選択する妊婦が増えている無痛分娩
産後ケアにも注力
きりんウィメンズクリニック武蔵野
(武蔵野市/三鷹駅)
最終更新日:2025/07/11


- 自由診療
局部麻酔によって痛みの緩和を図った状態でお産に臨める無痛分娩は、現在の分娩方法の主流になりつつある。三鷹駅近くにある「きりんウィメンズクリニック武蔵野」でも無痛分娩を希望する妊婦が増えているという。 武知公博(たけち・きみひろ)院長は「完全に痛みをなくすものではありませんが、落ち着いて出産に臨み、体力の消耗も少なくて済むことが見込める分娩方法です」と語る。加えて同院では、出産後の母をサポートする産後ケアにも注力。育児や授乳の相談、沐浴指導などと併せ、子どもを預けて広い個室でゆったりと休むこともできるという。今の不安を解消するだけではなく、これから続く育児の支えにもなりたいという思いを持ち、産後ケアの立ち上げにも携わった助産師の今末子さん、看護師の西田美香子さんにも話を聞かせてもらった。
(取材日2025年5月12日)
目次
事前の説明会で不安解消をめざした無痛分娩。長い育児の良いスタートのために、産前産後のサポートにも尽力
- Q産前産後のサポートに注力されているとお聞きしました。
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A
▲母親が安心できるようサポートを行っている西田さん
【助産師 今さん】産前には、当院でお産をする方に向けて保健指導を行っています。お母さんが納得のいくお産ができ、良いスタートが切れるようにサポートしています。同時に産後のフォローについての確認も大切。どうしても手伝える方がいないのであれば、地域のサポートについてアンテナを張ってもらい、場合によってはこちらから保健センターと連絡を取ることもあります。また、赤ちゃんを預けて休める産後ケアもご案内しています。
【看護師 西田さん】当院では、産後16週目までの方を対象にした日帰りまたは宿泊での産後ケアを提供しています。助産師も看護師もお母さんのサポートに徹していますので、安心して頼ってください。
- Qこちらでは普通分娩のほかに無痛分娩も行っているそうですね。
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A
▲無痛分娩を選択する母親が増えているという
【武知院長】当院では、経腟での普通分娩、帝王切開による分娩、無痛分娩を行っています。普通分娩は自然の流れに任せて進行する出産方法で、陣痛に合わせて、お母さんご自身の力で息んで赤ちゃんを腟から産む方法です。帝王切開は、お母さんか赤ちゃんに何らかの問題が生じたり、経腟分娩が難しいと判断された場合に、手術で出産する方法です。無痛分娩は、局所麻酔を使用し、陣痛の緩和を図りながら行う分娩方法です。当院では硬膜外麻酔法という背中から細いカテーテルを留置し、そこから出産が終わるまで麻酔薬を投与する方法で行っています。今は無痛分娩を選択するお母さんが増えています。
- Q無痛分娩の特徴を教えてください。
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A
▲無痛分娩が行えるかどうかは状況によるという
【武知院長】無痛分娩で使用する麻酔法は全身麻酔とは異なり意識があるのですが、陣痛の痛みを和らげるために役立ちます。あらかじめ出産日を決めて行う計画無痛分娩と、自然に陣痛が発来するのを待って行う方法があります。また、お母さんの状態によっては、希望されていても無痛分娩ができない場合もありますので、詳しい内容は、担当医にご相談ください。ご不安も多いと思いますが安心してお産に臨めるように、当院で分娩予約をされている方を対象に月2回、無痛分娩の説明会を行っています。硬膜外麻酔の流れや、麻酔に伴う合併症、無痛分娩のメリットやデメリットをお話しし、リスクとベネフィットを理解していただけるよう努めています。
- Q力を入れているという産後ケアについても教えてください。
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A
▲アフタヌーンティーでリラックスできる
【助産師 今さん】産後ケアでは主に赤ちゃんの発育の評価、お母さんの心身の健康の確認、育児に関するアドバイスを行い、休みたいという要望があれば、赤ちゃんをお預かりして休んでもらいます。産後ケアでお出しする食事にもこだわっていて、アフタヌーンティーもあるんですよ。また、少ない荷物で来られるように、ミルクやおむつ、アメニティーも用意していますし、武蔵野市内とその近郊の方を対象に送迎も実施しています。もう一つ特徴的なのは、家族入院という制度で、お母さんと赤ちゃんのほかにご家族1人が一緒に宿泊できます。育児に不慣れなご主人も泊まっていただくと、帰宅後のフォローもしやすくなるのではと考えて始めました。
- Q産後ケアを提供する上で大切にしていることはありますか?
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A
▲ゆったりと休めるように広々とした個室も用意
【助産師 今さん】お母さんからお話を聞いてアドバイスするときは、決して否定しません。これまでやってきた育児を理解して、寄り添って声をかけたいと思っています。産前に思い描いていた育児ではなく、修正をかけないとならない場面もあると思うのですが、その選択は必ずお母さんにしてもらっています。私たちから情報は与えますが、お母さんご自身が納得いく方法を選ぶことが大事なんです。
【看護師 西田さん】頑張っているお母さんばかりですので、産後ケアではゆったり休んでいただくことを大切にしています。回復して、これからの長い育児に臨んでいただくためのサポートをしていきたいと思います。