痛みや異変が出る前にすばやく察知
健康な口腔を維持する定期検診
くりの木歯科
(松山市/宮田町駅)
最終更新日:2022/09/30
- 保険診療
歯を削ったり抜いたり、歯科医院は痛い治療をするところというイメージを持っている人は多いのではないだろうか。ただ、それは虫歯や歯周病が進行してしまった場合のこと。予防歯科に注力する「くりの木歯科」では、患者一人ひとりの口腔内をしっかり把握し、虫歯や歯周病のリスクを管理。痛みが出る前の早期発見・早期治療に努めている。「歯科医師や歯科衛生士の役割は治療だけではありません。痛みや不具合の出る前段階から介入し、健康的なお口の状態を維持していくことこそが重要なのです」と話す栗原幸司院長に、定期的なメンテナンスを受けることの意味を教えてもらった。
(取材日2022年9月14日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q定期検診とはどのような目的で行われているのでしょうか。
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A
虫歯の予防と歯周病の管理。これが定期検診の目的です。虫歯もいきなり穴があくわけではなく、初期の段階で発見できれば削らずに治療する方法もあります。ですから、悪くなる前、痛くなる前の状態で食い止めるためにも、定期的に診て、メンテナンスを行うことが重要なのです。また、虫歯をつくらない口腔環境を維持する第一歩は、患者さんが自分の口の状態を知ることから。生まれ育った環境や生活習慣、考え方などが口腔環境に大きく影響してきますから、丁寧な問診によりそれらを確認し、患者さん一人ひとりのリスクを把握。注意するポイントを確認し合うというプロセスを大切に考えています。
- Q始める時期やタイミングはあるのでしょうか?
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A
痛みや不安を感じて来院される人が多いのですが、何もない段階から来ていただくのが一番です。特に歯を失う原因の多くを占める歯周病については、早めの介入が肝心。初期の歯周病は緩やかに進行していくので、歯科衛生士によるケアで状態を維持することが可能ですが、中等度以上になると一気に進行してしまうため、元の状態に戻すのはかなり困難になります。歯周病は認知症や心臓・血管の病気、糖尿病との関わりも深いことがわかってきており、老後を健やかに過ごすためにも、若いうちから定期検診を受けていただきたいと思います。
- Q小児の歯科検診において重視しているポイントを教えてください。
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A
乳歯列が完成するまでと、臼歯が生えてくる時期、永久歯への生え替わりの時期とそれぞれに考え方が違うので、お子さんと親御さんにケアの仕方や食生活で気をつけるポイントをお伝えして、デンタルIQを高めていくことに努めています。また、数ヵ月に1度のメンテナンスより、家庭での毎日のケアが大事ですから、日常生活の中で虫歯予防に役立つ方法や情報もアドバイスしています。例えば、虫歯予防にはフッ素塗布や歯磨きも大事ですが、中でも簡単でかつ高い予防効果が期待できるのが糖分摂取のコントロールです。甘いものを取る時間や回数をコントロールするという考えを取り入れるだけなので、無理なく始められると思います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診票に記入し、問診を受ける
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初診の場合、待合室で問診票に記入し、その内容をもとにスタッフによる問診を受ける。来院の理由やこれまでの歯科治療歴、生活習慣、服薬している薬などの聞き取りに加え、患者の要望もヒアリングしていく。不安に感じていることや疑問などがあればこの時に聞いておこう。
- 2口腔内撮影やエックス線検査で状況把握
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問診後、詳しい検査へと進む。まず、患者の最初の状態を記録しておくために、口腔内の写真を撮影。エックス線撮影には、パノラマとデンタルという2種類の撮影装置を採用。まず歯列と顎全体を撮影できるパノラマエックス線でスクリーニングをした上で、局所的に撮影するデンタルエックス線で虫歯の詳しい状況や歯周病の進行具合を正確に確認するという流れだ。また歯周ポケットや歯茎の炎症具合など歯周病の検査も行う。
- 3必要に応じて治療を行う
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検査の結果、虫歯や歯周病が見つかった場合は治療を開始。治療を行う前には、撮影したエックス線写真を見ながらチェアサイドで歯科医師が説明をしてくれるので、不安に感じていることがあれば確認を。歯周病の治療は、初期から中等度の段階であれば歯科衛生士によるケアが中心だが、重度の場合は外科治療も選択肢に入れて治療計画を立てていく。
- 4歯科衛生士による口腔内のクリーニング
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治療が完了したら、歯科衛生士による口腔内のクリーニングを行う。ブラッシングでは取りきれない歯の汚れや歯石をスケーリングで取り除き、口腔内を清潔な状態にする。その際には、正しい歯磨きの仕方や食生活のアドバイスなど、家庭でのメンテナンス指導も。
- 5数ヵ月に1度通院し、メンテナンス
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健康な口腔内を維持するには、定期的なメンテナンスを継続することが大切。通院の頻度は、患者の歯周病の程度や虫歯リスクなどによって異なる。仕事や学校など、生活に無理のない範囲で通うタイミングを相談できる。