杉本 英光 院長の独自取材記事
内科・消化器内科 杉本クリニック
(門真市/古川橋駅)
最終更新日:2026/04/22
京阪本線・古川橋駅から徒歩5分の場所にある「内科・消化器内科 杉本クリニック」。医療ビルの1階にあり、シンプルな外装で、見た目もスタイリッシュなクリニックだ。3年前にオープンした同クリニックの患者層は30~40代が多いという。院長である杉本英光先生は、患者の話をよく聞き取り、患者の意思に応じて診療方針を決めることをモットーにしている。「たとえポリープがあったとしても、患者さんが望まないのであれば切らずに経過観察で済ませます。自分の治療を押しつけるようなことはしません」と、きっぱり言い切る。そんな杉本院長に治療方針や便秘についての外来についてなど、さまざまな方面から話を聞いた。
(取材日2018年6月11日)
専門性を維持しつつ、かかりつけ医として幅広い診療を
まずは、先生の開院までの経歴を教えてください。

私の生まれは滋賀県です。川崎医科大学卒業後、京都大学の内科研修医として入局し、長く京都で勤務医として働いていました。ですので、この門真市や古川橋にはまったくなじみがなかったんです。なので完全にゼロからのスタートでした。最初の頃はまったく患者さんが来られなかったので、不安な日もありましたが、来院された患者さんからのクチコミで少しずつ増えてきました。建物が新しく、内装がきれいなこともあってか、患者層は内科にしては若いほうだと思います。特に30代40代の方が多いですね。逆に年配の方はガラス張りの外観で近づきにくさがあるのかもしれないですが、一度お越しいただければ、中は落ち着いた雰囲気で「意外に安心するわ」と言ってもらっています。
開業を決意されたのは、どうしてでしょうか?
勤務医時代は消化器内科が専門で、内視鏡検査と治療を主に担当してきました。一方で、私は日本内科学会の総合内科専門医でもあります。ただ、消化器内科の医師として専門性を深めれば深めるほど、どんどん他の分野への関わり方が薄くなっていくことに懸念もあったんです。特に来院される高齢の方を見るにつけ、消化器内科だけでなく、内科医師として総合的に診ていけるようになりたいな、という気持ちが強くなっていきました。そこで、専門領域である消化器内科では、一歩、踏み込んだ診断・治療をしつつも、幅広く「医療の窓口」となるかかりつけ医になりたくて、今の形態で開業することにしたんです。
先生が大切にしている内科の医師としての信条は何でしょう?

一番は「患者さんに対して正直にあれ」ということでしょうか。時に開業する医師は患者さんを自分の医院で抱え込みたがる場合があります。しかし、医師は「これ以上のことは専門外であるので、わからない」と少しでも思った場合、他の施設、他の先生に任せ、なるべく自分で抱え込まないようにしないといけないと思っています。私は日本内科学会認定の総合内科専門医ですが、資格を持っている医師が決して素晴らしいわけではありません。まして、すべての治療をできると思うのはおごりです。あくまで、「窓口」として話を聞き、適切な病院、適切な医師を紹介できる医師でありたいと思っています。
内視鏡検査で早期発見、早期治療を
内視鏡検査は、どのようにして行われるのでしょうか?

問診・診察により胃内視鏡検査や大腸内視鏡検査などの検査をご提案しています。バリウムを飲んで行うエックス線検査には限界があるので、年々、内視鏡検査の需要は高まっているように感じますね。内視鏡検査により、胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸がん、大腸ポリープなどの病気の予防や早期発見などができます。簡単なポリープであれば、手術まで当院で行っています。これは内視鏡の中から通した器具でポリープの根っこを縛って、切除するというもの。もっとも、当院での手術は入院まで至らないようなものだけ。入院が必要な大型のポリープの場合は、提携先の病院を紹介するようにしています。
どんな人が内視鏡検査を受けるべきなのでしょうか?
胃内視鏡検査の場合、最近、食欲がない、食べた物が詰まる感じがする、胃に痛みを感じるという方は一度、来院されることをお勧めします。まだ胃カメラは苦しいというイメージをお持ちの方もおられるかと思いますが、直径の細い管を使った経鼻検査ですと、だいぶ楽に検査できるようになりました。挿入時が一番違和感が強いので、できるだけ丁寧に挿入し、痛みや違和感が少ないよう注意しています。一方、大腸検査は便通が悪い、便に血が混じるようになったという症状があれば、病院に来たほうがいいですね。もちろん、当院に来たからといって、全員に内視鏡検査を行うわけではありません。詳しく問診した上で、比較的短期間に症状が進んだ方や病状をかなり心配されている方には検査を勧めることが多いです。
こちらには「便秘の外来」もあると伺いました。どういうものなのでしょうか?

便秘に悩まれている方を専門に診る外来です。来院いただくと、詳しく問診をさせていただき、おなかのエックス線写真を撮って、血液検査をします。その上で、再度来ていただいた時に、検査結果を報告します。必要あらば適切な量の下剤を処方しますが、多くは、適切な食事や運動といった生活改善だけで治療していきます。ただし、大腸がんなどの大きな病気が潜んでいることもあるので「ただの便秘」と思い込まないように常に注意しています。どんなときもそういった「万が一」のケースを頭に置き、必要あれば内視鏡検査を勧めるようにしています。
患者の気持ちを一番に考え、治療方針を決める
患者さんで、近頃増えている症状はありますか?

やはり、生活習慣病の方でしょうか。昔と違って、30~40代でも肥満が原因で重篤な生活習慣病を発症する方が増えている感じはします。健診を受けられて、何らかの異常があると診断された方はそれを無視しないようにしてほしいと思います。ただし、すべての人に無理にダイエットを勧めたりはしません。「健康で長生きしたい」という希望があれば、「体重を減らしたほうがいいですよ」とアドバイスしますが、「太く短く生きたい」とおっしゃるのであれば、それもその人の生き方なので、無理にダイエットする必要はないと思っています。ただし、健康寿命を延ばしたいと希望されるのであれば、生活習慣の改善を医学的な見地よりアドバイスをさせていただくようにしています。
患者さんの気持ちを尊重されるということですか?
そうです。自分の治療方針を押しつけて、それを受け入れなさいというのは、医師の傲慢だと私は思います。消化器内科の場合、ポリープがあっても患者さんに「切りたくない」と言われれば、手術を強制したりしません。きちんと「ポリープが原因でがんになる可能性もありますよ」とは説明します。けれど、すべての腫瘍ががん化するわけでもありません。また、たとえがんになったとしても、転移する前に、別の病が原因でその方の寿命が尽きてしまったらポリープは死とは何の関係もなかったことになります。あくまでも何を大切にするか、ということです。それを患者さん自身が理解し、選択できることが最も大切だと思っています。
今後、どのようなクリニックにしていきたいとお考えですか?

まず、消化器内科の領域であるおなかの症状に関しては専門性を発揮して、できるだけ患者さんの期待に添えるような診療をしていきたいですね。一方、それ以外の内科系の症状についても気軽に相談してもらえる存在になりたいです。「かかりつけ医」とは、いわば相談相手みたいなもの。その患者さんが、どこで診察・治療してもらうのが、その人にとって一番かを判断するのが仕事です。特にこの門真市には市内に中核病院がほとんどないので、どこの病院に行けばいいのか迷われる方も多いと思います。そういった患者さんのために適切なアドバイスのできる、医療の「案内係」になっていきたいと考えています。

