~5人で対応していますが、私は担がれているだけで仕切るのはスタッフです。最終の判断は私がしますが、あとはスタッフ任せです。以前の勤務先で一緒だったスタッフが2人、開業のときについてきてくれたのです。私の性格もやり方も全部わかっていますから安心です。

お仕事を離れたときに、やってみたいことはありますか?

無人島へ行きたいです。建物一戸と後はビーチしかないところで、一日中横たわっていたいです。何もしないぜいたくですね。海外の無人島は結構行くんですよ。向こうへ着いたら何もしない。それで夫婦げんかになります(笑)。奥さんは「そんなの楽しくない」と。でも正直言って、今は休むより仕事をしたいです。もちろん当院も休業日はありますが、それはスタッフのためという感じですね。自分としては、休んでも何もすることがないのです。365日仕事をしていたいというのが本音です。

読者へ、メッセージをお願いします。

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自力で正しい情報を得る、不安を取り除くというのはなかなか大変です。それより気軽にクリニックを訪ね、相談してください。私も具合の悪いときに、専門外の分野をインターネットで調べたことがあります。すると明らかに根拠のない情報が、当たり前のように堂々と書かれていました。前の勤務先でも、ネット情報に惑わされて不安を拡大させてしまうお父さま、お母さまが多かったですね。不安を抱えている方に医学的な根拠に基づいて説明し、安心していただくのが私たち町のかかりつけ医の仕事です。「こんなことでお医者さまに診てもらっていいのかしら」なんて迷ったりせずどうぞ気軽に受診してください。私は「お医者さま」ではなく、「町医者」ですから。遠慮しないで来てくださいね。

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