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井上 俊哉 院長の独自取材記事

いのうえ耳鼻咽喉科

(枚方市/香里園駅)

最終更新日:2019/08/28

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京阪本線・香里園駅から歩いて3分。関西医科大学香里病院のすぐ裏手のメディカルモールに「いのうえ耳鼻咽喉科」ができたのは2015年のこと。バリアフリーの明るい院内は清潔感にあふれ、ぬくもりある照明ややわらかな色使いのソファーが優しい空間を演出する。「少しでもリラックスいただけるよう、内装は私がデザインしたんです」と、にこやかに出迎えてくれたのは、大学病院を中心に約30年におよぶ臨床経験をもつ井上俊哉院長。頭頸部がんなどを専門とするドクターでありながら、小さな子どもから高齢者まで、誰もが気軽に通えるクリニックをめざして地域医療に取り組んでいる。そんな井上院長に、クリニックの特徴や診療に対する考え方、患者への思いなどをじっくり聞いてみた。
(取材日2018年5月14日)

誰もが安心して通える環境をめざして

まずは、この場所で開業した経緯を教えてください。

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もともと関西医科大学で耳鼻科を志した時点で開業というのが念頭にありました。京阪沿線には母校の関連病院がいくつかありますので、そのエリアからあまり離れたくないという思いがありましたが、3年前、ちょうどこのメディカルモールが建つというお話を聞き、二つ返事で手を挙げたわけです。ちなみに、開業前は頭頸部がんの治療を専門にしており、首から上の脳と眼球を除いた部分が守備範囲でした。例えばですが、がんを取り去って一命を取りとめたとしても、顔の半分を失った方がそのまま社会復帰できるかといえば、それは極めて難しいわけです。そのためには「再建」という失った部分を作りなおすことが必要で、「病気を治すこと」がゴールではなく、「患者さんが社会復帰できること」こそがゴール、そんなところをめざして医療を行っていました。

どのようなクリニックをめざしましたか?

まずはバリアフリー環境ですね。耳鼻科だからこそ、どんな人でも通いやすい造りにしようと考えました。ベビーカーや車いすで入りにくいようでは困りますし、靴を脱ぎ履きするだけでも手間がかかるでしょう。耳鼻科の患者さんというのは働き盛りの人よりも、むしろ子どもやお年寄りが多いんです。そんな弱い立場の患者さんが安心して利用できる環境が絶対に必要だと思いました。院内のインテリアは皆さんがリラックスできるようソフトなイメージを心がけ、待合室にはキッズコーナーやカーテンで仕切る授乳スペースを設けて小さな子どもの患者さんやお母さん方も安心して過ごせるようにしています。

長い付き合いの患者さんもいるそうですね。

私が勤務先を変えるたびについてきてくれる、何年越しの患者さんが50人以上おられます。長い方では20年以上付き合っている患者さんもおられますよ。大学を離れるときに、「引き継ぎの先生に申し送りをしておきますから、しっかり診てもらってください」とお伝えしたつもりだったのに、何年かたってから「やっぱり井上先生に診てほしい」といって、わざわざ探して来られた方も何人かおられました。どこを気に入っていただいたのかはわかりませんが、医師としてはこんなにありがたいことはないと思っています。

日曜診療とは珍しいですね。

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はい、耳鼻科では珍しいと思います。開業時、私もそれなりの年でしたし、単純に他院と同じことをやっていたのでは駄目だと思って始めたのがきっかけです。おかげで認知度も上がりましたし、それこそ日曜しか通院できない方もおられますから、そのような患者さんには喜んでいただけていると思います。あと、やはり病院の待ち時間というのは永遠のテーマですよね。当院ではなるべく短縮するために予約システムも工夫し、ご自身の順番がどれぐらいかを待合室のモニターに表示するだけでなく、院内での待ち時間短縮の目的でインターネットでご自宅のPCでもスマホでも確認できるようにしました。そろそろ順番が近づいてきたから家を出ようと、そんな感じで時間を有効活用していただけます。初診でも調整して対応しますのでご安心ください。

大切なのは見せて説明すること

どのような診療を心がけていますか?

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大学などの基幹病院で外来をやっていると、開業医さんからの依頼で患者さんを引き継ぐことがあります。そのときに「前の先生はどう言ってました?」と聞くと、多くの患者さんがあまり説明を受けていないんですね。自分のどこが悪くて、どんな治療をしているかすらもよくわかっていないというケースが非常に多く、こんなことでいいのだろうかという想いをずっと胸に抱えていました。耳鼻科の開業医の中には1日に何百人もの患者さんを診る先生がおられますが、私にはできません。私はゆっくり時間をかけて話を聞いて、説明をしていきたい。もちろん処置もしっかり行う。そんな診療を第一に心がけています。

診察室にはモニターがありますね。

検査や診断でよく使うのは軟性内視鏡(ファイバースコープ)ですが、これを使って、耳鼻喉、あらゆるところの写真を撮ります。その画像を診察室にある2つのモニターで患者さんも見ることができます。検査が終わるともう一度画像を表示して、それを確認いただきながら説明するようにしています。エコー写真や聴力検査なども含めて1個のデータファイルに一括管理することが可能で、画像も鮮明なので以前に撮った画像と見比べると経過が非常にわかりやすいと思います。以前より良くなった、悪くなった、治ったというのを実際に目で見て確認できますから、信頼関係や患者さんのモチベーションにも大いに影響してくると思います。

こちらで日帰り手術は受けられますか?

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鼓膜の切開や、鼓膜チューブ留置術、アレルギー性鼻炎に対するレーザー治療など、診察室レベルでできる範囲の小手術的な処置はやっていますが、鼓膜閉鎖を含めた中耳炎手術や鼻ポリープ切除を含めた鼻副鼻腔手術は行いません。その理由は、術後の責任が持てないからです。開業医というのは外来が終われば医院を閉めて自宅へ戻ります。そのため患者さんの容態に何か変化があってもすぐに適切な対応ができません。もし手術が必要なケースであれば、大学病院や近隣病院との連携がありますから、しかるべきところをきちんとご紹介するようにしています。

患者から教わることがたくさんある

院長が医師になったきっかけは?

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父が外科の開業医で、その姿を見ていましたから、小さい頃から自分も医師になるとは思っていました。その父は今年、90歳の大往生で亡くなりましたが、生前は古風というか昔ながらの考えを持ち、常に自分が一番で偉いと思っているようなタイプでしたね。今の時代、そのような医師ではいけないんだと、それを反面教師として教えてくれた意味では感謝すべきかもしれません。私のポリシーは、患者さんからいろんなことを教えていただいてると考え、決して「自分が治した」などと慢心しないことです。それが長く臨床をやってきた結論で、やはり患者さんの立場に立って手厚く診ていかねばと常々思います。

今後の展望などがあれば教えてください。

一つ考えているのは、食べたり飲み込んだりする機能に障害のある患者さんに対して指導やリハビリテーションを行うことです。その人たちに、口から食べることの楽しみを少しでも取り戻していただきたいという思いですね。耳鼻科の医師として、摂食や嚥下のことはよく理解しているつもりですし、実際にたくさん勉強もしてきましたので、その知識や経験を生かして患者さんの役に立つことができればと考えています。

最後に、読者に向けたメッセージをお願いします。

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「子どもの耳垢を取ってもらいにだけ行ってもいいでしょうか?」「鼻吸いだけに行ってもいいですか?」と、お母さん方からよく聞かれますが、もちろん全然構いません。それが私たち開業医の役目ですからね。あと、お子さんが何歳になったら連れてきてもいいかという質問も多いのですが、当院では生後10日の赤ちゃんを診た例もあり、外に連れ出せる状態なら問題ありません。何か心配なことがあれば、どうぞ気軽に連れて来てもらってご相談いただければと思います。

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