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三枝 誠一郎 院長の独自取材記事

さえぐさ医院

(野田市/梅郷駅)

最終更新日:2019/08/28

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東武アーバンパークライン梅郷駅から徒歩約3分。流山街道に面しているのが「さえぐさ医院」だ。開業したのは2016年12月。三枝誠一郎院長は金沢医科大学大学院で総合内科学を専攻、総合診療について研鑽を重ねてきた。大学院修了後は東葛病院や野田南部診療所などに勤務した後、梅郷界隈のかかりつけ医として地域医療に貢献したいという思いから開業。訪れる患者のどんな相談にも応じている。在宅医療にも力を入れており、自宅での看取りも行っている。「人生の最期をどのように迎えるか、ご本人とご家族の方のご希望に沿ったお手伝いをすることが一番大切だと思います」と三枝院長。プライマリケアへの取り組みなどについて話を聞いた。
(取材日2017年2月13日)

これからの時代は在宅医療を含めた総合的な医療が重要

開業にいたった経緯を簡単に教えていただけますか?

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開業するまでは、東葛病院や野田南部診療所などに勤務医として働いていたのですが、そこで縁あって開業してみないかというお話をいただいたのがきっかけです。在宅診療をはじめとしたこれまでの診療経験を生かしながら、この地域に暮らす方々の健康維持のお役に立ちたいと思い、開業することにしました。この場所には以前、別のクリニックがあったのですが、閉院なさるとのことでしたので、いわゆる居抜きのような形で建物を引き継ぎました。内部の設計も、待合室から眺められる中庭も、以前あったクリニックの先生のご意向そのままに残してあります。

この辺りの地域性についてはどのようにお感じですか。

この辺りは江戸時代に、日光東往還の宿場であった山崎宿が置かれていた歴史があり、古くからこの地に暮らしている方も多く高齢化も進んでいます。その一方で、ニュータウンも開発されています。ここから少し江戸川のほうに行ったところには新興住宅地がつくられて、それにあわせて小学校も開校しました。ですので、小さいお子さんのいる若い世帯も増えています。当クリニックは内科と小児科を標榜していますので、小さなお子さんからご高齢の方まで幅広い層の方がいらしています。

三枝院長は大学ではどんな領域を専門に学ばれていたのでしょうか?

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金沢医科大学では、総合内科学でいわゆる総合診療について学んできました。この総合内科学を選んだのは、医療の領域が専門化していく中で、専門領域の枠を超えたケアがとても重要だと思ったからです。今でこそ総合診療が注目されていますが、まだその当時はあまりそのような考え方が認識されていなかったですね。ですが、地域に根差した医療の実践においては総合診療がとても大切と考えました。日本では、プライマリケアという言葉はまだあまりなじみがないかもしれませんが「身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療」という意味です。欧米ではごく一般的で、プライマリケアに携わる医師のことを「General Practitioner」と呼んでいます。私は、地域に暮らす方々の家庭医として、その方の一生にわたって全人的に診る医療を提供していきたいと思ったのです。

身体だけでなく精神的、社会的環境も鑑みて診断

三枝院長の診療モットーはどんなことですか。

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小さいお子さんからご高齢の方まで、ここにいらした方ならどんな人でも、どんな症状でも分け隔てなく診療することです。福祉の充実を表す言葉に「ゆりかごから墓場まで」という言葉がありますが、まさにそのようなイメージでしょうか。その方の一生にわたって、その時々の状況に即した医療を提供していくことが大切です。ですので、診察する時には体だけでなく家庭環境や生活習慣なども含めて考えていきます。例えば生活習慣病の人はどんな生活リズムなのか、お子さんでしたら家での過ごし方、ご高齢の方であれば、独居なのかご夫婦2人だけなのか、大家族であれば家族との関係性はどうか……など、ある程度突っ込んだことも聞きながら診療しています。ですが、あまり性急に突っ込んでもいけませんから、その辺のさじ加減が難しいですね。2回、3回と通院していただく中でコミュニケーションをとりながらじっくり丁寧にお話を聞くようにしています。

高齢になると自然と不定愁訴も多くなってきますよね。

そうですね。ご高齢になると加齢に伴っていろいろな悩みも出てきますが、そういうときは「生活習慣をこんなふうにすれば改善できますよ」などとお話しして、加齢とどのように向き合って暮らしているのが良いか、気持ちの持ちようなども含めてアドバイスするようにしています。年齢を重ねることを自分自身でどう捉えてどのように向き合っていくかが、元気に過ごしていくためには大切だと思います。

訪問診療にも力を入れているようですね。

最近では在宅医療も総合的な医療の一部として重要視されています。ご高齢になって足腰が弱くなった方や認知症の方など通院に支障を生じた方や、病院で大きな手術を受けられた方など、さまざまな事情で在宅治療をしておられます。最期までご自宅で過ごしたい、自宅でできるだけ家族と一緒に長くいたいというご希望に応えるのもプライマリケアがめざす医療です。在宅医療は一つの選択肢でもあり、その方がどんな最期を迎えたいか、できるかぎりそのご希望に沿うようお手伝いしていきたいと考えています。ですので、ご自宅でのお看取りも行っています。

お子さんを診療するときにはどんなことを心がけておられますか?

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お子さんたちが怖がらないように優しく対応しています。特にインフルエンザの時期などは、検査で嫌な思いをすることも多いですので。診療の時はお子さんと目線を合わせるために椅子から降りて床にしゃがんで診ています。お母さん方が治療にあたって何を望まれているのかという点も考慮しながら治療方針を決めるようにしています。

介護や子育ては、時には休むことも大切

ところで病診連携はどのような体制になっているのでしょうか?

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野田市内にある小張総合病院や、私が以前勤めていた東葛病院など、当院では対応が難しい場合は、柏市の国立がん研究センター東病院や東京慈恵会医科大学附属柏病院などに紹介しています。また、病院からの逆紹介を受けたり、地域包括センターやケアマネジャーからの依頼で在宅医療を行うこともありますよ。

これまでで何か心に残ったエピソードはございますか?

お子さんが朝なかなか起きられないであるとか、学校で友達と打ち解けられないなどといった話から、実は精神的な疾患が原因であることがわかったり、授業中に居眠りばかりしてしまうという悩みから睡眠障害がわかったり、お子さんのちょっとした悩みや困りごとを聞いていく中から病気が見つかったケースが印象に残っています。また、在宅医療のご高齢の患者さんのご家族から深夜に電話があり、すぐに駆け付けてお看取りをさせていただいたこともありました。お看取りの依頼を受けますと、やはりご家族の方に信頼していただけているのかなと感じることも多いですね。

プライベートの時間はどのようにお過ごしですか? ご趣味などを教えてください。

趣味はダイビングです。ずっと海に潜ってみたいと思っていて、8年くらい前から始めました。実は先日も東伊豆のほうで潜ってきました。水中写真を撮るのも好きですね。あと時間が取れれば旅行に出掛けることも多いです。乗り物の中でも旅客機が好きなので旅客機に乗って旅に出るのが好きです。

では最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

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小さなお子さんからご高齢の方まで、幅広くどんなことでも相談にのれる地域に根差した家庭医をめざしていきたいと思います。ご自身のこと、ご家族のこと、また在宅医療で困っていることなどがあれば、お気軽にご相談ください。ご家族の介護をしている方はあまり頑張りすぎず、ときには休むことも必要だと思います。デイサービスをうまく活用するなどして、休む時間をつくってください。子育て真っ最中のお母さん方も、あまり一生懸命になりすぎないようにしてくださいね。そして何か困ったことが生じたらどうぞ遠慮なく相談にいらしてください。

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