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梅舟 仰胤 院長の独自取材記事

ファミリークリニックひきふね

(墨田区/京成曳舟駅)

最終更新日:2024/08/20

梅舟仰胤院長 ファミリークリニックひきふね main

京成曳舟駅から徒歩約3分の場所にある「ファミリークリニックひきふね」。メディアでの情報発信にも力を入れる梅舟仰胤(うめふね・ぎょうたね)院長は、東京大学医学部附属病院で数多くの内視鏡検査を手がけてきた豊富な経験を積んだドクター。胃や大腸の内視鏡検査を患者にとって楽で身近なものにして、検査を習慣化してもらえるよう、検査自体はもちろん、環境整備やフォロー体制にもさまざまな工夫を凝らしている。そんな梅舟院長に同院の診療について話を聞いた。

(取材日2024年4月1日)

内視鏡検査は「つらくないのは当たり前」が基本姿勢

まずは、こちらで開業されるまでの経緯についてお聞きします。

梅舟仰胤院長 ファミリークリニックひきふね1

もともと私が医師になろうと思ったのは、幼少期にとても仲の良かった友人を病気で亡くした経験からです。何もできなかった無念さが周囲の家族や友人の命を助けられるようになりたいという思いにつながり、医師をめざすようになりました。医師免許を取得後の初期研修で、がんの中でも胃や大腸など消化器系のがんで亡くなる方の割合が圧倒的に多い現実を目の当たりにし、一人でも多くの患者さんを救いたいという気持ちから消化器系疾患を専門にしようと決意し、東京大学医学部消化器内科に入局。消化器内科の医師として勤務し、膨大な件数の内視鏡検査・治療に携わりながら、先進的治療にも従事していました。しかし大学病院に紹介で来られる方は症状がかなり進行しているケースも少なくありません。それならば自分が地域医療の現場に移って予防と早期発見の役割を担っていこうと決意を固め、当クリニックの開業に至ります。

こちらの内視鏡検査の特徴を教えてください。

当院の内視鏡検査の特徴としては大きく分けて4つあります。1つ目はより多くの方がご都合に合わせて利用しやすいよう土曜・日曜にも検査を行っていること。次に鎮静剤を使って苦痛に配慮した検査を行っていること。眠っている間に検査が終わりますので、初めは内視鏡検査に抵抗感をお持ちだった方でも、年1回のペースで定期的に検査を受けられるようになります。そして3つ目はご希望に応じて胃と大腸の内視鏡検査を同日で行うことも可能だという点。4つ目は、内視鏡検査でポリープが見つかった場合、事前の承諾をいただいた上で、検査時に切除にも対応していることです。切除のために後日あらためて内視鏡を入れることなく、処置まで可能ですし、入院・手術の必要もありません。とにかく早期発見のために検査は「つらくないのは当たり前」でなくてはいけないという考えで実施しています。

女性専用の新しい検査部門を開設されたとか。

梅舟仰胤院長 ファミリークリニックひきふね2

そうなんです。2024年4月にアネックスをオープンし、女性専用の検査スペースとしました。大腸がんで亡くなる女性はとても多いんです。疾患自体に性差はありませんから、女性の大腸内視鏡検査に対するハードルを下げることができれば、この不幸な状況をなんとかできるのではないかと考えています。患者さん側の検診に対する意識の高まりと、私たちの訴えの相乗効果で、多くの方が内視鏡検査を受けてくださるようになりました。しかし、いくら重要な検査でも、受診に苦痛やストレスを伴うなら、患者さんの心がついてきません。検査自体のハードルを下げることも、私たちの仕事です。患者さんの不安や不満に思う点を解消し、少しでも快適に気持ち良く検査を受けていただけるようにしなくてはならないと考えています。

検査前後のフォローも丁寧に

アネックスを作るにあたり、こだわったポイントを教えてください。

梅舟仰胤院長 ファミリークリニックひきふね3

内視鏡検査を受ける際には検査着に着替えて行動していただきますが、その最中も、他の患者さんの目が気にならないような動線を確保しました。その他、プライバシーの確保には細心の注意を払っています。下剤を飲むスペースや検査後にお休みしていただく空間なども確保して、少しでもリラックスしていただけるよう配慮しています。また、空間面だけでなく、丁寧な接遇も心がけています。せっかく検査を受けていただくのですから、患者さんが不安を残したままお帰りになるようなことがあってはいけません。不安なく楽に検査を受けて安心してお帰りいただくことで、今後も定期的に受けようと思ってもらえるような対応を心がけたいですね。

胃がん・大腸がんは早期発見が重要だそうですね。

日本では多くの方が、がんでお亡くなりになります。中でも胃がんや大腸がんの方はとても多い。しかし実は、胃がん、大腸がんは早期に発見し治療できれば、根治が期待できるんです。定期的な内視鏡検査を行うことで胃がん、大腸がんの早期発見が可能となり、例えば小さなポリープの段階で取ってしまうなど適切に対処すれば胃がんや大腸がんで命を落とす可能性は低くなります。ポリープががん化するまでに取ってしまえばいいんです。また、胃の検査で知られるバリウム検査では早期の胃がんを見つけることが難しく、大腸の便潜血検査でも結果がマイナスだからといって大腸がんがないとは断言できません。なので、胃や大腸の内視鏡検査を定期的に受けていただくことが大切になってきます。一般的には40歳からの検査が推奨されていますが、私の感覚的には35歳くらいからがんの方が増えてくる印象がありますので、35歳から定期的な検査をお勧めしています。

定期的に内視鏡検査を受けている人は増えているのですか?

梅舟仰胤院長 ファミリークリニックひきふね4

増えてきています。しかし、その分検査待ちの時間が少々長くなってしまっているのも実情です。クリニックの良さは機動力の高さですから、今回の新しい検査部門ができれば、その点も含めきっと患者さんのお役に立てると思います。検査間隔は、ポリープがあって検査とともに切除した方は1年後の再検査をお勧めしますが、特に異常の所見がない方に関しては2~3年後など、状況に応じてアドバイスさせていただきます。患者さんの体質や生活スタイルによっても変わってきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

開業医の機動性を生かし、密な病診連携で患者を支える

東京大学医学部附属病院とも連携しているそうですね。

梅舟仰胤院長 ファミリークリニックひきふね5

信頼できる同期や先輩が在籍している東京大学医学部附属病院とは顔の見える関係ができており、連携を深めてきました。より専門的な治療や手術が必要となったときの紹介先として迅速かつスムーズな対応が可能です。東京大学医学部附属病院での治療後は、再び当院でフォローし、一貫した流れの中でより良い治療・診療につなげたいと考えています。患者さんにとっても、紹介先の担当の先生が、いつものかかりつけ医の私と旧知の間柄であれば、より安心感を持って紹介先の病院で治療に専念することができるでしょう。今後も当院の開業医院としての機動力やきめ細かい対応力と、東京大学医学部附属病院の専門的な医療の両輪で、患者さんが笑顔で「がんに負けない」人生を送れるようサポートしていきます。

診療で大切にしていることはありますか?

当院は「患者さんファースト」の方針のもと、徹底的な患者さん目線で診療しています。来院された皆さんに「次もまたここに来たい」と思っていただけるよう、スタッフ一同、言葉遣いや表情、しぐさなど一挙手一投足に気を配っています。私自身も、友人を自宅に招くような感じで笑顔で診察室にお迎えし、患者さんの話をよく聞いて表情豊かに接するように心がけています。また、お薬は院内で処方しているため、薬局が休みの夜間や日曜にも薬をお渡しできます。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

梅舟仰胤院長 ファミリークリニックひきふね6

当院は内視鏡検査を専門とする消化器内科クリニックとして、これからも「曳舟から胃がん・大腸がんで亡くなる方をゼロに」をめざしてまいります。また、当院は患者さんの紹介での来院が多いのも特色の一つです。自分にとって大切な人を紹介してくださるということは、当院の検査や診療に高い満足感を得ていただいている証だと受け止め、本当にありがたく感じています。この地域に、「健診で引っかかったから」といった前提条件なしに、毎年健康診断を受けるのと同じ感覚で、定期的に内視鏡検査を受けることが当たり前の習慣として根づいていくことを、強く願っています。

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