弘松 美紀 院長の独自取材記事
入谷ひろまつ矯正歯科クリニック
(台東区/入谷駅)
最終更新日:2021/10/12
「入谷ひろまつ矯正歯科クリニック」は2017年7月に開業した矯正歯科クリニック。「ひろまつ」の頭文字であるHと「みき」のみを掛け合わせ、松のイラストを組み合わせたユニークなロゴマークが目印だ。「私はもともと子どもと触れ合うのが好きなんです」と語るだけあって、院長の弘松美紀先生のモットーは子どもたちの成長を予測した治療を行うこと。その笑顔には働く母親としての横顔も垣間見え、女性患者からの支持も厚い。成人の矯正においても追加治療が発生しないよう、患者の口腔内の将来を予測しながら治療にあたっている。開業から1ヵ月が過ぎて入谷という地域になじんだタイミングで、弘松院長の診療方針や矯正治療のスタンス、さらに今後取り組みたいことについて話を聞いた。
(取材日2017年8月21日)
歯並びが整った後の「うれしい」を引き出す矯正治療
クリニックを開業した経緯をお聞かせください。
もともといつか自分の歯科医院で診療したいと考えていて、開業しようと決めたのは子どもの保育園が決まった頃です。子どもは、体はもちろん感情の成長も非常に早いものです。小学校に入学してから「突然ママが忙しくなった」と感じさせるのは私もつらいので、「ママは仕事に行くもの」という状況にしたいと思いました。仕事をしながらの育児は忙しいですが、仕事のストレスがあっても子どもと過ごせば解消するし、反対に育児のストレスは仕事で解消できます。私の場合、仕事をすることでバランスを保っているようです(笑)。ちなみに入谷に住んだ経験はなかったのですが、偶然ご縁があってこの地を選びました。自分が治療を受けたい、子どもに受けさせたい、と思った方々が内覧会にいらしたり、通りがかりに見たとおっしゃって来院されたりしています。
そもそも歯科医師になろうと思ったきっかけは?
私の家族は医療系の仕事に就く人が多く、母が歯科医院を開業しております。ただ私自身、昔は歯科医院があまり好きではありませんでした。痛いイメージもありますし、キーンという音も、歯科医院の匂いも好きになれなかったですね。英語を使って海外で活躍する仕事を考えたこともあったんですよ。それでも、子どもは親の背中を見ていて、親の仕事が何であれ興味を持つものです。周囲の勧めもあって、将来のビジョンを軌道修正するうちに、歯並びを処置する矯正歯科に興味を持つようになりました。歯並びが整うと皆さん喜ばれるので、そのお手伝いをしたいと思っています。
ダルメシアン柄の診療台がかわいらしいですね。内装でこだわった点はありますか?
あのユニットは、見た瞬間ビビっときて決めました。柄もかわいいのですが、フラットな形状にも惹かれたんです。治療を受ける人の心理として、椅子に座ってから背もたれが倒れていく時間というのは、まさに恐怖の序章。ジェットコースターが頂点まで登って、その先は見えず落ちるしかない状況に似ています。でも、最初から自分の意思で平らな診療台に乗って横たわるなら、少しは違う感覚になると思うんです。寝転がると天井の近くにあるテレビ画面が目に入るなど、できるだけ緊張しなくて済むように配慮しています。
追加治療を発生させない矯正をめざす
小児の矯正について注意していることはありますか?
その子どもの成長を予測することですね。矯正は治療のテクニックや材料によるところもありますが、一番大切なのは診断です。もちろんテクニックも必要ですが、それよりも「患者さんの骨格や成長を予測する能力を存分に発揮したい」、すべての矯正歯科医師がそう考えていると思います。お子さんの矯正においては、その子どもの成長を予測する、骨格パターンに合った装置を選ぶ、永久歯列期にたくさんの追加治療が必要にならないようにする、といったことを大切にしています。
こちらでは成人矯正も行っているのですね。
矯正は子どもだけというイメージを持つ人も多いですが、成人から始めることもあります。実際に来院する方も、半数は成人の方です。年齢を重ねると、誰でも口の中に加齢変化が出てくるものです。親知らずが生えたり、噛み合わせの力の分散の不具合、歯周組織の不具合や、気づかないうちに身についた変な癖など、さまざまな問題が起こり得ます。若い頃は歯並びが美しかったという人も、これらの問題を放置すれば歯並びがずれても不思議ではありません。子どもの頃に矯正治療をしても歯並びが変わってしまうことがあり、誰でも若い頃の状態を保ち続けることは困難です。そのため、私はその場限りの診断・治療ではなく、その人の歯の状態のピークと、その先までを予測して治療にあたるよう心がけています。歯並びについて悩みがあれば、いつでも気軽に相談に来てほしいですね。
診断・治療内容を説明する時、心がけていることはありますか?
歯科用CTで3D画像を撮り、画像を患者さんにお見せしながら「ここがこうなっていて、ここを動かすとこうなります」と具体的に説明しています。画像を1つ見るだけで、100の情報を聞いたくらいの効果があるんですよ。まさに百聞は一見にしかず、です。一目瞭然の情報をご自身の目で見ることで、歯磨きへのモチベーションも高めてほしいと思います。なお、当院では通常の検査だけでなく、歯科の検診コースとして歯周組織の問題も調べてから治療を行っています。全身の人間ドックは年1回受ける人が多いのに、皆さん、歯の問題は後回しにしがちですよね。でも、口の中って、大部分のことは予防できるんです。変な癖があるなら減らす努力をすればいいし、虫歯も歯周病もならないように注意すればいい。ただ、それがなかなか難しいからこそ、詳しい情報を患者さんに提示してお話しするよう心がけています。
患者の歯の将来まで見据えた個別サポートが信条
矯正治療終了後の定期的なメンテナンスはどう進めるのですか?
通常は矯正装置を外して3ヵ月までは毎月、問題がなければ3ヵ月ごとの受診として、その後も徐々に期間を空けていきます。ただ、誰でもモチベーションをキープし続けるのは難しいものです。自宅での歯磨きに関しては、私たちはサポートすることしかできません。ですからやる気が下がる手前のタイミングで、例えば3ヵ月後の受診予定を2ヵ月後に前倒しするなど、状況に応じて調整しながらサポートしています。どん底まで落ちたモチベーションを引き上げるのは大変なので、下がり切る手前で来てもらいます。糖尿病になってから食生活に気をつけるのは大変なので、発病前から生活習慣を管理し、予防するのと同じ考え方ですね。
口の中の健康を保つために、自宅でのケアをうまく進める方法はありますか?
ホームケアは人気があります。興味がある、試してみたいという方にご紹介しています。当院でよく扱うのはお水を塩で電気分解したタンパク分解型除菌水です。うがいが上手にできないお子さんや口臭が気になる方、妊婦さん、授乳中のお母さん方にも使っていただけます。他にも、特に誤飲や誤嚥の心配がある方に、天然成分100%で合成成分完全フリーの口腔ケア用製品もご紹介しています。患者さんによってお勧めの歯ブラシが異なりますので、手に取って体験していただき、興味を持ったものがあればご自宅でのケア方法をサポートさせていただきます。1日1回でも2回でも口内環境を整える習慣を身につけ、日々のケアを大事にしていただきたいです。
今後取り組みたいことや、読者へのメッセージを教えてください。
口腔内の健康管理手帳のようなファイルを作りたいですね。文字の情報だけではなく写真やデータもつけた、その人だけの手帳です。子どもが成長してそれを見たとき、「こんなに成長したんだ」「こんなに良くなったんだ」と感じるでしょうし、写真を見れば口の中について興味を持たずにはいられません。いつか自分が親になった時、子どもにも手帳を作ってあげたいと思うようにもなるでしょう。こうした取り組みが間接的に未来につながっていくことも、私たちの大切な役割です。大変ではありますが、できるだけ早く実現させたいです。また歯が他人に与える印象は大きいと思います。矯正はもちろん、一人ひとりに合わせた歯のホワイトニングや、クリーニング等も行っておりますので、患者さんが口の中のことを気にかけるきっかけにしてほしいなと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とは・小児矯正/永久歯列期:45万~75万円、MFT検査料:3500円
・成人矯正/マルチブラケット装置:75万円
・マウスピース型装置を用いた矯正/85万円
・PMTC/30分3000円、ホワイトニング/上下1万8000円
※症例によって異なる場合がございますので、詳細はクリニックにお問い合わせください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。