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川口 道也 院長の独自取材記事

東山かわぐちクリニック

(京都市東山区/清水五条駅)

最終更新日:2020/12/11

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東大路通の馬町交差点にある「東山かわぐちクリニック」。外観正面に掲げられたインパクトのある看板は、印鑑に使われる篆書体 (てんしょたい)という書体でクリニック名がデザインされており、川口道也院長の考案だそうだ。2016年に開業する際にこの場所を選んだのは、自身が生まれ育った東山エリアで医療を通じて地域貢献をしたいという想いから。「健康問題で不安なことがあれば、気軽に相談できる窓口の役目を果たしたい」と話す。消化器外科医師として培った経験を地域医療で生かし、患者に寄り添う診療で健康をサポートする川口院長に話を聞いた。
(取材日2020年10月15日)

内科・外科と幅広く診療し、地域に根づいた医療を提供

こちらのクリニックではどのような診療が受けられるのでしょうか?

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内科と外科を標榜しており、風邪や腹痛など一般的な内科疾患をはじめ、糖尿病、高血圧、高脂血症など生活習慣病の治療、切り傷や打ち身といったケガの処置や巻き爪の治療の他、肛門疾患など幅広く対応しています。日本人の痔の保有率というのは結構高めですが、中には肛門科の受診が気恥ずかしくて正しく治療されないまま我慢している方もおられます。きちんと診察して投薬治療を行い、手術が必要な場合は近隣の病院を紹介させていただきますので気軽にご相談ください。また予防医学の観点から、予防接種として高齢者・成人のインフルエンザワクチンや高齢者肺炎球菌ワクチン接種、定期的な健康診断も行っています。そして、学生実習前の各種抗体検査やワクチン接種も行っています。

クリニックを開業したのは、どのような想いからですか?

清水寺に続く坂道の途中に、今は廃校になった清水小学校があるのですが、そこは僕の母校なんです。自分が生まれ育った地元に何か恩返しができればと思い、2016年にクリニックを開業しました。どんなクリニックにしたいか考えた際、「この病気は得意です」「この病気は専門外です」というのではなく、地域の方が健康に不安を感じた時に「とりあえず相談してみよう」と頼ってもらえる、窓口のような存在になれればと思いました。ここできちんと診察を行った上で、対処できるものはしかるべき治療を行い、高度な治療が必要な場合は専門の病院を紹介させていただいています。古巣の京都大学医学部附属病院や京都第一赤十字病院などにも知り合いの医師は多いので、迅速に治療へつなげるようにしています。患者さんの健康を日々見守りながら、心配事に対して適切なアドバイスを行い、治療に導くホームドクターの役割を担っていきたいと考えています。

医師をめざした理由、勤務医時代の経験などお聞かせください。

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うちは医師の家系ではなかったのですが、たまたま見た医学系のテレビ番組の影響で医学に興味を持つようになりました。当時は今ほど放送基準が厳しくなかったのか、結構リアルに手術シーンが放映されていて、普通の小学生だったら目を背けるような映像でしたが「すごい、こんなことができるんだ!」と釘づけになり外科医師に憧れました。京都大学医学部卒業後は第一外科に入局し、最初の5年間は胃や大腸のがん手術だけでなく、肛門外科や乳腺外科など、さまざまな臨床経験をさせていただきました。その後は京都大学病院で、インスリンを分泌する膵島という組織を特殊な方法で分離し肝臓内に移植する治療に関わっていました。がんの血管治療の研究のほか膵臓移植の臨床見学やロボット手術を学ぶためアメリカに留学し、勤務医時代はさまざまな経験を積んできました。

「和顔愛語」を心がけ、患者の話を「傾聴」する

勤務医時代に印象に残っている出来事はありますか?

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研修医2年目の時、母に胃がんが見つかり、助手として手術に関わらせてもらいました。自分の母親なので感情的になるのではないかと思ったのですが、いざ手術が始まると驚くほど冷静で、自分がやるべきことに集中することができました。先輩医師からよく、「患者さんを治療する時は自分の親だと思いなさい」と教えられてきたのですが、母の手術と同じ気持ちで患者さんに向き合うことを、いつも忘れないようにしています。

患者さんと接する際に心がけていることは何ですか?

僕の研修医時代は、大学病院では教授回診というのがあり、医療ドラマのように医師たちが大名行列さながら病棟を回って、患者さんを診察していました。その際、ベッドに横になっている患者さんを医師が見下ろすように話しかける様子が、どうも威圧的に思えてならなかったんです。最近は医師や看護師がベッドサイドで腰をかがめるなどして、なるべく視線を下げて話すようになりましたが患者さんと同じ目線で接する姿勢は病院に勤務していた頃から意識しています。それともう一つ大切にしているのが、「和顔愛語(わげんあいご)」の気持ちです。和やかな表情と、愛ある心優しい言葉で語りかけるという意味ですが、当時京都大学の総長であった井村裕夫先生から教えていただいたこの言葉がとても印象に残っているんです。こちらの精神状態がどうであれ、つらい症状で苦しい思いされている患者さんには優しい気持ちで接するよう常に心がけています。

診療モットーをお聞かせください。

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開業前、大学の総合臨床教育・研修センターという医療従事者を教育する部門に所属していました。そこでよく言われていたのが「傾聴」という言葉です。患者さんの話をしっかり聞きなさいということなんですが、医師が聞き出したいことをただ「聞く」のではなく、患者さんの言葉を耳だけなく目と心も使って「聴く」という、コミュニケーションの取り方や心構えが重要だと教えられていました。「患者さんの言葉が正しい診断を下す」と言ってもいいほど、患者さんの本音の中には診断につながる重要なヒントがあり、患者さんの抱える問題や生活背景まで読み取ることが大事です。またご高齢の方ですと、思っていることを話していただくだけですっきりして、気持ちが元気になられる方もおられますので、能動的に話を聴く姿勢はこれからも大切にしていきたいと思っています。

訪問診療や遠隔診療など、時代が求める医療も実践

ところで、白衣を着ずに診察されているのはなぜですか?

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白衣といえば医師のトレードマークですが、白衣にはどこか権威主義的なものがあり、医師が主導権を持って患者さんより上の立場で接しているイメージを感じてしまいます。普段の血圧は正常なのに、診察時に白衣を見ると緊張して血圧が上がってしまう方もいて、医学書にも白衣高血圧という言葉が実際に載っています。言いたいことが言えない雰囲気をつくってしまっては、正しい診断をすることができないと思い、あえて白衣は着用せず診察しています。ここでは患者さんにリラックスしてもらい、伝えたいこと、望んでいることがあれば、思うがまま話していただけたらと思います。

どのような患者層が来られていますか?

開業当初は地域にお住まいのご高齢の方がほとんどだろうと思っていたのですが、意外といろんな層の方が来てくださっています。京都という土地柄、近隣のホテルに宿泊されている外国人旅行者が受診されることもあり、英語での診療に対応しています。また京都女子大学に近いので、学生さんも多いですよ。大学の友達や先生に教えてもらって来院される方もいれば、近くで妻が婦人科クリニックを開業していますので、そこからの紹介で来られる方もいます。逆に腹痛で内科を受診されたけど婦人科疾患が疑われる場合や婦人科のかかりつけ医を持っておらず困っておられる方に、こちらから妻のクリニックを紹介するようにしています。あと地元なので、小学生時代の友達や友達の親がかかりつけにしてくれているのはうれしいことですね。

今後の展望をお聞かせください。

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患者さんの中には高齢で足腰が悪くなり、通院が難しくなってしまう方もおられます。東山も高齢者が多いエリアで、今後はそうした方が増えることも予想されますので、定期的な往診を積極的に行っていくつもりです。また感染症予防対策も兼ねて、遠隔診療も取り入れていきたいと考えており、安全に使用できる精度の高い通信システムを構築して設備を整えているところです。IT機器を使いこなすのはご高齢の方にとってはハードルが高いことかもしれませんが、新しい物を取り入れながら時代に合った診療を視野に入れていきたいですね。今後も気になる症状がある時や健康に関する相談がしたい時に、気軽に相談できるホームドクターとして、地域に貢献していきたいと思います。

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