矢部 陽典 院長、矢部 裕子 副院長の独自取材記事
Y&Y歯科クリニック
(筑紫野市/原田駅)
最終更新日:2024/07/22

原田駅前の住宅街を10分ほど歩くと見えてくる、傾斜屋根が特徴的な「Y&Y歯科クリニック」。矢部陽典(やべ・ようすけ)院長と矢部裕子副院長が、子どもから高齢者まで「あらゆる世代のかかりつけ歯科医院」をめざして、2015年に開業した。特に、成長に関わる小児の歯並びや噛み合わせ、長く健康に過ごすための予防歯科に注力し、歯を傷つけにくいメンテナンスも取り入れている。「地域の皆さまのQOLの向上に貢献したい」と話す陽典院長と、「生涯にわたって自分の歯で食べられるようにしたい」と話す裕子副院長。息もぴったりな2人に、予防歯科への思いや治療の考え方などについて話を聞いた。
(取材日2024年4月18日)
予防に注力し、あらゆる世代のかかりつけ歯科医院に
最初に、お二人の開業までのご経歴を教えてください。

【陽典院長】父の転勤が多く、私は子ども時代に転校を繰り返しました。それが大変で、自分は何か手に職をつけて仕事をしたいと考え、医療系をめざすことに。歯学部卒業後は、一般の歯科医院に勤務しました。経験を積むうちに、この先生のもとで勉強したいというのが見えてきて、歯周病に力を入れている所、インプラント治療を得意としている所など、数軒の歯科医院で研鑽を積みました。
【裕子副院長】私は、子どもの頃から細かい作業が好きだったんです。高校生になり進路を決める時に、歯科医師もいいかもしれないと。オープンキャンパスに行った際に歯学部の先生方と話してみて、興味が湧いたので歯学部に進学しました。卒業後は、大学での初期研修を経て、鳥栖市内の歯科医院に勤務しました。お子さんから高齢の方まで来られる歯科医院で、口腔外科やインプラント治療、予防歯科など幅広く経験を積みました。
この場所で開業した理由を教えてください。
【陽典院長】人口も増えつつあり、小さなお子さんから高齢の方まで幅広い世代が住んでいらっしゃることから、ここなら私たちがめざす、生涯にわたって患者さんの健康を支える「地域のかかりつけ歯科医院」ができるのではと思いました。
地域のかかりつけとして、予防歯科に力を入れているそうですね。

【陽典院長】ええ。治療をした部分は人工物に置き換わりますので、一生持つものではありません。ですから、天然の歯をできるだけ残すための予防歯科を重視しています。ただ、予防歯科といっても、患者さんの楽しみを制限したり、磨き残しを厳しく指摘したりといったことまではしたくありません。患者さんと歩調を合わせながら、適度な予防歯科の診療をしていけたらと考えています。
【裕子副院長】私たちは、患者さんとしっかりとコミュニケーションを取り、生活背景を理解しながら必要なケアを行ったり情報をお伝えしたりする、オーダーメイドの診療を心がけています。
歯を傷つけにくいスウェーデン式のメンテナンスを実施
どのような患者さんが多く来院していますか?

【裕子副院長】当院は、小児の患者さんの割合が高いですね。その親御さん世代や、お年を召した方もいらっしゃいます。開業当初と比べると、治療を終えてメンテナンスで来られる方が年々増えてきました。予防への意識が高まっている表れでもあり、たいへんうれしく思っています。
【陽典院長】予防が大事ではありますが、歯を失ってしまった場合の治療として、インプラントを希望される方も一定数いらっしゃいますね。インプラント治療に関しては私がメインで担当しますが、2人とも幅広く経験を積んでいますので、特に担当を分けることはせず、カバーし合いながら診療しています。なお、小さなお子さんで、女性の歯科医師がいいという患者さんには副院長が対応しますので、ご安心ください。
お子さんの治療で心がけているのは、どのようなことですか?
【裕子副院長】近年は、歯並びや噛み合わせに関する親御さんの意識が高まっているように感じています。噛み合わせは、姿勢や睡眠など、子どもの成長にも影響を与えることがわかってきました。当院では、マウスピース型装置を用いた矯正などを行いながら、大人の歯に生え替わった時に機能も見た目も整った歯並びとなるよう導いていきます。恐怖心が強いお子さんに対しては、歯科が嫌いにならないようにということも心がけています。途中で泣き出しても、帰るときは笑顔でバイバイと言えるようにしてあげたいですね。最初は泣いてばかりでも、回数を重ねるごとに慣れてきて、ある瞬間にガラッと変わるお子さんは、結構いらっしゃるんですよ。成長に合わせた治療やメンテナンスを行っていきます。子どもの頃から予防歯科に取り組むことで、虫歯ゼロで成長して、大人の予防ケアに移行していけば、健康な歯を維持できるのではないでしょうか。
大人になると歯周病のケアが重要になるんですよね。

【裕子副院長】早い方では30代ぐらいからリスクが上がってきますから、要注意です。歯周病が怖いのは、初期は痛みがあまりなく、何か症状が出たときには、既に進行しているところなんです。継続的に予防歯科に取り組み、生涯自分の歯で食べてもらうことが、私たちの一番の願いです。
【陽典院長】当院では、スウェーデンに毎年勉強に行かれている歯科衛生士の方を招いて、定期的に勉強会を開催しています。ですから、当院の歯周病のケアは、予防歯科の先進国であるスウェーデンの考え方を軸にして取り組んでいると言っていいでしょう。具体的に言うと、パウダーメンテナンスといって、微粒子を歯に吹きつけて、プラーク(バイオフィルム)や着色を落としていく方法です。器具を使った歯石取りに比べて歯の表面を傷つけにくく、スピーディーに汚れを除去することがめざせます。これを保険診療で行っているのも、当院の特色の一つです。
長く健康に過ごすための口腔機能に関する診療にも注力
患者さんに接する時に大切にしていることを教えてください。

【陽典院長】初診カウンセリングは診療室とは別室で行い、患者さんが何を望み、どんな思いで来られているか、ということをじっくりお聞きしてから、検査を行い治療計画を立てるようにしています。また、患者さんと日々接するスタッフの教育にも力を入れており、月に一度、外部講師によるセミナーやグループワークを通して、業務課題の改善に努めています。
【裕子副院長】当院には20代から50代まで幅広い世代のスタッフがいるんですよ。「どんな人が感じがいいか」ということを、それぞれの立場から意見を出し合い、共通認識を深めました。話し合った結果を項目にまとめて、全員で気をつけていこうと、取り組んでいるところです。
器具の滅菌や院内設備の整備にも力を入れているそうですね。
【裕子副院長】自分がしてほしい、あるいは家族にしてあげたい治療を提供するという理念のもと、滅菌は開業当初より注力しています。患者さんにはわかりにくいところかもしれませんが、一つ一つの作業を手を抜かず行っています。使用後の器具は高性能の洗浄機で汚れを落とし、厳しいヨーロッパ規格をクリアしたクラスBの高圧蒸気滅菌器を使って滅菌しています。また、換気システムにより、院内は常にクリーンな環境となっています。
【陽典院長】CAD/CAMシステムを導入しており、白い詰め物を一日で作製することが可能です。また、肉眼の約80倍まで拡大できるマイクロスコープを使用して精密に治療することで、歯の保存につなげます。今後は歯科衛生士もマイクロスコープを使えるようトレーニングをしていきたいですね。処置の過程を撮影できるマイクロスコープの機能を生かして、患者さんの納得度がさらに高まるケアをしていけたらと思います。
最後に、読者へのメッセージと今後の展望をお聞かせください。

【裕子副院長】お子さんから高齢の方まで、あらゆる世代のかかりつけ歯科医院でありたいという思いは、開業時より変わりません。今後力を入れていきたいのは、小児の矯正や口腔機能の分野ですね。口呼吸を是正し、機能も見た目も整えることで、長く健康に過ごせるための入り口を作ってあげられたらと思います。
【陽典院長】副院長が言ったように、地域の皆さまのQOLの向上に貢献したいというのが第一です。口腔機能の低下は高齢者にとって大きな問題ですから、嚥下や舌圧、唾液の分泌などに関する診療にも注力していく予定です。家族全員で予防に来ていただける歯科医院をめざし、これからもスタッフ全員で研鑽を積んでいきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万5000円~、小児1期矯正/40万円~