梅舟 仰胤 院長の独自取材記事
ファミリークリニックひきふね
(墨田区/京成曳舟駅)
最終更新日:2026/06/09
京成曳舟駅から徒歩約1分の場所にある「ファミリークリニックひきふね」。メディアでの情報発信にも力を入れる梅舟仰胤(うめふね・ぎょうたね)院長は、東京大学医学部附属病院で数多くの内視鏡検査を手がけてきた豊富な経験を積んだドクター。胃や大腸の内視鏡検査を患者にとって楽で身近なものにして、検査を習慣化してもらえるよう、検査自体はもちろん、環境整備やフォロー体制にもさまざまな工夫を凝らしている。そんな梅舟院長に同院の診療について話を聞いた。
(取材日2026年3月18日)
内視鏡検査は「つらくないのは当たり前」が基本姿勢
ご開業までの経緯についてお聞きします。

もともと私が医師になろうと思ったのは、幼少期にとても仲の良かった友人を病気で亡くした経験からです。何もできなかった無念さが周囲の家族や友人の命を助けられるようになりたいという思いにつながり、医師をめざすようになりました。医師免許を取得後の初期研修で、がんの中でも胃や大腸など消化器系のがんで亡くなる方の割合が圧倒的に多い現実を目の当たりにし、一人でも多くの患者さんを救いたいという気持ちから消化器系疾患を専門にしようと決意し、東京大学医学部消化器内科に入局。消化器内科の医師として勤務し、膨大な件数の内視鏡検査・治療に携わりながら、先進的治療にも従事していました。しかし大学病院に紹介で来られる方は症状がかなり進行しているケースも少なくありません。それならば自分が地域医療の現場に移って予防と早期発見の役割を担っていこうと決意を固め、当クリニックの開業に至りました。
こちらの内視鏡検査の特徴はなんでしょうか?
当院の内視鏡検査の特徴は8つあります。1つ目は、より多くの方がご都合に合わせて利用しやすいよう土曜・日曜や夜間にも検査を行っていること。次に鎮静剤を使って苦痛に配慮した検査を行っていること。3つ目はご希望に応じて胃と大腸の内視鏡検査を同日で行うことも可能だという点。4つ目は、内視鏡検査でポリープが見つかった場合、事前の承諾をいただいた上で、検査時に切除にも対応していること。5つ目はすべての検査を東京大学医学部附属病院所属の専門医師が担当していること。6つ目はSNSで検査予約から結果説明まですべて完結すること。7つ目は女性専用検査スペース「アネックス」を備えていること。8つ目は東京大学医学部附属病院との連携により迅速な紹介が可能なことです。「つらくないのは当たり前」でなくてはいけないという考えで、内視鏡検査に取り組んでいます。
女性専用の検査部門についても教えてください。

2024年4月に女性専用の検査スペース「アネックス」をオープンしました。他の患者さんの目が気にならないような動線を確保し、プライバシーには細心の注意を払っています。下剤を飲むスペースや検査後に休む空間も用意し、少しでもリラックスしていただけるよう配慮しています。実は大腸がんで亡くなる女性はとても多いといわれています。疾患自体に性差はありませんから、女性の大腸内視鏡検査に対するハードルを下げられれば、この不幸な状況をなんとかできるのではないかと考えました。おかげさまで患者さん側の検診に対する意識の高まりと、私たちの訴えの相乗効果で、多くの方が内視鏡検査を希望してくださっています。検査自体のハードルを下げることも、私たちの仕事。患者さんの不安や不満に思う点を解消し、少しでも快適に気持ち良く検査を受けていただけるようにしなくてはならないと考えています。
患者の不安を安心に変えたい
胃がん・大腸がんは早期発見が重要だそうですね。

日本では多くの方が、がんでお亡くなりになります。中でも胃がんや大腸がんの方はとても多い。しかし実は、胃がん、大腸がんは早期に発見し治療できれば、根治が期待できます。定期的な内視鏡検査を行うことで胃がん、大腸がんの早期発見が可能となり、例えば小さなポリープの段階で取ってしまうなど適切に対処すれば胃がんや大腸がんで命を落とす可能性をぐんと低くすることがめざせます。ポリープががん化するまでに取ってしまえばいいんです。また、胃の検査で知られるバリウム検査では早期の胃がんを見つけることが難しく、大腸の便潜血検査でも結果がマイナスだからといって大腸がんがないとは断言できません。ですので胃や大腸の内視鏡検査を定期的に受けていただくことが大切。一般的には検査の推奨年齢は40歳からですが、近年若年化が進んでいますので、私は35歳から定期的な検査をお勧めしています。
「三つ星」の検査機関をめざしておられるとか。
もし検査機関にレストランのような評価基準があるとしたら「三つ星」がいただけるような場所をめざしています。患者さんお一人お一人の満足度を徹底的に調査し、もしご不満な点があれば改善に努めるという姿勢です。内視鏡検査は1回受けて終わりではなく、定期的に検査を受けることが重要です。患者さんに「ここならまた来よう」「毎年受けてもいい」と思ってもらえるような検査を行いたいと思っています。そのためには「普通」では足りなくて、患者さんに「良い」と思っていただかなくてはいけないと考えています。そう思っていただいて初めて定期的に受けていただけるという好循環につながると思います。大腸がんは定期的な内視鏡検査で比較的予防がしやすいがんです。検査間隔は、ポリープを検査時に切除した方は1年後に再検査を、特に異常の所見がない方は2~3年後など、状況に応じてアドバイスしています。
毎年キャッチコピーを作成しておられるそうですね。

スタッフ全員の共通の目標として考えていて、今年は「患者様の不安を安心に変える」にしています。患者さんは少なからず不安なお気持ちを抱えて来院されます。既に大腸がんがあったらどうしようとか、検査が痛かったらどうしようとか、とにかく不安なわけです。病気に対するストレスや不安感は、時にはそれが病気になってしまうぐらいの影響もあります。患者さんが検査を受けることで不安を取り除き、安心して健やかな生活を送っていただけるようにしたいと考えています。
開業医の機動性を生かし、密な病診連携で患者を支える
東京大学医学部附属病院とも連携しているそうですね。

信頼できる同期や先輩が在籍している東京大学医学部附属病院とは顔の見える関係ができており、連携を深めてきました。より専門的な治療や手術が必要となったときの紹介先として迅速かつスムーズな対応が可能です。東京大学医学部附属病院での治療後は、再び当院でフォローし、一貫した流れの中で、質の高い治療・診療の提供をめざします。患者さんにとっても、紹介先の担当の先生が、いつものかかりつけ医の私と旧知の間柄であれば、より安心感を持って紹介先の病院で治療に専念することができるでしょう。今後も当院の開業医院としての機動力やきめ細かい対応力と、東京大学医学部附属病院の専門的な医療の両輪で、患者さんが笑顔で「がんに負けない」人生を送れるようにするためにサポートしていきます。
診療で大切にしていることを教えてください。
当院は「患者さんファースト」の方針のもと、徹底的な患者さん目線で診療しています。来院された皆さんに「次もまたここに来たい」と思っていただけるよう、スタッフ一同、言葉遣いや表情、しぐさなど一挙手一投足に気を配っています。私自身も、友人を自宅に招くような感じで笑顔で診察室にお迎えし、患者さんの話をよく聞いて表情豊かに接するように心がけています。また、お薬は院内で処方しているため、薬局が休みの夜間や日曜にも薬をお渡しできます。
読者へのメッセージをお願いします。

当院は内視鏡検査を専門とする消化器内科クリニックとして、これからも「曳舟から胃がん・大腸がんで亡くなる方をゼロに」をミッションに掲げ、めざしてまいります。また、当院は患者さんの紹介での来院が多いのも特色の一つです。自分にとって大切な人を紹介してくださるということは、当院の検査や診療に高い満足感を得ていただいている証だと受け止め、本当にありがたく感じています。この地域に、「健診で引っかかったから」といった前提条件なしに、毎年健康診断を受けるのと同じ感覚で、定期的に内視鏡検査を受けることが当たり前の習慣として根づいていくことを、強く願っています。

