忍田 拓哉 院長の独自取材記事
立石おしだ眼科
(葛飾区/京成立石駅)
最終更新日:2024/12/03

京成立石駅から徒歩2分。「立石おしだ眼科」は、現在工事が行われている再開発エリアに隣接している。戸建ての建物の中に入ると、清潔感あふれる待合室が広がり、懐かしい雰囲気が漂う。忍田拓哉院長は、「ご高齢の患者さまも落ち着けるよう、身近な雰囲気にこだわっています」と話す。同院では網膜疾患や角膜感染症、結膜炎、白内障、緑内障、ドライアイといった目に関するさまざまな疾患の診療を行っている。忍田院長は、地域の目のかかりつけ医として、患者の話に耳を傾ける丁寧な診療に努め、子どもの対応も得意としている。「診療方針は、わかりやすく、優しく、寄り添うことです」と熱く語る忍田院長に、患者との信頼関係を築く上で大切にしていることを中心に、話を聞いた。
(取材日2024年10月31日)
3代にわたり下町に根づく目のかかりつけ医
これまでのご経歴を教えてください。

東邦大学医学部卒業後、同大学の眼科学第一講座に入局しました。その後、同大学大学院に進み、臨床の現場とともに、目の中に細菌が感染して炎症を起こす細菌性眼内炎などに関する研究に従事していました。大学院修了後、西横浜国際総合病院や東邦大学医療センター大森病院を経て、2007年に生まれ育った立石で開院しました。当院は私の祖父が大正時代に、この地域に「忍田眼科」を開院したのが始まりで、そちらは母が引き継いだ後、駅北側の再開発が本格的に始まった2018年に閉院しています。私は、独立後も、母の診療所で週1回診療を担当し、その頃の患者さまの中には引き続き「立石おしだ眼科」に通っていただいている方も多数いらっしゃいます。
どのような悩みを持つ患者さんが来られますか?
目のかかりつけ医なので、定期的に診ている患者さまもいれば、見えにくいといった困り事で来院される方もいます。疾患としては白内障や緑内障が多く、他に角膜炎や結膜炎、加齢黄斑変性、麦粒腫、飛蚊症など、さまざまな疾患を診ています。白内障手術や加齢黄斑変性の硝子体注射など、当院では対応していない手術や治療に関しては、連携病院に紹介しています。また、当診療所には白内障手術の術前と術後の検査に必要なスペキュラーマイクロスコープや後発白内障を治療するためのヤグレーザーを備えていますので、他の病院で白内障手術を受けられた患者さまの診療にも対応しております。
ドライアイの患者さんも多いのでしょうか?

目がゴロゴロする、違和感があるなど、不定愁訴を訴えて来院された患者さまが、実はドライアイだったケースは多いですね。日本ではドライアイの方が2000万人以上いると推定されていて、角膜の乾き具合からドライアイが疑われる患者さまに目薬を処方すると、多くの場合改善が期待できます。点眼で改善しない場合は、涙の排水口ともいえる涙点に栓をして涙をためるための涙点プラグでの治療やゼリー状のもので涙点をふさぐ治療を提案しています。予防策としては、目を温めるためのホットアイマスク等がお勧めです。温めることで、目の表面に脂の分泌量が多くなり、涙に溶けた脂が膜になり、涙の蒸発を抑制します。
患者の立場に寄り添うことを重視
クリニックの診療方針を教えてください。

1つ目は、患者さまが安心して来院できる診療所。2つ目は、来院した患者さまが満足され、癒やされ、再度来院したくなる診療所。3つ目は来院した患者さまがご家族や大事な人を連れてきたくなる診療所の3つを柱として患者さまに対応しております。患者さまはいろいろな症状や不安を持って来院されます。特に初診の患者さまは不安な気持ちでいっぱいです。その不安を拭うため、スタッフ全員が患者さまに対して優しく思いやりのある対応を心がけています。また、その不安を拭うためには「患者さまを受け入れる姿勢」も大事な要素と思っています。患者さまのお話を丁寧に伺わせていただきます。
他に患者さんとのコミュニケーションで気をつけていることはありますか?
「優しく」「わかりやすい説明」「寄り添う」ことを中心に患者さまとコミュニケーションを取っております。まず患者さまのお話を丁寧に聞かせていただき、考えられる病気をいくつか頭に浮かべます。その後、診察して診断を導き出します。なかなか自身の症状を言葉にすることが難しい患者さまもいらっしゃいますが、ゆっくりと時間をかけてお話を聞かせていただくことによって、考えられる病名がわかってきます。また、お話を丁寧に聞かせていただくことによって、患者さまとの信頼関係にもつながり、より多くの情報を共有していただくことが可能になると考えています。それは病気の診断には、とても重要と考えております。時には診察に関係のない猫の話やお孫さんの話になって脱線してしまうことも多々あります(笑)。
患者さんの立場で常に考えられているんですね。

病気の説明に関しても、極力専門用語を使わず、わかりやすい言葉で病状を説明しています。病気の成り立ちを理解していただくことによって、治療に対してより協力的になっていただけると考えています。わかりやすい言葉は治癒への近道になると思っています。また、治療についてですが、治療方法は一つだけではありません。患者さまの立場はそれぞれ異なるので、その患者さまに合った治療方法を提案させていただき、相談の上進むべき方向を決めていきます。何か疑問点があれば、常時質問をしていただけると助かります。その人その人にとって良い治療法を見つけていけたらいいなと思っております。
お子さんの診療も得意だと伺いました。
まず、目とは関係のない話から始めて、緊張を和らげることが大切です。来院時に不安を感じている様子だったら、「今日は写真を撮ったらおしまいにしようか」と話して、距離を空けて撮影できるポータブルタイプのカメラを使います。モニターに画像が映し出されるので、怖がらせることなく診察できるのです。目に光を当てるためのスリットランプもポータブルのものがありますので、さまざまなアプローチでお子さんの診療を行っています。最近は近視のお子さんが増えています。小児の近視については、就寝時のみ特別なコンタクトレンズを装着して角膜の矯正を図るオルソケラトロジーなどを行っています。近視であることで、将来緑内障や網膜剥離といった疾患を患うリスクが高くなりますので、小児期からのアプローチを大切にしています。
些細なことでも気軽に来院できるクリニックでありたい
スタッフさんへの指導はどのようなことをしているのでしょうか?

患者さまにとっては当たり前のことですが、優しく対応をしてくださいと指導をしております。具体的には「大切な人と接する気持ち」で対応してくださいとお願いしています。「目を見て話す」、「笑顔」、「清潔さ」も重要な要素と考えています。また、患者さまに不快な思いをさせないようにも指導しております。そのためには、「常に患者さまの立場になってください」とお願いしています。患者さまの立場になることで、いろいろなことが見えてきます。常にそのような意識を持った行動をすることが重要と思っております。
地域のかかりつけ医として感染症対策にも力を入れているそうですね。
平日の午前と土曜の午前・午後は予約制にしています。待合室にたくさんの患者さまが滞留するのを防ぐためでもあります。5類感染症に移行したとはいえ新型コロナウイルス感染症やマイコプラズマ肺炎等の感染症には気をつけなければいけません。当院では各部屋に空気清浄機と二酸化炭素濃度測定器を配備し、常時窓を開けております。既定の濃度を超えると、窓を大きく開けて換気を促しています。また、平日の午後は予約制でも対応していますが、何か困ったことあれば気軽に受診できるよう順番での対応もしております。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

些細なことでも気になることがあれば、いつでもいらしてください。患者さまの中には「こんなことで受診してもいいのかしら?」と悩まれる方がいます。些細な症状の中にも放っておけない病気が見つかることもあります。また、緊急性のない病気もありますが、来院していただければ病気の程度がわかり、不安や心配がなくなります。緊急性がない病気には「心配は無用ですよ」とお伝えし、その言葉によって安心してくださる患者さまも多くいます。ですので、不安なことや心配ごとがあればいつでもいらしてください。当院は目のかかりつけ医として存在しています。当院が患者さまにとってよりどころになるような場所でありたいと思っております。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー(両眼)/15万円~