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松永 雅道 院長の独自取材記事

みやび内科・眼科クリニック

(北九州市八幡東区/スペースワールド駅)

最終更新日:2026/07/14

松永雅道院長 みやび内科・眼科クリニック main

北九州市ののどかな住宅地にたたずむ「みやび内科・眼科クリニック」。こだわりの装飾品が飾られた院内は趣深く、穏やかな空気が流れている。院長の松永雅道先生は久留米大学卒業後、脳神経外科や眼科で研鑽を積み、四半世紀ほど前に在宅医療の世界へ。2014年の開院以来、内科・眼科・精神科の幅広い初期診療に対応し、2025年10月には個人宅への訪問診療の充実を図るため現在地へ移転した。訪問先では眼科機器から耳鏡まで携え、患者の求めに分野を問わず応える。その診療姿勢の根底にあるのは、大学時代に学んだイギリスの医療制度への強い共感だ。「困ったときの御用聞きでありたい」と気さくに笑う松永院長に、地域の在宅医療に懸ける思いを聞いた。

(取材日2026年5月11日)

より訪問診療の充実を図るために中尾2丁目へ移転

こちらの地域で診療されている背景をお聞かせください。

松永雅道院長 みやび内科・眼科クリニック1

2014年に開院し、八幡にある商業施設内で診療していましたが、2025年10月に現在の中尾2丁目へ移転しました。個人宅への訪問診療をさらに充実させ、対応範囲を広げたいという思いからです。この辺りは近隣に診療所が少なく、少し行けば山の上に高齢者世帯が点在している地域でもあります。訪問診療には半径16km圏内というルールがあり、ここならさまざまな訪問先に無理なく伺えることが移転の決め手でした。在宅診療を始めて約25年になりますが、個人のお宅を一軒一軒回る診療所はまだ少ないのが実情です。この地域で自分にできることがあると感じています。

先生がめざす医師像について教えてください。

大学の基礎課程でイギリスの医療制度について学んだことが、私の医師としての原点です。イギリスでは地域のかかりつけ医に登録すると、その医師が分野を問わず何でも診て、手に負えない場合だけ専門家へ紹介するという仕組みがあります。それを授業で知って以来、ずっと自分の頭の中にありました。久留米大学を卒業後、脳神経外科で1年間学び、その後は眼科へ進みました。内科の経験も重ね、以前の勤務先では整形外科や耳鼻咽喉科の先生から耳を診る方法やエックス線検査の読影方法なども教わっています。一つの分野を専門とするのではなく、何でもできるようになりたい一心でさまざまな領域を学んできました。「幅広く対応する」のは、私の医師としての一番の持ち味だと思っています。

在宅医療に本格的に進まれたのはどのような経緯からでしょうか。

松永雅道院長 みやび内科・眼科クリニック2

介護保険制度が始まる頃、高齢者を守るためには介護の仕組みを十分に理解する必要があると考え、2000年に介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得しました。資格試験が始まって2年目の取得です。この知識は訪問診療の現場でも大いに役立っていて、患者さんやご家族に「こういう制度も使えますよ」と具体的な選択肢を示すことにもつながります。その頃から在宅診療の道に本格的に進もうという気持ちが固まりました。北九州市を選んだのは、指定都市の中でも高齢化率の高い地域だったからです。この地域でこそ自分の力を発揮できるのではないかと。以前の勤務先でも在宅医療の経験を積んできましたが、自分がめざす医療を形にしようと開業を決意しました。

患者の求めに幅広く応える診療を基本方針に

訪問診療の現場について、具体的にお聞かせください。

松永雅道院長 みやび内科・眼科クリニック3

火曜と木曜に看護師とともに訪問診療に出ています。個人のお宅はもちろん、有料老人ホームや特別養護老人ホームにも伺っています。「患者さんの求めにできるだけ対応する」のが私の基本方針です。そのため眼科の機器のほか、耳鏡や爪切りなども持って訪問します。眼科の訪問診療を行う医師は少ないのが現状で、施設に入ると眼科通院が途絶え、緑内障などが放置されてしまうケースも少なくありません。訪問診療が必要な方は動くこと自体が難しいわけですから、「専門外なので他を受診してください」とは言いたくないんですよね。やれることはやりたい、それが私の訪問診療に懸ける思いです。

訪問先での患者さんやご家族への接し方で、心がけていることはありますか。

月に1回や2回の訪問だけでは、患者さんの日々の状態を完全には把握しきれません。ですから、訪問看護師さんやホームヘルパーさん、ご同居のご家族からの情報提供が、診療を進める上でとても重要です。特にご高齢で認知症を患われている方は、ご本人から状況を正確にお伝えいただけないこともありますので、周囲の方々からの情報が治療方針を考える大きな手がかりです。説明の際には専門用語をできるだけ使わず、ご本人やご家族がすぐに理解できるようかみ砕いてお話しするようにしています。また、がんの末期など状態の変化が大きい方には訪問の頻度を増やして対応しますし、訪問診療のない日であっても施設からの連絡には昼夜を問わず備えています。

外来ではどのような診療に対応されていますか。

松永雅道院長 みやび内科・眼科クリニック4

内科では糖尿病や高血圧をはじめ、呼吸器やアレルギー、消化器、甲状腺の不調といった幅広い初期診療に対応しています。エックス線検査や心電図検査も院内で行えます。眼科では結膜炎やドライアイ、白内障などの一般的な症状の診療や眼鏡処方に対応しているほか、精神科も標榜していますので軽度のうつや不眠のご相談もお受けしています。ワクチン接種はインフルエンザをはじめ、B型肝炎や帯状疱疹、お子さん向けの各種ワクチンなど基本的にすべてに対応可能です。企業向けや高齢者向けの健康診断も行っていますので、お子さんからご高齢の方まで全年代の皆さんに受診いただけます。内科と眼科の両方を一つの窓口で相談できるのは、当院の特徴だと思います。

地域の人々の相談窓口やよりどころをめざして

お忙しい日々の中で、先生の原動力となっているものは何ですか。

松永雅道院長 みやび内科・眼科クリニック5

一番の原動力は、訪問診療が好きだということでしょうね。開業すると外来でずっと院内にいることが普通になりますが、週に2回外に出て患者さんのもとへ伺うのは気持ちのリフレッシュにもなるんです。中には私が行くと手を離さない方もいらして、そういう患者さんに出会うと温かい気持ちになります。私が訪問診療に出る火曜日は別の医師に外来を担当してもらっています。少人数ですのでスタッフには負担をかけている部分もありますが、粘り強く支えてくれて本当に感謝しています。休日はゴルフで気分転換をしつつも、ついクリニックに顔を出してしまうのは、もう職業病ですね。

今後、地域の中でどのようなクリニックをめざされますか?

まずは個人のお宅を中心とした訪問診療を、この地域でさらに広げていきたいと考えています。それと同時にめざしているのは、高齢の方だけでなく若い世代からお年寄りまで幅広い年代が気軽に足を運べる、いわば「サロン的」な診療所です。眼科はもともとお子さんからご高齢の方まで受診される診療科ですし、自由診療にも対応することで、さまざまな世代の方に来ていただくきっかけになればと思っています。いろんな患者さんが集えるようになると、地域に何か新しい変化が生まれるんじゃないかなと期待しているんです。「ここにこのクリニックがあって良かったな」と言ってもらえるような場所になれたらうれしいですね。

最後に、地域の皆さんへメッセージをお願いします。

松永雅道院長 みやび内科・眼科クリニック6

私は一つの診療科の専門医資格を持っているわけではありません。けれども、幅広く対応できることで少しでも地域の皆さんのプラスになれたらというのが、私の思いです。「先生、こういうことがあるんだけど、どこに行ったらいい?」と聞かれたときに、適切なアドバイスができるような存在でありたいと思っています。もちろん私がすべてを治療できるわけではありません。だからこそ、まずは気軽に相談できる窓口として機能し、必要があれば適切な専門家へおつなぎする。そうした御用聞き的な役割こそ、地域のかかりつけ医としての自分の務めだと考えています。皆さまの日々の健康のお手伝いをすることが当院の変わらない診療ポリシーです。