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高橋 亮太郎 院長の独自取材記事

高橋医院

(豊田市/豊田市駅)

最終更新日:2019/08/28

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国道301号線を豊田市から新城市に向かって車で30分程度、根崎交差点から県道77号線に入り、右手に現れるのが「高橋医院」。緑豊かな農村地域を背景にしたこの豊田市下山地区で、祖父の代から60年、3世代にわたって地域住民の健康を守り続けているのが高橋亮太郎院長だ。専門の循環器疾患だけでなく、内科や小児科、虫刺されやケガの処置まで、地域のホームドクターとして、幅広く診察・治療を行っている。子どもの頃はクラシックの音楽家になろうと考えていた高橋院長。6歳から始めたチェロの演奏で、医療のみならず文化面でも地域貢献を行っているという。過疎化と高齢化が進む地域、数少ない医療機関の責任を果たそうとする思いを、穏やかな口調で語ってくれた。
(取材日2019年4月12日)

ホームドクターとして、虫刺されから心臓疾患まで診察

この地域で古くから開業している診療所だそうですね。

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医師としては曽祖父から4代目、およそ80年です。曽祖父はここからもう少し奥地の阿蔵という場所で診療所を開設しました。その後60年前に祖父が今の場所、下山に診療所を開設したので、祖父の代からだと3代目ですね。祖父の診療所を父が引き継ぎ、2013年に同じ敷地で建物を建て替え、継承しました。私は循環器を専門に、若い頃は救急と急性期医療に携わり、大学院での研究を経て大学病院で臨床も経験して、その後は主に慢性期の患者さんを診る病院と健診施設で働いていました。社会全体が高齢化していく中、健康長寿のためには予防が大切という実感が強くなり、地域に密着している実家の診療所で働くことを考え始めました。結果的には、急性期から慢性期疾患、予防医療と経験し、自然な流れで当院を継承できたと思います。

窓からの眺めも素晴らしく、自然の豊かさを実感できます。

豊田市駅から車で40分程度なのですが、緑豊かで山川の美しい中山間地なんですよ。五平餅、椎茸、ブランド米などの名産をはじめとしておいしいものがたくさんあって、近くの川は昔は鮎が取れるほどきれいな水でした。鹿や猪も出ることがある地域で、求められるのも老年医療や農村医療の側面があり、患者さんの平均年齢は70歳を超えています。建て替える前の診療所は、待合室には椅子がなくて畳敷きで、真ん中にこたつがあって、地域のお年寄りが集まるような憩いの場でした。ただ、あまりにも建物が古いので、大地震があったら大変だし、最近はお年寄りの方もひざや腰が痛いから椅子のほうが喜ばれるんですね。前のクリニックの雰囲気を残そうと琉球畳を入れてみたら、逆に子どもと親御さんに喜ばれて、キッズスペースになってしまいました(笑)。

患者さんはどのような症状の方が多いのでしょうか。

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高齢の患者さんが多いため、やはり生活習慣病を中心とする慢性疾患ですね。高血圧、脂質異常症、虚血性心疾患・心不全・不整脈などの心疾患の管理、その他の内科領域や小児科と、ホームドクターとして幅広く診察しています。もともと専門は循環器内科ですが、認知症への対応、前立腺肥大や過活動膀胱などの泌尿器、皮膚科、腰痛やひざ痛などの整形外科分野、それに簡単な縫合などケガの処置まで、生活に密着した医療も行います。蛇や動物による咬傷、ハチに刺されたなど、農村ならではの処置もよくあります。山間地のご高齢の方は同世代の都市部の患者さんに比べて、体が丈夫なのは良いのですが、精神的にも我慢強いため悪くなってからみえることも多く、入院など病診連携も重要です。その他に老人ホームやご家庭への訪問診療、近隣の小・中学校、子ども園の嘱託医もお引き受けしています。

地域をよく知るスタッフとともに、きめ細かな医療を

ご専門の循環器については、どのような治療を行っているのでしょうか。

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初期段階の検査に関しては、ほとんどの循環器疾患について対応できるよう、機材もそろえています。例えば、心電図、運動負荷心電図、24時間ホルター心電図、心臓・頸動脈超音波検査などですね。高血圧や脂質異常、糖尿病などの動脈硬化の危険因子の管理をしながら必要に応じて検査を行っていますが、健診での異常や症状でお困りの方は気軽にご相談いただければすぐに対応させていただきます。特に高齢になると、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、心不全、心房細動などの不整脈の管理、脳梗塞の予防なども重要になりますので、近隣の基幹病院と連携しながら管理させていただいています。

訪問診療も行っているそうですね。

国が掲げている在宅医療の推進も、当院は地域医療の担い手として、曽祖父の代からずっとやってきたことなんです。曽祖父は馬で、祖父はオートバイで山道を往診に行っていました。現在は多職種と連携して在宅療養支援診療所として24時間対応で往診・訪問診療を行っています。また嘱託医として地域の特別養護老人ホームでも診療を行っており、ご家庭でも施設でも看取りの対応をさせていただいております。それから、当院のスタッフは皆この地域の居住者で、父の代から働いている人が多く、地域の事情をよく理解しているので、きめ細かい医療サービスを提供するために、ずいぶん助けられていると感じています。

医師を志した理由を教えてください。

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医学部受験を決めたのは高校3年生になってからです。周囲に医学部志望の同級生が多かったので、雰囲気に流されてしまったかな(笑)。子どもの頃から医師をめざしていたわけではなく、親に勧められたのでもありませんでした。ただ、幼少期に見た、祖父が患者さんの治療をしている姿が記憶に焼きついていて、その影響は大きかったですね。祖父は鮎釣りの名人でもあり、患者さんたちにはたいへん慕われていたようです。私が医師になり、働いていた病院で祖父を看取ることができたので、両親と祖父の両方に恩返しができたように思っています。循環器を専門に選んだのは、浜松医科大学を卒業後、研修医として勤務し始めた病院での経験がきっかけです。患者さんがカテーテル治療で一命をとりとめ、元気になられて社会復帰していくのを目の当たりにして、やりがいをもって働けそうだと思ったんです。

高齢化と人口減少の中、地域医療の果たす役割とは

医師にならなかったら、どんな仕事をしていたと思いますか。

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両親の勧めで6歳からチェロを習い始め、音楽家になろうかと漠然と思っていた時期がありました。中学生くらいになると現実が見えるようになり、プロの音楽家になるのはあきらめました。でも、練習はずっと続けていて、大学時代はオーケストラに所属していました。医師になりたての頃はさすがに時間がなくほとんど楽器を触ることはありませんでした。卒後8年目くらいになって少し余裕が出てきてチェロの練習を再開し、おかげで全国レベルのコンクールで優勝や入賞することができました。今ではアマチュアチェリストとして、ソロから室内楽、オーケストラまで幅広く演奏活動しています。高橋医院主催のコンサートも定期的に開催しており、地域の皆さんに喜んでいただけているようです。

先生ご自身の健康法があれば教えてください。

勤務医から開業医になった直後、10kgくらい太ってしまいました。勤務医時代は病院内を普通に働いているだけでいい運動になっていたのですが、開業してから歩かなくなってしまったからなんですね。患者さんに体重管理をするように言いながら、自分が太ってしまったのでは説得力がありませんよね。それで、ルームランナーを買って運動をし、糖質制限を意識して栄養バランスを整え、10kgの減量に成功しました。この実体験があるので、糖尿病や肥満の方には、医療的に正しく役に立つ情報と適切なアドバイスをさせていただけると思います。

今後の展望についてお願いします。

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大きな病院に勤めていた頃は限られた診療時間の中で患者さんの訴えをじっくり聞くことができず、歯がゆい思いをすることがありました。患者さんの訴えから生活状況までしっかりと聞き取って診療に生かす方針が、ここで実現できたのは良かったです。また、この地域は日本の高齢化の一歩先を行くような場所で、10年後くらいが高齢化のピークとなり、人口減で消滅する集落もあると予測されています。このような状況の中、地域住民が安心して暮らせるように健康管理をどう支えていくかが当院の課題であり、良質な医療を提供し続けることが使命であるとも思っています。患者さん一人ひとりが健康寿命を長く保てるよう、地域のかかりつけ医として気軽に相談できる存在でありたいです。

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