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所 隆昌 院長の独自取材記事

藤クリニック

(一宮市/新木曽川駅)

最終更新日:2021/10/13

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診察室にかかる藤色のカーテンが、白を基調とした院内に映える「藤クリニック」。院長を務めるのは、数々の病院で外科処置を担当してきた所隆昌先生。開院から約1年、患者のためになる医療を第一に考え、地域に根差した治療を行っている。必要を感じて訪問・往診治療を開始したのもそのためだ。2階には広々としたリハビリテーション室を備え、取材中も「健康クラブ」に参加するシニア層の元気な声が聞こえていた。「今後は、訪問・往診治療にリハビリテーションを加え、さらに介護ステーション機能もつくっていきたい」と展望を語る。また、外科出身である経験を生かし、肛門の治療を積極的に行っているのも特徴の一つだ。そんな所院長に、診療方針や患者への思いなどをたっぷり聞いた。

(取材日2017年3月1日)

20年以上にわたる外科の経験を地域医療で生かしたい

はじめに、先生のご経歴や専門などをお聞かせください。

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名古屋大学医学部を卒業。当時、がんの治療はとくに有効な抗がん剤もなく、外科手術だけが唯一の根治治療でした。そのため外科の根治性に憧れて、外科の道に進みました。いまもその部分はそう変わってないと思います。そして大学卒業後は江南厚生病院や公立陶生病院などに勤務。名古屋大学に戻ってからは肝移植・肝臓外科を専門とし、藤田保健衛生大学病院では肝・脾外科講師を務めていました。その後、50歳を前にして開業を考え、愛知県での勤務が長かったので、病診連携もしやすいこの地を選びました。

外科を専門としていた先生が、50歳で開業を決意されたのはなぜですか?

じつは、スポーツ選手に引退があるように外科の医師には定年があると考えています。やはり、年齢とともにパフォーマンスは確実に落ちるんです。とくに藤田保健衛生大学では肝臓手術の定型化や肝臓の腹腔鏡手術など新しい手術に挑戦してきました。やりがいを感じていましたが手術で失敗は許されません。体力の低下とともにどこかで限界が来ると感じていました。術後の経過も重要で急変時に対応するためいつも病院のそばで生活していました。45歳を越えてから外科の医師として第一線で働き続けることはあと数年と思っていました。管理職として働く可能性もありましたが臨床医として現場で働き続けるためには開業しかないと決意しました。

開業されて約1年、患者層に特徴などはありますか?

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患者さんは、近くにお住まいの徒歩や自転車で来院される方が多いです。当初、駐車場が13台しかなくて心配していましたが大丈夫でした。その分、寒い日や雨の日は患者さんが少なくなります(笑)。そして、半分くらいの患者さんがリハビリテーションに通っています。高血圧や糖尿病など生活習慣病の方で、大きい病院で投薬治療を開始されて、薬は当クリニックで処方するという方も多いです。車の運転ができない患者さんは、よほどの大病でなければ大きな病院へ通うのは大変ですからね。ただ、痔の治療の患者さんだけは遠くからもいらっしゃいます。ホームページを見た方や、周辺の病院からの紹介が多いですね。

日常生活動作(ADL)機能を維持するために

リハビリテーションを取り入れた理由などをお聞かせください。

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これまでの経験から術後のリハビリテーションを積極的に行うことで術後の経過がまったく違ってくることを体験していました。高齢者の方は、手術後にそのままだと寝たきりになってしまうことが多いです。しかし、リハビリテーションを取り入れることでとても元気になるんです。術前と変わらない姿で退院していくのを大学病院時代に見ていて、高齢の方を診療していく以上、絶対に必要だと思いました。そして、リハビリテーションを行っていると整形外科の患者さんも自然と増えますので、週1回整形外科の先生に来てもらっています。また、夜になると中高生のためのスポーツ外傷をメインとしたリハビリテーションを行っています。最近はスポーツ外傷に限らず、スマートフォンの普及で頸部の不調を訴える若年層が多い印象です。スマートフォン症候群といわれるのですが早期に治療すれば改善が期待できるのでどんどん利用してほしいです。

高齢者向けに、健康教室を開いていると伺いました。

はい。食事や移動、排泄、入浴といった、人が生活するうえで基本となる日常生活動作。ADLといわれているのですが、この機能を末永く維持していただきたいという思いから、「健康クラブ」を週2回開催しています。通常のリハビリテーションとは異なり、患者さんが自発的に自分の体をストレッチしたり、体力アップできるようなプログラムです。腰痛になった人を治すのではなく、腰痛にならない体をつくる。予防を主体とし、自宅でもできることを指導しています。「寝たきりになりたくない」とお考えの方は多く、参加されている皆さんのモチベーションは高いですね。

遠方の患者も来院する痔の治療について教えてください。

僕が痔の治療に関わるようになったのは2000年頃からです。肛門外科が評判のクリニックに、大学病院から派遣されて週1回アルバイトに行ったことがきっかけ。イボ痔の治療は切除が唯一の治療法で手術となると約1週間の入院が必要でしたが2005年に痔核硬化療法の薬が承認されてからは注射による日帰り治療が可能になりました。ただし今でも切除が必要なイボ痔もあります。当院では切除する場合も局所麻酔で日帰り手術を行っていることが特徴です。また肛門皮垂はイボ痔のあとの皮膚がしわになった状態をいいます。痛みはないのですがかゆみの原因となることや整容性から切除を希望される患者さんが多いです。

痔の手術について詳しく教えてください。

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痔にはイボ痔、切痔、穴痔(痔ろう)があります。その中でイボ痔の治療は痔核硬化療法の登場により大きく変わりました。かつては1週間ぐらいの入院治療が必要でしたが、いまでは日帰りで治療できるようになりました。ただし治療効果が期待できるかわりに合併症もありますので治療前にはどんな合併症があるのかよく聞いておくことが大切です。治療後は痛みもほぼないので通院が面倒になりがちですが遅れて発見される合併症があるので担当医の指示に従って通院してください。イボ痔でも外側にできる外痔核には注射はできません。当院では外痔核切除まで日帰りでできますので相談してください。

地域に根差し、最期まで患者を診ていきたい

診療の際に、心がけていることはありますか?

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地域の「かかりつけ医」として患者さんを選ばないことを心がけています。そもそも大学病院で手術をうける患者さんは高血圧や糖尿病などの合併症があることも多く、術前には自分のできる範囲で対応して必要な時には専門の診療科に相談していましたので一般的な病気の管理や応急対応は可能です。クリニックに来院される患者さんは近所に住んでいるひとが多く、移動も徒歩や自転車の人がほとんどです。何科を受診したらいいかと相談にみえる方もいます。これも「かかりつけ医」の大切な使命だと思っています。

訪問・在宅診療も始められたそうですね

現在いらしている患者さんが、通院困難になったり、調子が悪いときに対応するために往診をはじめました。歩くのが大変なのに頑張って通われている方も多くて。定期的に来院している方が急に来なくなると心配ですしね。末永く、最後まで患者さんを診ていきたいと思っています。ただ、訪問治療は原則月2回なんです。それだと様子がよくわからないので、リハビリの先生や看護師の訪問などを組み合わせた在宅医療の分野を拡大したいです。そして、将来的に看護ステーションも作りたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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当院では皆さまがはつらつとした毎日を過ごせるように少しでも力になれればと思い仕事をしています。リハビリを始めた理由もそこにあります。またリハビリの考え方も時代とともに変わってきており、高齢者だけでなく若い世代もスマートフォン症候群などによりリハビリが必要な方が多くなりました。まだまだ開院1年目ですがこれからもどんどん進化していこうと思ってますのでよろしくお願いします。

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