痛みや不安に最大限配慮した
眼瞼下垂症の治療法について
芦屋ファミリークリニック形成外科皮フ科
(芦屋市/芦屋駅)
最終更新日:2022/12/09


- 保険診療
- 自由診療
まぶたが垂れて、視野が狭くなってしまう「眼瞼下垂症」。機能面はもちろん、頭痛や肩凝り、目が疲れやすいといったさまざまな不快な症状を招く原因に。さらに額に深いしわが寄ってしまったり、目つきが悪く見えたりと、見た目の印象も悪くなることもある。日帰りでできる手術で治療を行うが、手術となると、治療内容や痛みや腫れ、費用面などを気にする人も多いだろう。今回、眼瞼下垂症の手術を数多く執刀してきた「芦屋ファミリークリニック」の田村亮介院長に、眼瞼下垂症の症状や具体的な手術の内容や術後の過ごし方などについて、詳しく話を聞いた。
(取材日2022年11月16日)
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q眼瞼下垂症とはどのような病気ですか?
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A
まぶたが垂れ下がってきて、視界が狭くなる病気です。原因はさまざまですが、最も多い要因は加齢で、まぶたや眉毛の下の皮膚がたるむ、まぶたを上げる際に働く筋肉「眼瞼挙筋腱膜(がんけんきょきんけんまく)」が緩む・離れるといった理由で起こります。当院では60代以上のご相談が多いですね。「まぶたが下がって目が開けにくい」「しっかり目を見開いても視界が狭い」「おでこに深いしわが増えてきている」などの症状があれば、一度受診することをお勧めします。年配の方だけでなく、コンタクトレンズの長期使用、眼科での手術歴、緑内障の点眼薬を使用している、アレルギーなどで目をこする癖などがあると、若くても起こることがあります。
- Q費用は高額なのでしょうか?
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A
眼瞼下垂症は客観的な評価が可能であり、保険診療の範囲と診断された場合は保険診療内で治療を受けることができます。診断基準の一つに「MRD」というものがあります。これはMargin Reflex Distanceの略で瞼縁角膜反射距離(がんえんかくまくはんしゃきょり)を意味し、眉毛を押さえて目を開けた際に黒目の中央から上瞼のまつげの生え際がどれだけ離れているかで、眼瞼下垂症かどうかを判断します。保険適応の症例以外の場合は、保険は適用されず自費診療となります。
- Q痛みがないか不安です。
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A
当院では、可能な限り痛みに配慮した眼瞼下垂症手術を行っています。痛みに配慮した麻酔法を採用しており、手術前には点眼麻酔とまぶた周辺に局所麻酔をします。局所麻酔は皮膚のみに注射するだけですので、痛みをほとんど感じないはずです。また手術中の痛みはありませんが、緊張や不安を強く感じてしまう方には、看護師がお声がけしてリラックスできるようサポートします。腫れ具合は患者さんによって異なりますが、手術後の痛みに関しては出る方は少ないですね。手術が終われば、すぐにお帰りいただくことが可能です。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診では主訴や既往歴などを確認
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問診ではまず見えづらさやまぶたが開きづらいといった症状を伝え、何に一番困っているのか、主訴を確認し合う。さらに、利き目、コンタクトレンズの使用の有無や使用歴、眼科での手術歴や、緑内障の点眼薬の使用歴、アトピー性皮膚炎やアレルギーの有無、ケガをしていないかなどもチェックを受ける。
- 2眼瞼下垂の状態を診察
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眼瞼下垂症の診断基準の一つである、眉毛を押さえて目を開けた状態での瞳孔の中央部から上まぶたの距離「MRD」や、点眼薬を用いてまぶたを上げる筋肉の一つであるミューラー筋の機能を評価する。これらの結果と見た目の左右差を綿密に評価した上で診断する。その後、術式や治療にまつわる説明が行われ、治療への不安や疑問にも対応。手術を受けるかどうかはその場で決める必要はなく、一度持ち帰ってじっくり検討してもよい。
- 3局所麻酔後、手術開始
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点眼薬とまぶた周辺へ局所麻酔を行った後、手術を開始。手術時間は術式の種類により異なるが、まぶたを上げる際に働く眼瞼挙筋腱膜を操作する「挙筋腱膜前転法」は、1時間15分~1時間45分程度、まぶたや眉毛の下の皮膚を切除する「眉毛下切開術」は1時間程度。術後はすぐに帰宅可能だ。腫れが予測されるためサングラスを持参するとよいだろう。また当日の車の運転や飲酒、激しい運動、長時間の入浴は控える。
- 4翌日の診察、1週間後に抜糸
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手術翌日に傷の出血具合、腫れ具合、異物の混入や手術糸の外れがないかを確認する。この日から洗顔が可能。手術から2~3日後に腫れのピークを迎えるが個人によって程度は異なる。術後1週間で抜糸。抜糸にかかる時間は5分程度。引き続き目をこすらないように注意する。
- 5定期的な診察で、経過観察
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手術から1ヵ月、3ヵ月、場合により6ヵ月後に受診し、患部の状態を確認する。同院では、術後から終了までその都度写真を撮り、経過観察を行っている。右目と左目で左右差がある場合は再手術を行うこともある。特に問題がなければ定期的な診察も終了となる。
自由診療費用の目安
自由診療とは眼瞼下垂手術(両眼)/38万5000円