檜垣 寛 院長の独自取材記事
ひがき内科医院
(京都市左京区/岩倉駅)
最終更新日:2026/05/15
叡山電鉄鞍馬線の岩倉駅から幹線道路の緩やかな坂道を一直線に上ると、「ひがき内科医院」に着く。同院は2016年4月に檜垣寛院長が開業し、内科診療と在宅医療を行っているクリニックだ。入り口にはスロープがあり、白を基調とした明るい院内もバリアフリー設計。来院する患者の不安を軽減してリラックスしてもらうため、待合室には檜垣院長の趣味である熱帯魚や花が飾られており、開放的な空間となっている。「地域のかかりつけ医として、患者さんに何でも相談してもらえるような医師でありたい」という檜垣院長の優しい語り口からは温厚な人柄が垣間見える。そんな檜垣院長に、医師になったきっかけから同院の診療方針、在宅医療への思いなど幅広く話を聞いた。
(取材日2020年6月15日)
父の背中を追って内科医師の道へ
まず、医師をめざしたきっかけを教えてください。

もともと父親が開業し、内科の医師をしていました。僕は長男だったのでその後を継ぐような感じで父の背中を見ながら、これほど人から感謝される仕事はないなと思い、迷うことなく医学部に進学しました。勤務医としては内科と救急医療を広く経験することができました。さまざまな患者さんを救急で受け入れて治療にあたったことは大きな経験になりましたね。医師になってからは、優しくて、誰からも安心して話してもらえて、適切な治療とアドバイスができる存在でありたいと思っています。父は穏やかで患者さんの話をよく聞く医師なので、尊敬しています。
こちらで開業された経緯をお聞かせください。
父は七条大宮で開業しているのですが、僕は父と一緒にやろうとは考えませんでしたね。なぜかというと、父は80歳を過ぎましたが、まだ診療を続けていて、去年もスキーをしたくらい元気なんです。本当は父が辞めてから後を継ごうかと思っていたのですが、まだまだ辞めずに現役でいるというので、僕は別で開業することにしました。もともと僕も自分で診療所を開きたいと思っていたのもあります。この地域は高齢の方が多いので、来院される患者さんの7割くらいが高齢の方で、主訴は生活習慣病ですね。その他は風邪や予防接種などでお子さんも来てくれます。
クリニック内でこだわっている点はどのような点ですか?

白を基調にして清潔感のあるクリニックにしようと思いました。あとは照明に暖色を選んだ点ですかね。患者さんに落ち着いていただきたいので、音楽もゆったりしたものを流して、ゆっくりした時間の中で診察を受けてもらいたいと思っています。待合室や診察室に置いてある花や熱帯魚は僕の趣味です。花は最近やり始めたのですが、熱帯魚はもともと好きで、自宅でもこれまでさまざまな種類のものを飼ってきました。意外とそういったものから患者さんと話が広がることもあるので、大事にしています。クリニックの中に魚や花を飾ったスペースがあると僕自身癒やされるので、患者さんにとっても癒やしになっていたらいいかなと思っています。
患者の希望や悩みに沿った診療を重視
外来だけでなく、在宅医療にも取り組まれていますね。

在宅医療は開業する時からやろうと思っていました。外来の通院が大変な患者さんや、ご自宅での終末期医療、緩和ケアを望まれる患者さんがいらっしゃるので、24時間365日、患者さんの容態が急変したときにもすぐに駆けつけられるようにしています。クリニックに行く必要がなくなるという点で、ご家族にとっても負担を軽減できればと思っています。在宅医療を通じて、患者さんご自身が望まれるような治療、生活のサポートをしていきたいと思っています。訪問数は日によりますが、1日に1、2件であったり、場合によっては10件ほどまとめて行ったりもします。個人のお宅に伺うほか、近くのサービスつき高齢者住宅や特別養護老人ホームなどの施設へも訪問しています。
高齢者の診療で心がけていることはありますか?
患者さん自身の言葉や、何気ない話に耳を傾けて、安心してもらえる、話しやすい医師でありたいと思っています。聞きたいことがあっても医師には聞きにくいと思っている患者さんもいるので、自然に「あ、この人だったら気楽に話せるわ」と思ってもらえるような状況をつくっていきたいですね。岩倉という地域に密着して、心の触れ合いを大事にしたいと考えています。ですから、一度当院にかかっていただいた患者さんのことは一生診ていきたいと思っています。患者さんご本人、ご家族の一生に関わっていきたいですね。救急をやっていたときから、患者さん一人ひとりをもっとゆっくり診られるような医療をしたいと思っていたので、それは今の思いにつながっているかもしれません。
クリニックにはさまざまな設備も導入されていますね。

肩凝りや腰痛、膝の痛みに悩む高齢の患者さんが多いので、ウォーターベッドと低周波治療器を導入しました。ウォーターベッドは水圧で全身をマッサージする物です。全身がほぐれて気持ちいいので、ウォーターベッドのためだけに来る患者さんもいるくらいです。低周波治療器はこっているところの筋肉を収縮させ、凝りをほぐします。どちらも15分程度なので、患者さんにリラックスして心地良く受けてもらいたいと思っています。
親身になって適切な治療を続けていきたい
予防医療の観点から健診にも力を入れていると伺いました。

当院では自治体の特定健診や、がん検診など内科の診察だけでなく、健診が受けられることも地域の方々に知ってもらいたいですね。また、開業する前に胃カメラや大腸カメラでの検査をしていた経験もあります。何も症状がない方にがんが見つかったり、若い方でも胃カメラをしなかったために手遅れになってしまった患者さんなども診てきたので、少しでも症状がある方には早めに大きな病院で胃カメラや大腸カメラを使った検診を受けてもらいたいですね。何か怪しい症状や、患者さんが心配されていることがあればすぐに紹介状を書いて予約を取って行ってもらっています。
医師としてやりがいを感じるのはどのようなときですか?
患者さんから「先生に診てもらえて良かった」など感謝の言葉をもらえたときですね。やっていて良かったなと思ったり、これからもっと頑張っていこうと思えたりします。がんの末期で、入院ではなくご自宅での看取りを希望された方を看取らせていただいたときに、亡くなる数時間前に手を握って「先生、望みとおりの治療をしてくれてありがとう」と言ってもらえたのがすごく印象的でした。やっぱり患者さんに感謝してもらえることは、医師の冥利につきます。患者さんに呼ばれたらいつでも対応できるようにしていますが、自分の時間を削っているという感覚はないですね。
最後に、今後の展望と地域の方へのメッセージをお願いします

今後も基本的な概念は変わらず、患者さんに安心してゆっくり話をしてもらえるよう、親身になって適切な治療をしていくことを続けていきたいと思っています。もちろん時代に遅れないためにも、勉強会やウェブサイトで最先端の治療も勉強して取り入れていきたいです。救急をやってきたので、緊急を要する患者さんが来ても冷静に対応できるのは強みだと思っています。地域の方々には、いつでもお気軽にご相談ください、とお伝えしたいです。

