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森 久也 院長の独自取材記事

もり糖尿病クリニック

(吹田市/吹田駅)

最終更新日:2022/03/02

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JR京都線・吹田駅より徒歩5分、阪急京都本線・相川駅から徒歩7分の距離にある「もり糖尿病クリニック」。白を基調とした院内は広々としており、窓も多く明るい雰囲気に包まれている。同院では糖尿病を専門とし、大阪府済生会吹田病院や市立大津市民病院などで糖尿病の診療経験を積んだ森久也院長が、日々診療にあたっている。「糖尿病治療は投薬治療だけでなく、無理なく楽しく日々の生活の中で食事療法や運動療法を継続することが大切」という森院長に、これまでの経歴や糖尿病治療について、たっぷりと話を聞いた。

(取材日2021年4月3日)

糖尿病を専門に、長く診療を続けてきた吹田の地で開院

大阪府済生会吹田病院での勤務から開院まで、長年吹田市で診療されていますが、関西のご出身なのですか?

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出身は奈良県大和郡山市という、金魚で有名な地域です。医師をめざしたのは、母親の強い希望がきっかけでした。兄弟や親族が東京の大学に進んでいたこともあり、東京での大学生活に憧れていたところもあったんですが、大学は京都府立医科大学に合格できたので進みました。大学時代は京都で下宿生活を送りながら、歴史がある寺院や神社などを周り、楽しんで過ごしましたね。卒業後は同大学附属病院に入局し、国立鯖江病院(現・公立丹南病院)での研修を経て、大阪府済生会吹田病院、市立大津市民病院に勤務し、糖尿病を専門として診療を続けてきました。

糖尿病を専門とされたのはなぜでしょうか。

大学卒業後は、内科に入局し、肝臓と糖尿病を専門に臨床研究を行うチームにいました。当時、インスリンの皮下吸収製剤の研究が報道され、糖尿病治療が今後大きく変わっていくとされており、とても興味をそそられ、糖尿病を専門とするようになりました。当時の糖尿病治療薬はインスリン製剤とSU(スルホニル尿素)剤が主流で、インスリンもまだ今のように薬剤は混合されておらず、シリンジで都度混ぜていた時代でした。今では、糖尿病治療薬は数多くあり、注射剤、内服薬も複数の選択肢があります。

吹田で開院されて5年になります。どういう患者さんが多く来られていますか?

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大阪府済生会吹田病院での勤務は充実していましたが、とても多忙で患者さんと接する時間も限られており、開院を考えるようになりました。吹田での開院はやはり、勤務していた病院が近くにあることが大きいです。同期の先生方が今も同病院に勤務されていますし、大学の研究班も同病院にいることもあり、病診連携がしやすいと思い、この地での開院に至りました。患者さんは地域住民の方を中心に、遠方からも来られています。ほとんどが糖尿病の患者さんで、病院時代に担当していた方も来院されています。

食事療法と運動療法は、無理なく楽しく継続を

糖尿病はどのような病気ですか? 合併症も起きやすいそうですね。

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大きく分けて、基本的にインスリン注射が必要となる「1型糖尿病」、遺伝因子や肥満、食事などが原因でインスリンが不足する「2型糖尿病」、妊娠中に起きる「妊娠糖尿病」、膵臓や肝臓が原因の「その他」の4つのタイプがあります。また、糖尿病の3大合併症である網膜症、腎症、神経障害、加えて心臓や脳の動脈硬化、足や指の壊疽(えそ)、歯周病を合併される方もいます。日本人は、欧米人に比べてインスリンの分泌量が少なく、あまり太っていなくても、2型糖尿病になりやすいので注意が必要です。

糖尿病の治療はどのように行うのでしょうか。

まずは食事療法で、栄養指導を行って1ヵ月後に改善が見られなければお薬による治療となります。しかし、診断時にヘモグロビンA1c(HbA1c)の値が非常に高い方は最初からお薬による治療を行うこともありますし、お体の状態が悪い場合は、連携する病院へ紹介することもあります。投薬による低血糖を起こさないことが大切なので、その方に合ったお薬を選択できるか、安定したコントロールができているかどうか、経過観察が重要となります。空腹時の血糖値は、単にインスリンの分泌状態だけでなく、肝臓や消化管、筋肉や脂肪などさまざまな器官の状態が影響します。また、合併症の早期発見のための定期的な検査が大切です。

糖尿病というと、食事制限が厳しいという印象があります。

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体重が減少すれば投薬が必要なくなることもあります。以前、肥満度がたいへん高い方が約50kg減量し、治療の必要がなくなったケースがありました。一般的には、体重の3〜5%を減量するだけで症状の改善が期待できるといわれています。食事については腹8分目を心がけ、ゆっくりよく噛んで食べる、脂っこい食べ物や甘い食べ物を控えて、野菜など脂質や糖質が低いものを多く摂取するという基本的なことを守り続けていただくことが重要です。なかなか改善が難しい場合は、管理栄養士による栄養指導もお願いしています。

運動についてはどうでしょうか。

激しい運動ではなく、ゆっくり歩く、ウォーキングをするなど無理なく続けられる運動をお勧めしています。この吹田の地域は川もあり、春には桜もあちこちでたくさん咲いています。また、吹田操車場跡地を中心に北大阪健康医療都市「健都」という健康・医療をテーマにした街づくりが吹田市と摂津市によって進められており、公園も整備されています。また、大阪では健康増進のためのスマートフォンアプリがあり、ウォーキングや健康イベント促進など、健康活動をサポートしています。食事制限も運動も、厳しく激しく行うより、生活の中に取り入れながら、無理なく楽しく続けることが大切です。

糖尿病は「ホーム」と「アウェー」合わせて改善めざす

患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

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糖尿病は、診断後に治療が長く続く方がほとんどです。当クリニックでは、HbA1c値を来院時にすぐ測定できますので、1回の受診で検査と処方が可能ですが、診療時に経過が良ければ、患者さんを褒めることも大切にしていますが、一方で、結果が悪い場合はきちんと指摘することも必要だと考えています。時には厳しいことも言いますが、何もしないのが本当は私も楽なのはわかっていますがそれでは何も起こりませんし、変わらないと思っています。患者さんにとって大事なことは何かを常に考え、しっかりとお話を伺いながら、治療継続へつなげています。

今後、どのように診療を続けていきたいですか?

クリニックの看護師、スタッフ数を増やして、スタッフによる栄養指導などの時間を多くとれるようにしていきたいです。そのことによって、診察する私自身が患者さんと接する時間も増やすことができますしね。また、私自身、常に万歩計をつけて計測し、歩き方や歩きやすい靴もこだわり、歩いた距離を日本地図で表すとどこまでになるかを記録しています。最近は膝の状態があまり良くないこともあり、坂道を上がることが難しいのですが、クリニックと自宅の通勤など日常生活で歩くことを継続し、患者さんに良いアドバイスをしていきたいですね。

糖尿病予備軍といわれる方が増えています。どういうことに気をつければよいでしょうか。

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健康診断などを定期的に受けている方はいいのですが、そうでない方は注意が必要です。糖尿病は、よほど血糖値が高くなれば喉が渇くといった症状があるのですが、日常生活で気づくことがなかなか難しいのです。健康診断を定期的にきっちりと受けるようにしていただきたいです。

糖尿病治療を続けている人にメッセージをいただけますか?

私はサッカーが好きなのですが、サッカーもサポーターがいてこそ成り立ち、選手もその人たちに感謝しています。糖尿病の治療も一人で頑張るだけではなく、ご家族や友人を含めた一つの「ONE TEAM」で向かいあっていくのがいいのではないでしょうか。私も少しでもそのお助けになれれば幸いです。

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