出血・痛みなど肛門の悩みはまず相談を
痔の日帰り手術
服部クリニック
(大阪市鶴見区/徳庵駅)
最終更新日:2022/01/19
- 保険診療
痛みや出血、かゆみ、違和感など、人には言いづらい肛門周りの悩み。恥ずかしさなどもあり受診せず、市販薬で対処している人も少なくないだろう。もしそれが「痔」であるのなら、命に即座に関わるものではないため、日常生活に困っていない限り無理に治療・手術をする必要はないと解説するのは「服部クリニック」の服部高史院長。一方で痛みや膿などのつらい症状に悩んでいる患者に対し、翌日には仕事もでき、シャワーも浴びられる日帰り手術も含めた複数の治療選択肢を提案している。肛門からの出血や血便は大腸がんやクローン病など別の病気の可能性もあり、「まずは一度受診を」と呼びかける服部院長に、痔と痔の日帰り手術について話を聞いた。
(取材日2021年12月21日)
目次
出血や痛み、違和感などつらい肛門の悩みはまず受診&相談を。日帰り手術など複数の治療選択肢を知ろう
- Q肛門外科は、どんな症状の方が対象の診療科ですか?
-
A
肛門からの出血、肛門の痛み、イボの脱出といった3つの症状が主な受診理由です。このほか、かゆみや違和感がある方、また、少ないですが梅毒や溶連菌などの感染症により潰瘍ができたり、お尻の皮膚がただれたりといった症状の方もお越しいただいております。当院は痔の日帰り手術が可能なこともあり、40代・50代の働き世代が中心。それまで日常生活に問題がなかったものの、「急に痛みが強くなった」「出血量が増えた」など変化を感じ、受診される方が多いですね。また当院の肛門外科の患者さんは6割ほどが女性です。女性の場合は、もともとあった痔が出産を機に悪化し、何年もたってからようやく診察に至ったという方も少なくありません。
- Q「痔」とはどのようなものですか? なりやすい人はいますか?
-
A
痔の種類は、主に外痔核・内痔核・裂肛・痔ろうです。まず痔核とはイボのことで、誰もがもともと持っているもの。肛門にできる外痔核とその内側にできる内痔核に痛みや出血といった症状があり、内痔核は悪化すると肛門外に脱出します。原因は不明ですが、長時間座り続けることによる血流障害なども原因の一つと考えられます。裂肛は便秘や排便時の気張りなどが原因で肛門上皮が切れた状態、痔ろうは細菌感染により化膿して膿が出ることも。無理に治療する必要はないものの、イボが脱出した、痛みや出血がひどいといった場合は、手術という選択肢もあります。また出血・血便は大腸がんやクローン病などの可能性もあるため受診を検討してください。
- Qどんな診察・検査、治療があるのですか?
-
A
患部を直接診て、診察を行っていきます。女性スタッフがきちんとサポートしますので、女性の患者さんもご安心ください。痔からの出血は確認できないけれど便に血がついているケースでは、大腸がんなど別の病気も考えられます。当院では大腸内視鏡検査も可能ですから、そのような痔以外の病気の疑いがある方は必要に応じて大腸内視鏡検査を実施します。当院では、内痔核には硬化療法や一般的な切除術を行っています。痔ろうであれば、瘻管をくりぬいた上で輪ゴムを通す方法をとっています。その他にも状態に応じて、さまざまな日帰り手術を行っています。
- Q市販薬に頼る人も多い中、医療機関を受診するメリットは?
-
A
市販薬は、本当に痔なのか、別の病気ではないのかを調べておらず、効果が期待できるのかわからない点がデメリットです。痔でなければ薬を塗っても改善しませんし、その痔の種類に効くかどうかもわかりません。痔だと思って市販の薬を塗っていた人が診察を受けたら、実は痔でなくお尻の穴のしわだったという話もあります(笑)。受診すれば医師の診断がつき、どう治療するべきかがわかります。ただし痔だからといって「何がなんでも一刻も早く手術を」というものではないので、まずは受診して状態を知るのが大事だと思います。
- Qこちらで行っている痔の日帰り手術とその流れを教えてください。
-
A
当日は朝・昼の食事を控えていただきます。手術の規模により、局所麻酔または脊椎麻酔の一種であるサドルブロックを打ち、手術時間は30分から長くても1時間程度。術後は少し休んでいただいてから、ご自身の足で歩いて帰宅できます。痔を切除した場合は2~3週間、手術部位にガーゼを当てていただく必要はありますが、翌日からシャワーが可能です。一方、内痔核に行う硬化療法であれば日常生活にほとんど影響はありません。肛門に違和感を覚えたり、排便時に痛みを感じたりすることはあるかもしれませんが、日常生活で大きな不便があることはほとんどないでしょう。手術翌日にご来院いただき、手術部位の診察を行います。