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井上 善仁 院長の独自取材記事

井上善レディースクリニック

(福岡市中央区/天神南駅)

最終更新日:2023/02/14

井上善仁院長 井上善レディースクリニック main

体外受精や顕微授精を含む不妊治療を中心に、不育症、婦人科に関する不調で悩む人々の治療を行っている「井上善レディースクリニック」は、西鉄福岡(天神)駅から徒歩3分の場所にある。患者が安心して前向きに治療と向き合えるクリニックをめざし、利便性の良い天神で2016年に開院。これまで一貫して婦人科内分泌学を専門分野としてきた井上善仁院長は、日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医の資格を持つ婦人科系疾患のエキスパートだ。女性の社会進出に伴って初産年齢が上昇し続けている今、妊娠に悩む人に向けて「早めの治療を」と語る井上院長。今回、診療内容をはじめ、不妊治療を受けた自身の経験や、その経験があるからこそ響く言葉も聞くことができた。

(取材日2022年12月28日)

一人ひとりに適切な、レベルの高い医療をめざす

医師をめざしたきっかけ、開業までの経緯などをお聞かせください。

井上善仁院長 井上善レディースクリニック1

叔父が産婦人科の開業医で叔母や私の母も看護師として勤めており、放課後に立ち寄ったりしていましたので、そういった環境も影響していたと思います。高校卒業後は九州大学に進学し、大学院では、子宮筋や平滑筋といった自律神経に支配されている分野を主に学びました。その後、アメリカに2年間留学し、妊娠中の子宮に関する電気生理学の研究に携わりました。カルシウムやナトリウムなどが細胞膜を通じて行き来する流れを見たり、その流れが妊娠中にどれくらい関係するかなど、とても興味深い内容でした。日本に戻ってからは、15年以上大学病院に勤め、実にさまざまな症例も診てきましたし、研究より臨床に向いていると実感した期間でもあったように思います。そして、じっくりと患者さんに向き合いたいという思いから、浜の町病院での勤務を経て、2016年に開院に至りました。

こちらではどんな診療を行っていますか?

当院は不妊の外来をメインに、不育症や思春期・更年期専門の外来があり、月経痛、子宮内膜症、子宮筋腫など婦人科に関する診療も行っています。子宮内膜症や子宮筋腫を合併している不妊症の方で手術が必要な場合は、以前勤めていた病院で私が腹腔鏡手術を担当することもあります。実際に自分が患者さんのおなかの中を診ることで今後の計画も立てやすくなりますね。一般不妊治療から高度生殖補助医療まで対応しているため、やはり診療のメインは不妊治療になります。海外在住の日本人の方が一時帰国して来られるケースもあります。患者層は30代後半から40代前半の方が多く、初診時に40歳以上の方もおられます。

不妊治療でも一部の治療が保険適用となりましたね。

井上善仁院長 井上善レディースクリニック2

保険適用をきっかけに、当院でも治療に足を踏み出した若いご夫婦も増えました。とはいえ、人工授精などの一般不妊治療、体外受精・顕微授精などの生殖補助医療などには適用されますが、すべての治療に適用されるものではありません。女性の年齢や受けられる回数などの制限もありますし、自由診療ではこれまで使用可能であったお薬の一部が保険診療では使えないこともあります。自由診療と同じように、担当医師とよく話し合いながら治療計画を立てていくことが大切です。そしてやはり女性の年齢は念頭に置いておいてほしいと思います。特に2人目、3人目まで考えているご夫婦であれば、その分早く治療を開始する必要があります。30歳、中でも35歳を超えてご夫婦だけでは妊娠に至らないとなれば、迷わず婦人科の門を叩いてほしいと思います。

妊娠を望むすべての人に、早めの治療開始を呼びかける

不妊治療では早めの受診・治療開始が大切なのですね。

井上善仁院長 井上善レディースクリニック3

もちろんです。最近はよく知られていますが、女性は43歳を超えると極端に妊娠の確率が減りますし、流産になるケースも増えるといわれています。保険適用で認められる年齢がここであるのは、母体・胎児ともに安全な出産が望めるラインだからなのでしょう。だからこそ、不妊治療は早めのスタートが大切なのです。「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないもの」が不妊の一般的な定義ですが、35歳以上であれば1年といわず、半年ほどでも婦人科にご相談いただきたいと思います。時期が遅くなればなるほど妊娠は難しくなります。厳しいかもしれませんが、この事実はしっかりと理解していただきたいですね。

男性側に不妊の原因があるケースも多いとか。

不妊というとどうしても女性側のイメージが強いですが、男性側に原因があるケース、ご夫婦ともに原因があるケースなど、ご夫婦によって不妊の原因はさまざまです。ですから当院では、できるだけご夫婦そろっての来院をお願いしています。皆さんお仕事があるのでなかなか難しいですが、治療に対する理解、お互いへの気配りなどが、不妊治療には欠かせません。不妊治療はご夫婦の課題であるという意識を持つことは、治療において重要なこと。また当院ではお仕事をしながら通院される方も多いため、人工授精などの場合は精子だけ8時半に受け取ったり、採卵がない場合は10時前から診療をしたり、できる限り患者さんに寄り添った対応を心がけています。

早めの受診以外に注意しておきたい点などはありますか?

井上善仁院長 井上善レディースクリニック4

「プレコンセプションケア」の意識ではないでしょうか。これは「妊娠するにふさわしい健康な身体を保っておくことが、妊娠、そして出産後の健康にも良い影響を与える」という考え方で、当院がある福岡市も力を入れているようです。女性だけではなく、男女それぞれにチェック項目があり、「適正体重をキープしよう」「ワクチン接種をしよう」「がんの検査をしよう」「喫煙や受動喫煙をしないようにしよう」といった内容で、いずれも特別に難しいことではなく、健康な状態を保つためにはどうしたらいいかという指標になり得る内容です。中でも「かかりつけの婦人科をつくろう」という点は、女性にとって、そしてともに生きる男性にとっても、非常に大切なポイントになると考えています。

自身の経験から患者の立場になって治療をサポート

先生も不妊治療を受けられたことがあるそうですね。

井上善仁院長 井上善レディースクリニック5

そうなんです。私自身も20年前に不妊治療を経験していて、医師をしながら、患者として治療を受けていました。女性へのケアはもちろんのこと、男性のお気持ちも踏まえた上でアドバイスをしています。医師であっても、治療を経験してわかったことが多々ありましたからね。不妊治療の経験者として、患者さんと同じ気持ち、同じ目線で診療をすることを常に心がけています。また当院ではスタッフみんなが「患者さんが来院しやすく、何でも相談できる環境にしたい」と工夫をしてくれています。一人ひとりの患者さんとしっかりと向き合って、一緒に歩んでいきたいと思います。

不妊治療を経験された院長の言葉だからこそ、患者さんの心にふれることも多いと思います。

不妊治療を体験できたことは、それだけお伝えできることも増えますし、患者さんの気持ちも理解できますからね。一つ申し上げたいのは、妊娠が決してゴールではないということ。そこからがスタートです。ただ、患者さんの想いを共有してきた医師としては、無事出産につなげることができたら、それが一番うれしいですね。一人でも多くの方に貢献できるよう、まだまだ頑張らないとなと思います。一方で、つらい現実に直面することもあります。そんな時はできる限り寄り添い、時には看護師が時間をかけて患者さんのお気持ちを受け止めます。そのケアがなくては次に進めません。

最後に、妊娠を願うすべての方へメッセージをお願いします。

井上善仁院長 井上善レディースクリニック6

患者さんの中には閉経に近い状態で来院される方もいますので、何度か採卵をした後、更年期障害の治療に入られる方もいらっしゃいます。もう少し治療開始年齢が早ければ……と思うことも少なくありません。女性のキャリアに妊娠や子育てが影響しない社会を構築するのも、国の課題だと私は考えています。今、医師も含め総勢約20人のスタッフで取り組んでいることは、各患者さんに適切な医療の提供をめざす「オーダーメイドの治療」です。状態や治療もそれぞれ異なりますので、説明も大勢の方を集めて一度に行うことはいたしません。最初から体外受精ありきではなく、その方に合った治療計画を立てます。2人目不妊でお悩みの方でも、他の方に配慮し、お子さま連れで診療を行える時間を決めています。迷っておられる方は、安心していらしてください。全力でサポートいたします。

自由診療費用の目安

自由診療とは

(自由診療の場合)
体外受精-胚移植/30万8000円~
顕微授精(6個未満)/36万3000円~
顕微授精(7個以上)/37万4000円~

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