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芋縄 啓史 院長の独自取材記事

ありがとう芦屋クリニック

(芦屋市/芦屋駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR神戸線・芦屋駅から北に徒歩3分、商業施設西側のビルの1階にある「ありがとう芦屋クリニック」。芋縄啓史院長は大学病院の救命救急センターでの勤務経験を持ち、多くの診療科でスキルを磨いてきた。また自身の父母の介護に携わった経験を踏まえ、患者とその家族の気持ちに寄り添う診療を行っている。阪神・淡路大震災に遭遇したことから、予備自衛官として登録し、日々鍛錬も欠かさない。「多くの経験、出会いにありがとう」という感謝の気持ちをクリニック名に冠し、人へのまなざしも優しい院長。その思いやポリシーなどについて聞いた。
(取材日2019年3月26日)

救急医療の現場で切磋琢磨し学ぶ日々

医師を志したきっかけや、ご経験を教えてください。

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大学では心理学を学ぼうと思っていたので、文系の大学の受験を考えていたのですが、両親から「心理学を学ぶのなら、精神科のお医者さんの資格を取っておいたほうがいい」と助言されました。これまでずっと文系の勉強をしてきたのですが、高3の冬に近畿大学の医学部を受験することに決めたのです。医学部で学んだ後、母校に入局を決めたのですが、精神科に行くかどうか迷いがありました。そんな時、ある教授が「人間は生まれて死んでケガをする。これはずっと変わらない。誕生に関すること、事故、死を目前にした重症やターミナル医療は今後も重要なものとなるはずだ」と教えてくれました。そして、事故への対応、救急医療も将来ずっと求められていくだろうと。この言葉がきっかけとなり、母校の救命救急センターでの勤務を決意しました。

大学病院での勤務から、開業に至った経緯についてお聞かせください。

救急医療の現場は、想像以上に過酷でした。重症患者が次々と運ばれ、一刻を争う現場。緊張感で常にピリピリした雰囲気を肌に感じていましたね。老若男女、さまざまな症状を抱えた患者さんが来るため、より広い分野の診療知識が求められます。そういう意味では勉強になり、刺激をもらえる場でもありました。整形、脳外科など専門の先生も多数来ておられ、いろいろ教えていただきました。労働環境は恵まれていませんでしたが、非常に魅力的な職場だったのです。でも、自分が入院したことがきっかけで、大学病院を去ることを決めました。その後、大学で学んだ糖尿病をメインとした内科外来、在宅専門のクリニックを経て、救急医療とは別の診療に携わることにもなります。そんな日々を送る中、芦屋のこの場所が空いているという話が舞い込んだんですね。これも何かのご縁だろうと、開業を決めました。

どんな主訴の患者さんが多く来院されますか?

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糖尿病の患者さんが多いですね。健康診断の数値、例えばコレステロールの数値が高いと言われて来る患者さんもいます。それから、薬を減らしたいと相談に来る方も少なくありません。大学病院や総合病院の外来では、曜日ごとに担当医師が変わります。どうしても異なった先生が担当することになるんです。経験上、ほかの先生の処方を削るということはなかなか難しいです。中には同じような胃薬を2、3種類出しているというケースもありました。無駄な薬を減らしたいという患者さんの気持ちもよくわかるんです。また、この芦屋という地域性もあるのかもしれませんが、医療に関心の高い方が多い印象です。年齢層としては比較的高齢の患者さんが多いでしょうか。

その患者にとっての幸せを考えた医療の提供を

先生のめざすクリニック像とはどんなものなのでしょうか?

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医療とひとことで言っても、ニーズは患者さんによって異なると思うんです。最先端の、最高レベルの医療を提供してほしいと望む方もいれば、生活が便利になれば満足だという方まで実に幅広いはず。とはいえ、大きな病院とは違って、クリニックのできることは限られています。例えば車にトラブルが起きても、だいたいのことはガソリンスタンドで解決できると思うんです。エンジンそのものが故障しているという場合には、もちろんディーラーを紹介しますが、そこまでできることはお任せくださいと言えるクリニックでありたい。その上で、プラスアルファの提案ができるクリニックでありたいです。

大学在職中に、お母さまの介護も経験されたと伺いました。

母は乳がんを患い、抗がん剤の副作用に苦しんでいました。手がしびれたり、髪の毛が抜けたり……。症状が進み、食事も満足に取れなくなってしまったんです。副作用に悩みながら、母は「こんなにつらいのだったら、頑張らなければよかった」と言っていました。その言葉を聞き、「頑張るって何なんだろう?」という疑問がふつふつと湧いてきたんです。頑張らなくてもいい、そういう選択肢があってもいいんじゃないかなと。年齢が上がってくる、もしくは病気のステージが悪くなるという経過によっては、医療が介入し過ぎる必要はないのではないかなと思うようになったんです。

患者さんやご家族にはどのように治療方針を説明されますか?

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母の治療経過を見ていた経験から、自分がその患者さんやご家族だったら、という視点での説明ができるようになりました。ご家族に聞くのは「あなたの最期は延命治療を望みますか」ということです。すると皆さん、「そこまで延命治療はしたくない」と答える方がほとんどなんです。でもご家族には、自分の親にはできる限りのことをしてあげたい、そういう思いが強くあるんですね。ただ、それはご本人のためなんでしょうか、ご本人が一番望んでいることなんでしょうか。もちろん、どんな犠牲をはらっても長生きをしたいと思う方もいるでしょうし、その考え方を尊重したいです。その上で、患者さんが真に望んでいることは何なのか、患者さんにとっての幸せとは何なのか、もう一度考えてみてほしいということはお話ししています。

すべてのことに感謝し続けたい

先生のテーマに「寿命を意識した診療」というものがあるそうですが、どういうものかお聞かせください。

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自分が何歳まで生きたいのか、目標を意識してほしいということです。実際、100歳まで生きる人は、ほんの少ししかいません。それでも長生きしたいのならば、酒もタバコも飲まずに塩気も味気もない食事をずっと続ける、そんな努力が必要になります。患者さんには、「100歳まで頑張るなら、ある意味、修行僧のような生活を続ける必要がありますよ。大丈夫ですか?」と、質問しています。私自身、そんな生活は無理だから(笑)。ストイックにできる人ももちろんいるけれど、誰もができることではないんです。そして、楽に長生きするのは難しいものなんですよ、と。時にはデータをお見せしつつ、患者さんの考えを聞くようにしています。

ところで、クリニック名の「ありがとう」の由来は?

これまでさまざまな経験を振り返ると、自分の思っているようにはならず、壁にぶつかることも多々ありました。病気になって大学病院を辞めざるを得なかったこと、考え方の違いで勤務していた病院を辞めたことも。ただ、そういったすべてのこと、すべての出会いが今につながっているんだなと、感謝の気持ちがあります。ある作詞家が「人生は第2志望で成功する」と言っていました。第1志望でうまくいけばいいけれど、思いどおりにいかなくても第2志望でどれだけ踏ん張れるかどうかだという意味です。その言葉がとても胸に響きました。すべてのこと、いいことも悪いこともどちらにも、「ありがとう」の気持ちを忘れないということです。

読者にメッセージをお願いします。

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町のコンビニのように、特殊なものはないけれども大概のものはそろう、そんなクリニックをめざしています。特殊な検査や治療もなく病状が安定していて、何件も病院にかかるなら、ぜひ一度来ていただきたいですね。薬も一箇所で管理した方が、重複がなくていいと思います。あと、私は医療というのは、手間をかけることがいい結果につながらないこともある、と思っています。患者さんの意思やこれからの生き方について、個々に相談しながら治療を進めていきたいです。父母を看取った経験からのアドバイスもできるので、往診や在宅診療についてもご相談可能です。お薬も相談しながら減らしていくよう心がけております。インスリンをやめてから医療費が減ったという声も頂いております。薬が減ってからもとの病院に戻る方もいらっしゃるので、気軽な気持ちでご来院いただければと思います。

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