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田原 正夫 院長の独自取材記事

岩倉駅前たはらクリニック

(京都市左京区/岩倉駅)

最終更新日:2020/07/31

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岩倉駅からすぐのところにある「岩倉駅前たはらクリニック」は、田原正夫院長が2016年に開業して以来、世代や診療科を問わない診療で、地域住民の健康を支えている。田原院長は大学卒業後、内科や小児科、救急科といったさまざまな診療科で研鑽を積み、呼吸器内科でも活躍。「地域の開業医として幅広いケアを行い、継続して患者さんと関わり続けたい」という想いをかなえるため、家庭医療についても学び、岩倉の地で開業に至った。また、家庭医療を地域住民に提供し、予防医療や在宅医療、地域連携にも注力。「あなたの専門家」として、どんなことでも気軽に相談してもらいたいと話す田原院長に、診療内容や家庭医療などについて話を聞いた。
(取材日2020年6月19日)

診療科に捉われない「あなた」に最適な医療提供を追求

家庭医療を学んだ経験を生かして開業されたと伺いました。

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将来的には開業し、地域医療に貢献したいという気持ちをずっと持っていました。さまざまな疾患を診たいと思い、病院の呼吸器内科に勤めていましたが、どうしても呼吸器に特化したキャリアとなってしまいますし、開業してどのような分野にも対応するには準備が必要だと感じたのです。それがきっかけで35歳のときに病院を退職し、アメリカで研鑽を積んだ家庭医療を専門とする医師のもとで学ぶため、岡山県北部に移住しました。その先生からは多くのことを学びましたが、診療面以外にも、年齢や診療科にとらわれずに「患者さんにとってベストな治療方法」を考える真摯な姿勢に感銘を受けました。自分自身の医師としての在り方が変わる経験でしたね。それで、自ら家庭医療を皆さんに届けられる場所をつくりたいと思い、開業に至りました。岡山で学んだ「患者さんと真摯に向き合う」という姿勢は、今でも常に心に留めています。

この地を選んだ理由を教えてください。

大阪や岡山での勤務を経て、出身地の京都に戻ってきました。大学の先輩の在宅医療専門のクリニックにお世話になることになったのですが、それがたまたま左京区だったんです。左京区での診療を通して、ケアマネジャーや病院の地域連携室の方、他職種の方とのご縁がありました。プライベートでも子どもが幼稚園、小学校に入学する中で、地域の方にたくさんお世話になりました。外来診療と在宅医療の両方を提供する家庭医療専門の医師として、地域医療を展開していくことを想像したときに、この地域はとても魅力的な場所だと感じたのです。いろいろなご縁をいただいたこと、お世話になった方々への恩返しができると思ったことがきっかけで、この地での開業を決めました。

どのような患者さんが来院されていますか?

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年齢や性別、診療科を問わずに相談をお受けしていることもあって、患者さんの年齢層はさまざまです。開院当初はお子さんや若い世代の来院が多かったのですが、最近は高齢の方の相談も増えています。成人への健康診断にも対応していますし、お子さんだと予防接種や乳児健診なども実施しています。日本アレルギー学会認定アレルギー専門医でもあるので、アレルギーに関する相談も多いですね。また、糖尿病の方には、管理栄養士から栄養管理指導を受けてもらうことも可能です。訪問診療では末期がんの患者さんをはじめ、神経難病や人工呼吸器を装着されている方、胃ろうの方を診させていただいていて、365日24時間体制で対応しています。

何でも気軽に相談できる「あなたの専門家」でありたい

診療において心がけていることはありますか?

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人の病は臓器の異常だけが原因だと考えていると、薬を飲むだけでは良くならなかったり、うまく予防ができなかったりと、病気との付き合い方がわからなくなってしまいます。臓器の問題には医学的根拠に基づいた診療を行いますが、さらに心理面・社会面を含めたケアができるように、「その人全体を理解すること」を心がけています。社会面でいうと、生活状況や家庭のこと、仕事や学校のことはじっくりとお話を伺います。その場ですぐに問題解決に役立たなくても、後になって違う健康問題が生じた際に、そういった情報が解決やサポートの鍵になることがよくあります。家庭医療を専門とするわれわれの診療は、一つの健康問題が終わったらそこで患者さんとの関係が終わるのではなく、継続して関わることで患者さんとともに成長し、年を重ねます。人生の中であらゆる健康問題が生じたときに、「相談してみよう」と思ってもらえる存在になりたいと考えています。

家庭医療を提供する医師というのは、どのようなものですか?

ひとことで言うと「あなたの専門家」という立ち位置ですね。「あなたの病気の経過も知っているし、好き嫌いや大切にしていること、お母さんがどのような人で、お子さんはこんな病気で困ったことがありますよね」など、患者さん一人ひとりのことをきちんと理解している、一番相談しやすい存在だと考えています。人生を通して長期的に関わり続けるため、「過去にこういう経験があったから次はこうしよう」とか、「この人はこういうことを望む人だな」など、患者さんご本人の考えを尊重し、検査・治療の方針を決めることを家庭医療では大切にしています。とはいえ、診療所では対応できない疾患や症状もあります。連携している病院や、ほかの医療サービスへ効率よく紹介する役割は「ゲートキーパー」として知られていますが、必要なときに適切な機関へ扉を開ける「ゲートオープナー」の役割を担うのもまた、われわれの役目だと思っています。

どういったときに家庭医療を利用すればよいのでしょうか。

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体や心、時には生活環境が原因となって生じた健康問題について、一番に相談できる窓口でありたいと考えていますから、どんなに些細なことでも構いませんので、気軽に相談にいらしてください。「こんなことを聞いてもいいですか」とか「これは先生の専門分野ではないかもしれないけれど」と言って相談してくださるのは、僕にとっては医師冥利に尽きるうれしいことなのです。また、重大な病気や障害のある方であっても、その方なりの「体調が良い状態」を得るにはどうしたらいいのかを、お付き合いの中で一緒に考えていければと思います。

家庭医療の価値を社会に提案・提供していきたい

印象に残っているエピソードはありますか?

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おばあちゃんからお孫さんといった3世代に加え、時には4世代にわたるご家族を診療させていただいたことがあります。最年長の方は訪問で対応させていただき、その方のお孫さん・ひ孫さんには予防接種を、娘さんは外来で慢性疾患を診るなど、年齢や体の状況に応じて診療させていただきました。診療を通して、ご家族の関係性や考えを理解し、皆さんと仲良くお話できるほどまで関係性を構築できたのはうれしかったですね。その後、ご自宅で療養されていた方をご家族の皆さんと一緒に最期の時間をともにして、お看取りをさせていただいたことは、病院に勤務していると感じられない、言葉にできないやりがいを感じる出来事となりました。

今後のクリニックの展望についてお聞かせください。

家庭医療の価値を、社会に提案し続けたいという想いがあります。「いろんな診療科の相談に乗ってくれる」「子どもの発熱や予防接種だけでなく在宅医療にも対応してくれる」というクリニックとして、地域の皆さんに当院を認識していただけているのが現状です。今後は、地域の皆さんと一緒に年を重ねながら歩み続けることが、今後のめざしていきたい姿です。家庭医療はその地域に根づいて長くやればやるほど、提供できる医療のパワーや価値が増すと僕は思っています。そのため、止まることなく研鑽を積み、自治体や多職種との連携を深めることで、医療の質と価値を上げていけるという期待もあるのです。また、現在は非常勤の先生を含めて医師2人体制ですが、家庭医療を専門とする若い世代が活躍できる場にもしていきたいですね。

先生から読者の方へのメッセージをお願いします。

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「こんなこと聞いてもいいのかな」と思わずに、気になることがあれば気軽にご連絡ください。当院は予防接種や健康診断といった予防医療に注力するほか、ケガや急性期疾患、認知症、慢性期疾患にも対応しています。非常勤医師は小児科を専門としていますし、食物アレルギーやアレルギー性鼻炎への舌下免疫療法、気管支喘息といったアレルギー疾患の相談も受けつけています。年齢や診療科にとらわれず、心理面や社会的な背景も含めて、患者さんの全体を理解する診療を心がけていますから、相談しながら一緒に治療を進めていきましょう。

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