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保険適用になった「体外受精」
そのメリットと治療の受け方

東京衛生アドベンチスト病院附属めぐみクリニック

(杉並区/荻窪駅)

最終更新日:2023/03/09

東京衛生アドベンチスト病院附属めぐみクリニック 保険適用になった「体外受精」 そのメリットと治療の受け方 東京衛生アドベンチスト病院附属めぐみクリニック 保険適用になった「体外受精」 そのメリットと治療の受け方
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不妊治療にはタイミング法や人工授精などの一般不妊治療と、そこからさらにステップアップした体外受精や顕微授精などの高度生殖補助医療がある。これまでも高額療養費制度の助成金はあったが、2022年4月から体外受精が保険適用となり費用負担が大きく軽減されたことで、若い世代でも治療を受ける人が増えているという。そもそも体外受精とはどういう治療なのか、そして保険適用になったことで何が変わったのだろうか。産科に力を入れる「東京衛生アドベンチスト病院」を母体とする不妊治療専門の「東京衛生アドベンチスト病院附属めぐみクリニック」で、多くの患者をサポートしてきた吉井紀子院長は「体外受精の保険適用は、生殖補助医療の分野に激震をもたらしました」と話す。体外受精について、吉井院長に詳しく聞いた。

(取材日2022年12月28日)

不妊治療の保険適用に伴い保険の適用対象となった体外受精。そのメリットと治療の受け方を解説

Q体外受精とはどのような治療なのですか?
A
東京衛生アドベンチスト病院附属めぐみクリニック 優しい笑顔で語る吉井紀子院長

▲優しい笑顔で語る吉井紀子院長

自然妊娠であれば体内で行われる卵子と精子の受精、受精後に卵が育っていく状態をすべて体外で行うのが体外受精です。そのためには、普段は外へ出ることのない卵子を体外へ取り出さなければいけません。それが採卵です。採卵した卵子と精子の受精からサポートしていきますから、これまではブラックボックスのように見えなかったすべての過程が順調かどうかを確認することができます。一段階ずつ確認しながら進めて着床前の姿にまで育った胚のみを子宮に移植しますから、妊娠率が高くなることが期待できます。卵管は機能しているのか、受精はしているのかなど、わかりようがなかった不妊の原因にアプローチできることが体外受精の大きな特徴です。

Qどのような人が治療適用になりますか?
A
東京衛生アドベンチスト病院附属めぐみクリニック 木目調で落ち着いた雰囲気の診察室

▲木目調で落ち着いた雰囲気の診察室

体外受精は妊娠に至るまでの期間短縮が期待できる治療ですが、加齢による不妊の要素が強い場合は効果が得にくいので、ほかの治療同様、早めの治療開始が勧められます。体外受精の保険適用は、胚移植の回数が女性が40歳未満の場合は子ども1人につき最大6回、40歳から42歳までは最大3回と定められていますから、期待値と相関しているといえるでしょう。不妊症とは妊娠を望んでいるが一定期間妊娠しないことをいいますが、最近は結婚してすぐに治療を始める方もいます。治療を受ける絶対的な基準はなくなってきているため、早めの治療開始だけでなく、必要がある場合には戸惑わずに体外受精へとステップアップされることを提案しています。

Q保険適用になったことで患者さんの考え方に変化はありますか?
A
東京衛生アドベンチスト病院附属めぐみクリニック 採卵室では患者がリラックスできるよう優しく声がけを行う

▲採卵室では患者がリラックスできるよう優しく声がけを行う

不妊治療が一般的になり、昔のように隠れて通うという感覚ではなく、ほかの病気と同じように受診するものになってきたと思います。また今までは費用面の問題もあって体外受精に対し抵抗のある方が多かったですが、保険適用が後押しとなり早い段階で体外受精を希望する方も増えてきました。当院では、体外受精前のステップとして卵管に問題がある場合はFT(卵管鏡下卵管形成術)を提案するケースもありますが、体外受精に対してもクオリティー重視で取り組んでいます。新しい情報や技術は吟味して取り入れ、医師と培養士で海外の論文を読み、スタッフ全員での勉強会を定期的に行うなど、先進的な医療も積極的に導入しています。

Q体外受精の治療の流れを教えてください。
A
東京衛生アドベンチスト病院附属めぐみクリニック 胚の様子を24時間観察できる培養システムを導入

▲胚の様子を24時間観察できる培養システムを導入

当院の場合、月に1回「体外受精学級」というセミナーを開き、体外受精を希望される方や検討中の方に参加していただいています。ここでは、医師、培養士、看護師から体外受精とはどのような治療なのか、何が大事なのか、通院の頻度や所要時間、費用などについて2時間以上かけてお話しします。実際に体外受精を始めようと決めた方には、カップルで来院していただいて個別の診療方針と治療の詳細を伝えます。保険の手続き上、必ず1回はお2人そろって対面による治療方針への同意が必要です。その後、術前検査を経て、生理周期に合わせて3~4回来院していただき、採卵、受精卵の培養、凍結後、胚移植へと進みます。

Qこちらで行っている体外受精の特徴を教えてください。
A
東京衛生アドベンチスト病院附属めぐみクリニック 左から、院長の吉井先生と眞鍋静恵先生

▲左から、院長の吉井先生と眞鍋静恵先生

当院の場合、受精卵を培養していく過程において元気に育った胚を一度凍結することがほとんどです。胚が育つ様子をタイムラプスというカメラが搭載された培養器で動画に撮り、採卵から約1週間後にその様子をお見せしながら結果をご説明します。タイムラプスは先進医療のため自費になりますが、胚の発育過程に関する情報量が多く、とても有用なものなのでご提案しています。当院は開院当初の2017年から導入していますが、最近は導入する医療機関が増えているようです。また当院は比較的規模の小さいクリニックですので、医師、培養士、受付、看護師それぞれが一人ひとりの患者さんを把握し、その方に合った丁寧な治療や対応を心がけています。

ドクターからのメッセージ

吉井 紀子院長

体外受精が保険適用になったけれど、保険ではできないことが多いからと自費治療を勧められるケースが意外に多いと聞きます。当院では、保険適用の治療を優先しています。自費治療でなければ治療の質が低下したり、妊娠率が著しく下がったりするということはないので、まずは保険適用の不妊治療を受けることをお勧めします。不妊治療は取り組む時の年齢が重要です。20代や30代前半で治療を始める方も増えていますから、迷った場合はまず受診されてみること。そして、高度な治療に対して過剰な不安を抱かず、治療のステップアップをすれば、良い結果を得られる可能性が高くなると思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養 /3万3000円

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