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森 香夏 院長の独自取材記事

丸の内医院

(名古屋市中区/久屋大通駅)

最終更新日:2023/07/14

森香夏院長 丸の内医院 main

市営地下鉄名城線・桜通線の久屋大通駅2番出口からすぐ目の前のビルという好立地に「丸の内医院」はある。森香夏院長は、勤務医時代の経験から往診を始めるために2008年に開業。さらに地域や幅広い世代へも医療を提供すべく、2017年3月に現在地に移転し外来を開始した。眼科をメインとしているが、自らも興味があり期待の声もあったことから美容皮膚科も標榜したり、小さい子どもの眼科検査の機会が少ないことを課題視しボランティアで幼稚園検診を始めたり、バイタリティーに富んでいる。若々しくも穏やかな森院長に、開業の経緯や力を入れている診療などについてたっぷりと聞いた。

(取材日2017年6月12日/情報更新日2023年6月27日)

往診での開業から更なる医療貢献をめざして外来開始

開業をされた経緯を教えてください。

森香夏院長 丸の内医院1

開業前、別の眼科医院に勤めていた頃、体の不自由な方や車いすの方が付き添いの人と一緒に、近隣の介護施設や養護施設からいらしていました。そんな患者さんが待ち時間や検査時間が長くてつらい思いをされたり、お手洗いがうまくいかなかったりしているのを見て、すごく申し訳ない気持ちになったんです。私たちが出向き、診てほしいところだけをパッと診てあげられたら良いんじゃないかと考えるようになり、2008年に往診をメインとしたクリニックを開業しました。往診には拠点から直進距離で16キロメートルまでという決まりがあるので、名古屋市を網羅するために中心地に構えようと、久屋大通での開業を決めました。

移転に伴って、どのようなクリニックにしたいと考えましたか?

往診は高齢者施設と障がい者施設への対応が中心となりますが、もっと幅広い世代の方や地域の皆さんにも医療を提供したいと考え、外来診療の開始に伴って2017年3月に移転しました。内装面では立地上多くなるであろう丸の内や栄で働く方々がホッとできるような雰囲気にこだわり、デザイナーとたくさん相談しました。患者さんは若い女性が多いので、眼科で診てもらえないこともあるカラーコンタクトのトラブルなど、どんなトラブルを抱えていても来やすいように、どういう方でも診ますよ、という姿勢にもこだわっていますね。カラーコンタクトは最近雑貨店でも簡単に入手できてトラブルが増えているので、こちらでちゃんと目に合ったものを案内できるようにいろいろと取りそろえています。

現在の外来の患者層を伺えますか。

森香夏院長 丸の内医院2

眼科と美容皮膚科だと3:7ぐらいの比率です。眼科にはコンタクトの処方や、ものもらい・目やにが出るといった症状、近隣のお子さんが学校で要受診となった、といったきっかけで来院する患者さんが多いです。平日は会社帰りに来られるように18時30分までの受付時間にしているので、20~30代のお勤め帰りの人が来てくださっています。共働きの方の場合、お子さんを土日に連れて来られる方が多いですね。当院の美容皮膚科では、更年期障害におけるホットフラッシュや頻尿などさまざまな症状に対して、プランセンタ注射を行っております。眼科と美容皮膚科は受付も診察カードも一緒なので、美容皮膚科で来られた方が「併せて目も診てほしい」ということもあります。

経験豊富なスタッフを中心に小児眼科にも注力

こちらで診察をされていて印象深いことはありますか?

森香夏院長 丸の内医院3

お勤めの方を多く診察して気になったのが、眼圧が高い方が多いことですね。眼圧が高いと緑内障になるリスクが高い上に、目の奥がどーんと重いような感じがしたり、ときどき目が痛くなったりもします。しかし、ほとんどの方は自覚症状がなく肩凝りのせいだと思われているみたいなんです。また50~60代の男性の中には、糖尿病と診断されながら眼科にかかったことがない方が多くて驚きます。糖尿病になると目の検査も必要なのですが、自覚症状がないので眼科に行かなくなってしまった、と言うんですよね。進行して見えなくなると元には戻せませんし、知らない間に目の中で大出血してしまうこともあり本当に危険なので、しっかり検査の重要性を伝えていかなければと感じます。そして、糖尿病の方の経過を把握するためには内科医療機関との連携も重要となるので、いざというときのために強化していきたいです。

特に力を入れている取り組みは何でしょうか?

経験豊富な検査スタッフが中心となり小児眼科に注力しています。特に最近はコロナ禍の影響でスマホやパソコンを使う機会が増加し、近視のお子さんが増えているのでより一層力を入れています。トレーニングにはアメリカの小児眼科の器具を用いていますが、毎日使えるように貸し出しています。よくお子さんが近視になると「ゲームを止めさせます」と親御さんがおっしゃりますが、勉強や読書でも目を近づけていれば近視になる可能性は変わりません。つまり視環境の改善を図らなければ意味がないのです。当院ではそのことを丁寧に説明し、ゲーム禁止ではなく「ゲームをやったら必ずトレーニングしようね」と約束しています。すると面白がって頑張ってくれるんです。他の医療機関でトレーニングをしたけど良くならなかった子や、弱視でこれ以上は良くならないと言われた子を見ると、悲しい思いをしている子はまだたくさんいるのかなと思います。

小児眼科で特に推奨している治療法があるそうですね。

森香夏院長 丸の内医院4

オルソケラトロジーの提供に力を入れています。オーダーで作るハードのコンタクトレンズを夜寝るときにつけて、角膜の角度の調整を図り、昼間はレンズを外して裸眼でいられるようにする、という治療法です。夜寝る時に髪にカーラーをして朝に外すのと同じ仕組みですね。効果の期待度は高いですし、私はとても良い治療法と考えて推奨しています。名古屋ではまだそんなに浸透しておらず、自由診療にはなりますが、クリニックでは価格をなるべく抑えるなどして、敷居を下げて皆さんに試していただけるようにしています。

患者との会話を大事にしながら治療を進めていく

先生が眼科の医師をめざされたきっかけは何だったのでしょうか?

森香夏院長 丸の内医院5

医師だった叔父に、後継ぎとして医者になってほしいと言われていた影響は大きいと思います。小学生の頃にはそのクリニックに遊びに行って検査機器などに興味を持ち始め、卒業文集に「お医者さんになりたい」と書くまでになりました。それから医師になる夢は変わらず医学部に進むことに。医師としてはもちろん、1人の女性として子育てなどを含めたライフスタイルを考えた際、いろいろな働き方ができる可能性を感じて眼科に進みました。心配されながらも両親に助けてもらって、産休・育休も取らずに国家試験や研修医を無事に乗り切ることができました。当時はもう本当に必死でしたね。

診療されるにあたってのスタンスや気をつけていることはありますか?

患者さんが何を求めているかを把握し、押しつけはしたくないと思っています。例えば、自業自得と患者さんを怒るのではなく、その方が本当はどうしたいのかしっかりお話を聞いて、一緒に治すことをめざし・悪くならないようにしていこう、というスタンスです。診察の時は顔色を見て、本当は何が言いたいんだろうと常に考えているのです。私には言えないけれど検査スタッフには話せることもあるでしょうから、スタッフとしっかり情報を共有しています。往診に行くと患者さんがとても喜んでくれてお話が長引くこともあるんですが、その中からその人の本当の考えがわかると気づきました。ですから外来の患者さんでもなるべく会話に時間をかけてお話ししています。

それでは最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

森香夏院長 丸の内医院6

「ちょっと疲れたから行きたい」と思ってもらえるようなクリニックにしていきたいです。また、気になったらすぐに相談したいと思える相手や、大人の方はもちろんお子さんも笑顔で帰れるような場所になりたいですね。クリニックや診療を迷われている方は、いろんなクリニックに行ってみて良いと思います。医師も人間なのでいろいろな人がいますし、合う合わないというのは人によって違うので、患者さんの感覚を大事にしてください。本当に大きな病気は治療が必要だと考えていますが、気持ちの問題で解消されることもあるので、気の合う医師を見つけて一緒に治していこうという考え方はお勧めです。医師としっかりコミュニケーションが取れれば、何かあったときにもすぐに大きい病院を紹介してもらえるでしょう。まずはいろんなクリニックに行ってみて、自分に合うところを見つけられたら良いと思いますね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

オルソケラトロジー/初年度14万3000円(両目)7万1500円(片目)、2年目以降の定期検診/1回5500円(3ヵ月ごと)

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