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稚田 仲啓 院長の独自取材記事

狛江外科胃腸科医院

(狛江市/狛江駅)

最終更新日:2019/08/28

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狛江通り沿いに「狛江外科胃腸科医院」が開院したのは1965年。3階建ての広々とした同院は、52年前に建てられた当時のレトロな雰囲気を大切にしながら、清潔感と明るさを重視したリフォームを重ねてきた。院内に足を踏み入れると出迎えてくれる受付のカウンターには、桜の1枚板が使われており、その堂々たるたたずまいが訪れる人に安心感を与えてくれる。近隣のみならず、大島や神津島といった離島からも患者が訪れる同院を先代から引継ぎいだ稚田仲啓院長。先代とともに手術室に入ることを夢見て同じ胃腸科の道に進み、漢方治療を取り入れることで新たに自らの診療方針も打ち出してきた。屈託のない笑顔で語る稚田院長に、医院で行う漢方治療や内視鏡検査、今後の展望などについて話を聞いた。
(取材日2017年4月25日)

長年の経験を生かし、痛みの少ない内視鏡検査を実施

とても雰囲気の良い院内ですね。開院から52年の歴史があると伺っています。

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ここは、僕が生まれた翌年に父が開院しました。父の代から通う患者さんからは、とても落ち着くとよく言われます。リフォームする際、清潔感と明るさを意識しましたが、同時にレトロな雰囲気も大事にし、残しています。ここは以前、3階に自宅があったので、僕にとって思い出深い建物でもあるんです。僕も父も外科出身で、父の代では、胃や大腸の手術を院内で行っていました。6年前に院長を引き継ぎ、現在は外科の開腹手術は行わず、痔核、痔ろう、切れ痔の手術を中心に、胃がん、大腸がん、ポリープ、腫瘍を含めた日帰りの内視鏡手術をメインに行っています。個室を含む病室は19床あるので、希望があれば入院も可能ですが、近年は日帰り手術のニーズが高くなっています。個室は一つ一つにお手洗いを設置してあるのがこだわりで、患者さんからも好評をいただいています。プライバシーを重視し、人の目を気にせず入院したり検査を待つことができますよ。

内視鏡検査も好評だそうですね。

内視鏡検査を行うために大切なのは、まずは経験です。それが痛みの少ない内視鏡検査につながるんです。腸は長いので、グイグイ押さないようにすること、普段はぺっちゃんこの腸のなかに空気をいっぱい入れると膨らんでしまって見えなくなるので、空気を入れないことも心がけています。僕自身が検査を受けた時に、すごくつらかったことを覚えていましたので、患者さんにはそういう思いをさせたくないんです。他院で内視鏡検査をして痛い思いをした患者さんが「先生のところは痛くないと聞いて来ました」と言って来られることもあります。うまく内視鏡が入って「先生、もう入っちゃったの?」と言われた瞬間は、励みになります。プレッシャーは感じますが、それをバネにしています。

こちらで行っている内痔核硬化療法とはどのような療法なのですか?

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内痔核硬化療法は、痔を切らずに「内痔核硬化剤」を注射し、治す療法で、希望される患者さんも年々増えています。患者さんの間ではよく知られていて、希望されて来られる方もいます。日本に導入されてまだ10年ぐらいですが、術後の痛みは少ないことがほとんどで、さらに日帰りで行え、次の日から普通に出社も可能になります。当院には、日帰りで内痔核硬化療法を希望される患者さんが多く来院されています。父の代からのクチコミで、大島や神津島などの離島からいらっしゃる方も多いですよ。飛行機で来れば、ここは調布の飛行場から近いので便利ですよね。

先代から受け継いだ診療と新たに取り入れた漢方治療

こちらで特に力を入れている治療を教えてください。

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漢方治療には力を入れています。特に、六君子湯(りっくんしとう)という漢方薬の処方は多く行っています。この漢方薬は、主に胃もたれに効果的なのですが、胸焼けや上腹部の不快感、ほかにも女性の便秘、冷え性、少しうつの様な症状がみられる患者さんにもとても効果があるとされています。いろいろな作用があり、副作用もほとんどないので、使いやすい薬ですね。学会時セミナーに参加した時にこの漢方薬を知り、使ってみようと思ったのですが、ずっと使っているうちに「六君子湯にずいぶん助けられたんだよね」という人がどんどん出てきて、最近では、患者さんの方から「六君子湯が欲しい」と言われることも多くなっています。

先生は六君子湯に関する講演会なども行っていらっしゃるのですね。

先日も滋賀県の医師会の方に呼んでいただいて、滋賀大学の先生と一緒に講演してきました。六君子湯の良さやどういう患者さんに、どういうふうに使うと効果的かなどを医師会の先生方に向けてお話しています。漢方薬は何百種類もあるのですが、当院は患者さんの金銭的な負担を軽減するためにも、院内処方にこだわっています。こちらは利便性が高いと患者さんからもご好評いただいていますよ。また当院では、なるべく多くの種類をそろえるようにしています。漢方薬は、僕の代になってから取り入れたのですが、それがすごく良い方向に向かっていて、今では「漢方治療をしているから」という理由で来院される患者さんも多くいらっしゃいます。

先生が胃腸科の道に進まれたのはやはり先代の影響ですか?

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父に憧れて、一緒に手術室に入りたかったというのはあります。そこまでの夢は叶いませんでしたが、同じ時期に外来で診療ができたので、半分夢が叶ったのかな。小さい頃、父がオペ中に手術室に入って怒られたのを覚えています。小学校3年生ぐらいの時に、「僕は将来医者になる」というような作文を書いたらしいですよ。僕は覚えていないんですが、父がそう言ってました。大学卒業後7年目には、当院を手伝い始め、5年以上は一緒に診療を行っていました。仕事に対しては厳しかったですが、患者さんへの接し方など、教科書に載っていないところを勉強させてもらいました。

地域のニーズに合わせて診療の幅を広げていきたい

診療の際、大事にしていることを教えてください。

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まず笑顔です。患者さんは病気で来られているので、看護師、事務員にも「笑顔を絶やさないこと」「上から目線で話さないこと」をお願いしています。おじいちゃん、おばあちゃんは、どうしても同じことを繰り返し話してしまいがちですよね。そのような場合でも、上から押さえつけるような言い方をしないよう医院全体で心がけています。それと機材に関しては、常に新しいものを導入するようにしていますね。内視鏡はハイビジョンのものを導入し、こまかい部分の病変に関しても見逃しがないようにしています。私は、良い医療機器を導入することが、患者さんの健康にも反映すると考えているので、積極的に導入しています。

先生が先代から引き継いでいかれたいことは何ですか?

父は医療に対して非常に前向きでした。夜、父の仕事が終わって家族団らんでご飯を食べている時でも、急患が来たら、ご飯そっちのけで仕事に行ってしまいます。そんな父を見て育ってきているので、僕もできる限り、患者さん第一に治療を考えていこうと思います。僕自身も急患の際には、近くの自宅からすぐに駆けつけています。この地域にずっと住んでいますので、気軽に声をかけてくれる患者さんも多いですよ。休みの日は、近くでテニスをするのですが、そのテニスコートで患者さんが待ち構えているんですよ。「先生、教えて」と言って、病気のことや、娘さんの体調について聞かれるので「病院に来てよ」と言っています。地域に根付いた形で患者さんのためになればと思うのですが、できればテニスはゆっくりしたいですね(笑)。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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今後は在宅にも力を入れていこうと計画を立てています。昔から来られている患者さんの中には、歩けなくなって通院できなくなってしまったけど、診てもらいたいという人も多いので、院内に訪問診療、訪問看護のためのセンターをつくろうと考えています。兄嫁はケアマネジャーですし、僕の家内は看護師をしているので、メンバーはそろっている感じです。大体の構想はできているので、早ければ年内、遅くとも来年度始めにはスタートできれば良いなと思っています。また、当院は個室があるので、内視鏡検査前に下剤を飲む時などは、トイレ付きの個室を使っていただけます。女性にとっては人目を気にしなくても良いので喜ばれています。今ある設備や人材を生かしながら、今後も患者さんのニーズに合わせて診療の形や幅を広げていきたいと思います。

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