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往診・訪問診療で家族と過ごす在宅医療
専門の医師の在宅輸血

西大須 伊藤内科・血液内科

(名古屋市中区/大須観音駅)

最終更新日:2026/08/03

西大須 伊藤内科・血液内科 往診・訪問診療で家族と過ごす在宅医療 専門の医師の在宅輸血 西大須 伊藤内科・血液内科 往診・訪問診療で家族と過ごす在宅医療 専門の医師の在宅輸血
  • 保険診療

高齢社会にあって、家にいながらにして定期的に診療やケアが受けられる在宅医療のニーズが高まっている。内科疾患に対する在宅医療は徐々に普及しつつあるが、輸血を必要とする病気については血液製剤の取り扱いの困難さもあり在宅ではほとんど行われていないのが実状だ。「西大須 伊藤内科・血液内科」の伊藤達也院長は日本血液学会血液専門医であり、24時間体制で輸血の処置、しかも赤血球だけではなく管理が難しい血小板製剤の輸血も行う訪問診療に取り組んでいる。そもそも訪問診療とはどんなものか、輸血の処置はどのように行うのか、本人や家族にとってどのような意義があるのか、詳しく教えてもらった。

(取材日2017年6月3日/2026年6月17日)

輸血が必要な患者にも在宅医療をとの思いで、専門家ならではの診療と24時間体制のサポートを実現

Q往診と訪問診療の違いや、対象の患者について教えてください。
A
西大須 伊藤内科・血液内科 車で患者宅へ。訪問診療のため決まった時間に来てくれる

▲車で患者宅へ。訪問診療のため決まった時間に来てくれる

往診は、ご要望があったときに伺って診療する単発的なもので、通院できない方だけでなく普段は通院できる方も対象になります。一方、訪問診療は、通院が困難な方のご自宅へ定期的に伺うものです。もともと通院していたけど高齢になり足腰が弱って通えなくなった方、麻痺や神経の難病で動けない方、呼吸不全の方、認知症の方も対象です。入院されていた方であれば、退院時に主治医や担当看護師、ケアマネジャー、訪問看護師、作業療法士とミーティングをして訪問診療の詳細を決めます。地域の「いきいき支援センター(地域包括支援センター)」や自治体の福祉担当の課に相談すると、当院のような在宅療養支援施設を紹介してくれると思います。

Q先生は血液内科が専門でいらっしゃいますね。
A
西大須 伊藤内科・血液内科 問診・触診・聴診などを行い、その日の体調を確認し記録する

▲問診・触診・聴診などを行い、その日の体調を確認し記録する

はい。なので一般的な訪問診療に加え、輸血療法ができることが大きな特徴です。例えば難治性貧血の方で、状態は安定しているけれども定期的に頻回な輸血が必要な方や、ご高齢で輸血に通うのは大変という方の場合、在宅で輸血が可能となるメリットは大きいと思います。また白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など悪性疾患の方で、長期間の大変な治療にもかかわらず残念ながら治癒が困難となった厳しい状況で、望まれても輸血がネックとなり在宅での緩和ケアがかないづらい状況でした。それを何とかクリアしたいというのが私の強い思いで、輸血に加え、モルヒネや麻薬系の薬を使いながら苦痛緩和に努めるなど、病院と同じようにケアしています。

Q在宅での輸血は専門の医師でないと難しいことなのですね。
A
西大須 伊藤内科・血液内科 患者宅で輸血を調整し施せるのは、伊藤先生の訪問診療ならでは

▲患者宅で輸血を調整し施せるのは、伊藤先生の訪問診療ならでは

輸血は通常の点滴と違って血液細胞を体に入れる行為なので、移植の一種と考える医師もいるほど専門性が高いです。副作用への対応だけでなく製剤の管理や安全性の担保も含め、輸血療法に精通した医師でないと在宅で実施していくことは難しいと思います。私は血液疾患の方の“在宅療養への思い”にも応えたいと考えたので、赤血球だけでなく血小板輸血も行っています。特に血小板は使用可能な期間も短く、午前に血液センターから届いた製剤は当日午後に輸血しなければなりません。しかも活性が低下しないよう振盪(しんとう)、つまり振り動かす必要があります。こうした取り扱いの煩雑さからも、在宅での血小板輸血はほぼされていないと思います。

Q訪問診療の頻度や内容や費用について教えてください。
A
西大須 伊藤内科・血液内科 血小板も扱える先生。患者は安らげるわが家で治療を受けられる

▲血小板も扱える先生。患者は安らげるわが家で治療を受けられる

頻度は患者さんの容態やご要望にもよります。血小板の数が減ってしまった方は、口腔内や消化管など全身に出血傾向が出て、輸血をしないまま頭の中で出血が起きたりすると命に関わります。赤血球と違い、血小板は細胞が壊れやすいので、多いと週2~3回の輸血が必要になります。時間は赤血球だと2時間ほどで血小板だと1時間ほど。開始して最初の30分~1時間は診察をします。副作用が出るとしたらこの時間帯が多いので、処置が必要な場合は行います。赤血球の場合、途中で私は失礼して、輸血が終わる頃に看護師が来て点滴の針を抜いて処置をします。私たちがいない間もすぐ連絡が取れる体制にしていて、費用は通常の保険診療と同様です。

Q訪問診療の準備や受け入れる家族についても教えてください。
A
西大須 伊藤内科・血液内科 診療後はその日の治療を家族に説明。質問にも親身に答えてくれる

▲診療後はその日の治療を家族に説明。質問にも親身に答えてくれる

今は抗生物質も発達していますし、ご家族はよく手を洗うこと以外に特別な準備は不要です。血液の病気は感染症に弱く、症状の変化が速いケースもあるため当初は心配もあったのですが、これまでの経験から、末期の方でもご自宅で輸血を行いながら、ご家族の支えのもと穏やかな生活を送ることができると考えています。予想以上に良い状態を保つことが見込める方が多いのではないでしょうか。通院で輸血すると半日ほどかかりますが、在宅だとご本人と付き添いのご家族の負担は大幅に軽減されます。訪問診療をするための大事なポイントは、まずご本人とご家族にその強い気持ちがあるかどうか。一人暮らしでもご希望があれば積極的にサポートします。

ドクターからのメッセージ

伊藤 達也院長

現在、名古屋市および周辺地域を含む広域をカバーする体制で在宅医療を行っています。地域の訪問看護ステーションと連携し、看護師が迅速に対応できる体制も整えています。また、2026年4月からは基幹病院に所属する4人の血液内科医が加わり、訪問エリアをこれまで以上に広げられる見通しが立ちました。病院との連携は患者さんの安心につながるだけでなく、将来的には病床逼迫の緩和にも貢献できると考えています。ご自宅に戻られた患者さんやご家族の笑顔を見る度に、在宅医療の意義を実感しています。現在、在宅輸血に関する取り組みをご紹介する動画も公開していますので、ぜひホームページからご覧いただければ幸いです。