田村 亮介 院長の独自取材記事
芦屋ファミリークリニック形成外科皮フ科
(芦屋市/芦屋駅)
最終更新日:2024/03/25
阪神本線芦屋駅から徒歩1分と交通アクセスの良い場所に「芦屋ファミリークリニック」がある。長年この地で診療を続けてきた皮膚科を継承する形で開業したクリニックで、その名のとおり、幼児から高齢者まで幅広い層の患者が訪れる。院長の田村亮介先生は、大学病院をはじめとするさまざまな病院で幅広い診療経験を積み、クリニックを開業した。皮膚科、形成外科、美容皮膚科も扱い、疾患や傷の治療はもちろん、手術の痕に対する処置など、審美的な悩みにもしっかり対応してくれる。家族それぞれを元気にして、世界を元気にしたいという田村先生に、クリニックの診療姿勢や特色のある診療について語ってもらった。
(取材日2022年9月7日)
「つくる」ことに興味を持ち、形成外科の道へ
医師になったのはどなたかの影響ですか。
父、兄が内科医、祖父も産婦人科医という環境なので、自然に医師をめざすようになりました。形成外科を専門にしようと思ったのは、研修医時代に乳房再建や小耳症の方の耳を形成する耳介形成術などの手術を見て「つくる」ことに興味を持ったからです。一般的に外科は腫瘍などを取り去ることが治療目的となりますが、形成外科では、取った後に体の組織を使ってつくり直すというところに魅力を感じたのです。外科医・麻酔科医・看護師が協力して手術などを行うチームワークにも惹かれました。また、外傷でできた傷に対して、いかに傷痕をきれいにできるのかを考え、治療をすることにも興味を持ちました。
さまざまな経験を積んでおられますね。
大学病院や市中病院で研鑽を積み、美容クリニックなどで非常勤として美容皮膚科の診療も経験しました。とりわけ形成外科医として第一歩を踏み出した神戸大学医学部附属病院は、現在の私のベースとなっています。また、国内留学の形で獨協医科大学に行き、関東と関西で、形成外科に対する考え方や文化の違いなども学びました。兵庫県立淡路医療センターで、形成外科の立ち上げに携わったことも貴重な経験です。一方で、研究に取り組みたいという思いをずっと抱いており、大学院では診療や教育に携わりながら、研究を行うことができました。一つ一つが、今の自分に本当にプラスになっています。
現在の場所で開業された経緯を教えてください。
この場所には、長い間、地域の方に親しまれてきた藤原皮膚科がありました。その皮膚科を2017年に医療法人社団優和会が継承して「芦屋ファミリークリニック」となり、私の神戸大学大学院時代の同期が非常勤医師をしていたこともあり、私も非常勤医師として週に何回か勤めるようになったのです。その後、2021年に私が継承、開業しました。開業時に名称を変更しようかとも思ったのですが、「家族を元気にすることで、世界を元気にする」という私の医療理念にも合っていると考え、そのまま以前の名称を使用することにしました。この理念に基づき、わかりやすい説明と丁寧な診察、手術を心がけて、ご家族に愛されるクリニックをめざすというビジョンを、スタッフにもしっかりと浸透させていきたいと考えています。
患者を自分の家族だと思い、患者の視点で診る
どのような患者さんが来るのですか。
藤原皮膚科の頃からの患者さんも多く、現在は一般的な皮膚科として来院される方が全体のおよそ7割くらいでしょうか。小さなお子さんから上は90代の方まで、本当に幅広い年齢の患者さんがお越しになりますね。私の父は宝塚で内科のクリニックをやっており、小さい頃から、よく「患者さんを自分の家族だと思うことが大切」と聞かされてきました。自分の身内だと思って、その方の視点で親身になって診るということですね。私自身も患者さんと接する際にはこの父の言葉に従って、ご高齢の患者さんのお話に親身になって耳を傾け、お子さん連れの方にも不安なく受診いただけるよう配慮しています。
診療ポリシーを教えてください。
現在は疾患ごとに診療ガイドラインが策定されており、何年かごとに改訂も行われています。専門の医師が莫大な量の論文を読み、科学的根拠をもとに策定されているもので、診療の際はガイドラインを遵守する形で進めるように心がけています。もちろん、医療は日進月歩で変化しているので、新しい治療法など知識と技術を常にアップデートすることも欠かせません。
注力したい皮膚科の治療はありますか。
ニキビの治療に力を入れていきたいですね。ニキビは診療ガイドラインも策定されている皮膚疾患なので、皮膚科で診療を受けるのが望ましいと思います。顔にできるものなので、当院では美容皮膚科的な視点も生かして、ピーリングといったニキビ痕に対する処置など、自由診療も含めて対応していければと考えています。自由診療は保険診療で改善が見られない場合に検討するものとお考えください。
形成外科ではどのような症状を扱うのですか。
よく知られているのは、切り傷・擦り傷・やけどといったケガの治療や、できものの除去などです。できものの除去については日帰り手術で対応して、病理検査に出してきちんと診断します。また、手術をすると傷痕ができるので、これまで培った経験と知識、技術を生かして、「傷痕をなるべくきれいにする」ことをめざして診療を提供したいと思います。まれなケースですが、傷口に痛みやかゆみなどが表れることもあるので、そうした手術の後のフォローもしっかり対応します。一方、大学院時代に学んだことを生かして、顔面神経の麻痺によって生じる顔面の変形や後遺症に対して、表情を再建するための手術にも今後は注力していきたいと考えています。
幅広い経験とスキルを生かし、地域医療に貢献したい
まぶたの治療に注力しておられますね。
眼瞼下垂や逆まつげの手術なども形成外科の範疇です。眼瞼下垂は加齢でまぶたの筋力が低下しても起こりますが、ハードコンタクトレンズの長期使用や白内障の手術の影響で起こるケースもあります。また、アレルギーなどで目をかく癖がある人もなりやすいといわれています。この疾患の場合、最初は眼科を受診されるケースが多く、眼科のドクターからの紹介で手術を行うこともあります。この場所は長年藤原皮膚科だった関係で一般的な皮膚科という印象がまだまだ強いのですが、当院で眼瞼下垂の手術にもしっかり対応できることを地域の先生方に知っていただきたいですね。
眼瞼下垂の手術について教えてください。
眼瞼下垂による見えづらさが頭痛や肩凝りの原因となっていることもあるので、こうした不快な症状の改善にもつながることが考えられます。また、治療の本来の目的ではありませんが、見た目の印象を変えることも期待できます。まぶたを上げることと同時に自然なまぶたにすることも意識して手術を行うので、非常に精密な手技が求められます。
美容形成、美容皮膚科についてはいかがですか。
今後力を入れていきたいと考えている領域です。手術をする際には、適切な診断が欠かせませんが、皮膚科・形成外科に加え美容皮膚科の経験も積んでいるので、診断には自信があります。脱毛などは美容サロンを利用される方も多いのですが、皮膚科など医療機関でしか使えない機器があります。こうした機器を使うと、やけどなど合併症が起こるケースもあり、問題が発生した際に適した処置が行えるのは皮膚科での施術ならではだと思います。
読者にメッセージをお願いします。
小さなお子さんなら家の中で転倒してケガをした、中高生ならニキビが気になる、中高年の方は眼瞼下垂や手術の痕が気になるなど、世代ごとにさまざまな悩みや問題があり、手術も含めてそうしたご要望にしっかりと対応していくことが私たちの使命だと考えています。ご家族それぞれの悩みに対応し、家族皆を元気にすることを通して、地域医療に貢献し、ひいては世界を元気にしていきたいと願っています。悩みやトラブルがある場合は、どうぞお気軽にご相談に来てください。
自由診療費用の目安
自由診療とはピーリング/1回4000円