子どもの頃からの習慣づけが大切
予防歯科で歯を守っていく
なかつじ歯科医院
(大阪市鶴見区/徳庵駅)
最終更新日:2021/11/12
- 保険診療
口腔機能と体の健康、その相関性が周知されるようになり歯科検診の受診率は年々増加している。また昨今では虫歯や歯周病になる前からの取り組みである“予防歯科”も浸透してきており、デンタルIQの高い保護者が増えたことで子どもの虫歯割合も以前より減少したようだ。しかし一方で歯が痛くなった時だけ受診するという患者もいるのだとか。そうした二極性が見られる段階、と話してくれたのは、乳幼児からシニアまで地域の幅広い年齢層の患者が通う「なかつじ歯科医院」の院長、中辻良太先生。高齢者歯科でも研鑽を積んだ中辻院長は、自身の歯を守る重要性をよく知るだけに予防に力を入れている。その具体的な取り組みについて詳しく聞いた。
(取材日2021年6月17日)
目次
患者の納得から始める満足度の高いケアを
- Q予防歯科とはどのような目的で行うのでしょうか?
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A
一生を通じて、ご自分の歯で快適に食事ができて口腔機能を維持していただけるようにしていくためですね。それは全身の健康にもつながることと考えています。ご自宅での歯磨きだけでは限界があるため、歯科医院での定期的なメンテナンスも受けていただくことが望ましいですね。虫歯などの治療が終わった後に、年単位で歯科医院から遠ざかってしまうと、以前の口腔環境に逆戻りしてしまうことも。再発リスクを低減させていくためにも、定期検診による予防がとても大切なのです。歯周病が進行している、歯の動揺があるけれど抜きたくない方などは月1回。口腔内の環境が安定している方は、3ヵ月もしくは半年に1回の通院でいいでしょう。
- Q予防歯科やメンテナンスで大切にしていることを教えてください。
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A
なるべく痛みの少ない、トラウマにならないケアを心がけています。例えば、口の中を見ると歯がしみる状態なのかも経験上わかることが多いので、お声がけしながら進めていきます。一方的に行っていくのではなく、患者さんが感じる痛みに配慮し、歯科医院への苦手意識を軽減していくことも大切です。「痛い」「つらい」では定期的に通院していただくのも難しくなってしまうと思うのです。そのためにもお一人お一人にじっくり時間をかけて丁寧なケアに努めています。あとセルフケアが得意な方とそうでない方では、歯磨き指導のアプローチも変えています。一人ひとりのご状況に合わせて、予防意識を持って取り組んでいただけるようにしていきます。
- Q子どもの予防歯科はいつから始めればいいのでしょう?
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A
歯が生え始めたら、最初は汚れを拭き取ることから始めましょう。だんだん生えそろってくると歯ブラシが必要になってきます。虫歯になりやすい乳歯にはフッ素塗布もお勧めです。小さな頃から、クリニックで親御さんに抱っこしてもらいながら口腔ケアを受けてもらうことで、雰囲気に慣れていける利点もあります。ある程度の年齢になってから初めての歯科で、いきなりの治療が難しそうであれば、恐怖心を植えつけないように様子を見るだけにすることも。クリニック嫌いにさせてしまうと歯の健康を守るのは困難になりますからね。また甘い物が好きなお子さんの場合、その影響がお口の中に顕著に出ますので、歯磨き習慣の徹底が大事です。
- Q歯周病と予防歯科の関連について教えてください。
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A
自覚症状がないまま進行していく歯周病は、患者さんご自身で気づくことが難しいため、定期検診で早期発見につなげていきましょう。意外に思われるかも知れませんが、虫歯や口の中のトラブルがほぼなく過ごされている方の場合、長年歯科を受診されておらず、歯周病に罹患されている割合が多いです。歯茎が腫れていると感じた時には、すでに歯周病が進んでしまっていると考えられます。初期の目安としては「口の中の違和感」。この時点ですでに歯周病になっている可能性が高いのですが、痛んだりしみたりといった症状がなければ、大したことないと放置される方がほとんどです。だからこそ定期的な受診が果たす予防の役割が大きいのです。
- Qこちらで行っている予防歯科について教えてください。
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A
高齢になってくると手に力が入らず歯磨きが行き届きにくなる方には、毎月クリーニングをさせていただくこともあります。また、小さなお子さんがいても通いやすいよう、お母さんの施術中はスタッフがお子さんを見させていただくなど、かかりつけとして寄り添いながら、個々の状態に応じたケアに取り組んでいます。またトラブルの原因になる入れ歯の不具合ですが、微調整から修理、作り替えまですべて私が行っています。他にもセルフケアの重要性、メンテナンスの必要性を理解していただけるよう、ホワイトボードに絵を描いて歯の状態や問題個所の進行過程など、図解によるわかりやすい説明を行ったりもしています。